センサーが完成したら、問題なくデータが取れるかどうかを確認する(Photo01)。ちゃんとデータが取れていればOKだ(Photo02)。
Photo01: 384回で紹介したブレッドボードで、MPC9700の代わりに3Pのオスを装着し、そこにセンサーを取り付ける。ただやってみると分かるが、3Pオスのリードが短いため、安定しないというか簡単に抜けてしまうので、あくまでも一時的な対応。 |
Photo02: ArduinoのSketchも384回に示したものそのまま。 |
さて、動作確認にはこれで十分だが、校正を掛けるためにはもう少しちゃんとArduinoとセンサーを接続する必要がある。これまでだとここでユニバーサル基板の出番なのだが(というかユニバーサル基板を使ってもいいのだが)、今回はもう少しコンパクトにまとめるため、専用基板を使ってみた。何が「専用」かといえば、このバニラシールドはArduinoとまったく同じ大きさで、付属するヘッダピンを使えばそのままArduinoに被せるように装着できるあたりが「専用」で、基板そのものは単なるユニバーサル基板である(Photo04)。ここに6つの3Pオスコネクタを配すわけだが、いろいろレイアウトを選んだ結果、こんな感じが一番無難であろうと判断した(Photo05,06)。
Photo03: Switch Scienceで売っているバニラシールドの赤。\600。何で赤か、というとたぶんこれはMTMか何かのイベントで購入しており、その際は赤しか在庫がなかったから。同社のサイトでは他に白/黒/緑/青がラインナップされている。 |
Photo04: 一番右の穴が、Arduino同様不均一になっているのが判るが、それ以外は単なる赤いユニバーサル基板。 |
Photo05: 本当は縦一列とかの方が格好いいのかもしれないが、微妙にArduino基板上の部品(特にUSBのシールド)と干渉するので、避けるとこんな感じに。 |
Photo06: 裏面から。今回は配線だけなので部品との干渉をそれほど考える必要はないが、まぁゆとりがあるほうが簡単である。 |
さて実装であるが、まず3Pコネクタの位置を決めたら、スズメッキ線で挟み込んで固定する(Photo07)。とりあえずどこか足を1つでも半田付けすれば安定するが、それまでの間はこれで位置を固定させようというわけだ。で、今回の配線であるが、基板の表面(つまり上側)に温度信号を、裏面(つまり下側)に5VとGNDの配線をすることにした。図1が実体配線図である。表面側は、普通にリード線を使って配線を行った(Photo08)。一方裏面は、スズメッキ線で配線を行い、そこに絶縁チューブを被せる形で行った(Photo09,10)。
Photo07: この固定に使ったスズメッキ線は、あとで5V/GNDの配線に流用した。 |
Photo08: 半田付けそのものは裏面で行うが、配線の取り回しはこんな具合に表側を通すことに。配線は適当にまとめて、やはりスズメッキ線などで束ねておくと便利。 |
Photo09: まずGND側の配線。図1では灰色で示しているのがGND側。 |
Photo10: 赤いのが5V側。Arduinoの5Vのピンとの接続は、都合によりリード線を使ったので基板表側に回っている。 |
さて、配線が終わったところでこれをどう収めよう? という話が次に来る。むき出しのままでも問題が無いといえば無いのだが、ちょっと収まりが悪い。実はArduino系の場合、ALTOIDSの缶を使って自作することが非常に多い。理由はちょうど大きさがマッチするから、という話である。ただ筆者は実はALTOIDSはちょっと甘みが多くてあまり好きではない。その代わりBrown&HaleyのZingosというミントキャンディーが恐ろしく辛くて大好きなのだが、このケースがALTOIDSと全く同じサイズである(Photo11)。ということで、ためしにZingosの缶にいれてみると見事にぴったりである(Photo12)。なので、この缶を改造してArduinoを収めることにした。ちなみに別に缶である必要は何もないので、例えば100円ショップで小さめのタッパーなどを見繕ってきて収めてもいいだろうし、強度を問題にしないならダンボールあたりで作ってもいいだろう。
まずはUSBコネクタ用の穴が必要なので、マーキングした(Photo13)のちにニッパーなどで切って整える(Photo14)。同様に3Pコネクタについても、まず大雑把にマーキングして(Photo15)、ドリルなどで穴をあけてからニッパーで余った部分を切り取っている(Photo16,17)。
Photo13: このあたりは常に現物あわせ。実際はもう少ししたまで切らないとUSBコネクタが干渉する。 |
Photo14: 加工後。あんまりきれいな工作とは言いがたい。缶そのものは非常に薄い鉄板なので、ニッパーなどで簡単に切れる。ただその後はラジオペンチなどで折り曲げておかないと、怪我をしかねないので注意。 |
Photo15: このマーキングは全然あってなく、結局もう一回り穴を大きくする羽目に。 |
Photo16: この時は10mmφのドリルで穴を2箇所開け、ついでニッパーで周辺を切ってゆき、大雑把に四角形に仕上げた。とはいえ穴の位置が全然あってなかったのだが。 |
この状態でふたをしめると、こんな感じである。概ねOKではあるが、配線はともかくバニラシールドの金属部がむき出しなのがちょっと心配である(Photo18)ので、後で何か被せる事にする。。この状態で蓋をしめると、こんな具合にUSBコネクタが隠れてしまう(Photo19)ので、蓋にも切り込みを入れる(Photo20)。最後に見かけの問題ではあるが、3Pコネクタの周囲をやはりゴムシートで覆って(Photo21)完成である。使う場合はこんな具合に接続する形だ(Photo22)。
Photo21: このシートは100円ショップかどこかで売っていた滑り止めシート。同じシートを、缶の一番下側(缶とArduinoの間)にも挟み込んでいる。 |
Photo22: 蓋を輪ゴムでとめているあたりがあまり美しくないのだが... |
ということでやっと校正を掛ける準備が整った。次回は校正を掛けて、それにあわせてArduinoのSketchを修正したいと思う。
(続く)