LEDの配線だけは、少し細かく説明することにしたい。ドリルでを開けたら、そこに図1の様にLEDを差し込む。この時注意するのは、足の向きである。これを綺麗に揃えないと、あとの配線が恐ろしく面倒になる。長辺方向から見ると、図2の様にきちんとアノード・カソード・アノード・カソード・という順に足が並ぶ様にしてほしい。この段階では、まだ足を切ったりしないように。さもないと、どっちがカソードなのかをテスターを当てて延々と調べる羽目になる。もっとも、たまに初期不良で点灯しない、なんてLEDが(確率的にはごくわずかとは言え)存在するし、一度半田付けをしてしまうと後からの交換はきわめて面倒なので、一度全部のLEDがきちんと点灯することを確認しておくことをお勧めする。試すのは簡単で、358回で説明した回路と359回で説明したスケッチ(List 1)を用意し、358回でブレッドボード上のLEDをさしていた箇所からリード線を引っ張り、埋め込んだLEDが点灯することを確認すればよい。もしくは、LEDを埋め込む前に点灯することを確認しておいても良いだろう。

図1

図2

話を戻すと、短辺方向から見れば図3の様にきちんと1本しかリードが見えなくなっているのが理想である。実際は穴がまっすぐ開いてないから、多少でこぼこして見えるのだが。

図3

さて、配線が終わったら、まずアノード側の配線である。ラジオペンチ、もしくはピンセットを使って、アノードを根元で90°曲げて、短辺方向に接触するようにする。図4は折り曲げた状態を上から見たものである。ちなみに指で曲げると綺麗に曲がりにくいし、そもそも狭い箇所なので他のピンまで曲げてしまうから、ここは素直に工具を使ったほうが良い。アノードピンがかなり長いこともあり、この段階では横にややはみ出すようになる筈だ。理想としては、長辺方向から見ると図5の様に、短辺方向からみると図6の様になってほしいが、まぁ出来る範囲でがんばるということになる。

図4

図5

図6

これを全ピンについて行ったら、アノード同士の半田付けを行う。上から見ると図7の様な感じだ。長辺方向から見ると図8の様に、実はカソードピンとの隙間がそれほどないので、うっかりアノードとカソード両方を半田付けしないように注意されたい。短辺方向から見れば、図9の様になっているはずだ。全部で60箇所の半田付けとなる。ただ、これをいきなりやるのではなく、図7で縦方向一列の半田付けが終わったら、またテスターなりArduinoなりを使い、半田付けしたLEDが点灯することを確認しておくのが吉である(Photo01)。余ったリードは切ることになるが、慣れるまでは「リードを切ってから半田付け」よりも「半田付けをしてからリードを切る」方が無難である。うっかりリードを短く切りすぎて、切ったリードをもう一度ハンダ付けして繋げるなんて馬鹿な真似を数回することになったからだ。

図7

図8

図9

Photo01: うっかり作成中に写真を撮り忘れたので、これは完成したものを撮影している。黄色LEDの根元から折り曲げ、それを隣のLEDに接触させて半田付けし、余分なリードを切った後の状態。あまり綺麗ではない(すいません、だいぶ半田付けが下手になってます)が、なにホビーだからして動けばいいのだ(とか言ってるから上手くならないのだが)。

さて、縦方向の半田付けが終わったら(この時点で2時間ほど要している)、次は横方向である。今回は4行×20列のLEDだが、電気的には8行×10列となる。なので、横方向は10本づつ分割することになる。ここで活躍するのが、366回で紹介したすずめっき線と絶縁チューブである。最終的な配線は図10の様になるが、これはちょっと判りにくい。手順は図11の様に、

(1) まず端のLEDにすずめっき線を巻きつける。アノードの半田付け箇所から5mmほど上にしておくと良い。そんなに何回も巻きつける必要はなく、1~2ターンで十分である。
(2) 巻きつけたところを半田付けする。
(3) 絶縁チューブを5mm弱の長さに切り(これはニッパーとかカッターでないと切れない)、すずめっき線に通す。
(4) 隣のカソードにやはり巻きつける。以下(2)に戻る。

という調子で、横方向を10本づつ繋ぐ形だ。実はカソードもそれなりの長さがあるので、腕に自信があれば5mmほどの高さのところでまげて隣のカソードに接触させることも可能だが、カソードのリード線は結構丈夫なので、あまり綺麗に曲がらないし難易度も高くなる。素直にすずめっき線を使ったほうが無難だ。絶縁チューブは文字通り絶縁するだけなので、絶対に必要というわけではないが、なにしろ狭い箇所だから配線同士がうっかり接触したりしかねないので、使ったほうが無難だろう。

図10

図11

半田付けが終わったら図12の様に端の1本だけ残し(ここからArduinoへの配線を接続する)残りの余分な部分はニッパで切っておく。ちなみにここまで来るのに、筆者の場合でほぼ4時間半ほどであった(Photo02)。ここまで終わるとあとはそれほど時間は掛からない。

図12

Photo02: 最初はカソードを曲げる方法を考えたのだが(一番左端のものがそれ)、ご覧の通り綺麗にいかなかったので放棄。ちなみにこの絶縁チューブは耐熱性もあり、少々半田ゴテで熱した位ならば問題ない(とはいえ、手前のチューブはだいぶとろけ気味であるが)。

(続く)