暮らしの中でふと出てくるいろいろなお悩み、家電を利用して解決できることは多いもの。IT・家電ジャーナリストで家電製品総合アドバイザーの安蔵靖志さんに、おすすめ家電や使い方を紹介してもらいます。

今回のご相談

ドラマが好きなのですが、異動で配属が変わってから忙しくなり、録画した番組を見るヒマがありません。スマホで録画番組を見る方法を教えてください?(30代・女性)

パナソニックの「全自動DIGA DMR-2X202」(実勢価格:65,000円前後)をおすすめします

  • 「全自動DIGA DMR-2X202」の本体サイズは幅430×奥行き199×高さ60mm、重さは約2.7kg。HDD容量が3TBの「DMR-2X302」、6TBの「DMR-2X602」もあります

スマホで録画番組を楽しみたいのであれば、多くのテレビに内蔵されている録画機能ではなく、ブルーレイディスクレコーダー(以下、BDレコーダー)で録画して転送する使い方がよいでしょう。その中でもパナソニックの「全自動DIGA DMR-2X202」をおすすめしたいポイントは以下です。

  • 最大6チャンネルを最大16日間“全録”できる
  • 録画番組や放送中の番組を、スマホやタブレットで視聴できる
  • 番組を“持ち出し”すれば通信環境や料金を気にせずに楽しめる

DMR-2X202はいわゆる「2K」対応ですが、4K放送を録画したいなら「DMR-4X1002」(実勢価格:300,000円前後)や「DMR-4X602」(実勢価格:170,000円前後)を検討してみてください。4K対応、および大容量のHDD(ハードディスク)を内蔵していることもあって、だいぶ高価になる点に注意です。

【ポイント1】最大6チャンネルを最大16日間“全録”できる

全自動DIGAシリーズに限らず、「全録レコーダー」と呼ばれるBDレコーダーの魅力は、なんといっても「設定したチャンネルをすべて録画してくれる」こと。一般的なテレビやBDレコーダーの録画機能では、録画したい番組を録画予約する必要があります。しかし全録レコーダーの場合、設定したチャンネルを24時間すべて録画してくれるので、話題になった番組を見逃すことがなくなります。

DMR-2X202は、7チューナー(地上/BS/CS×3、地上×4)を搭載しており、最大6チャンネルを2TBのHDD(ハードディスク)に最大16日間(15倍録モードの場合。録画モードによって異なります)記録できます。6チャンネルのうち2チャンネルはBSと110度CS放送も選べるので、有料放送などを利用しているユーザーにもぴったりです。

チャンネル録画用に最大6チューナー、さらに通常録画用に1チューナーという構成です。チャンネル録画用の2チューナーを通常録画用に切り替えたり、チャンネル録画する時間帯を設定したりと、さまざまなカスタマイズにも対応します。

映画、ドラマ、スポーツ、バラエティ、ニュースなど、番組ジャンルごとに録画モードを設定することも可能。チャンネル録画の全体を5倍録モードにしておき、たとえば高画質で残したいドラマは5倍録モードのまま、内容が分かればいいニュースは15倍録モードといったように、録画モードを分けることで録画日数を伸ばせます。

さらに、ドラマやアニメ番組の場合、チャンネル録画で保存したドラマ・アニメを約90日間残しておく「ドラマ・アニメお録りおき」機能が便利です。ジャンル(ドラマ/アニメ)と時間帯(朝/午後/ゴールデンタイム/深夜)を選んで設定できるので、深夜アニメだけお録りおきしたい――といったニーズにも応えてくれます。

【ポイント2】録画番組や放送中の番組を、スマホやタブレットで視聴できる

スマホで録画番組を楽しむ上で重要なのが、スマホアプリとの連携機能です。全自動DIGAを含めたDIGAシリーズの場合、無料の「どこでもディーガ」アプリ(Android/iOS対応)を使うことで、全自動DIGAを通してスマホアプリから録画番組や放送中の番組を視聴することができます。

Wi-Fi環境がない場所から見ると通信料金がかかりますが(“ギガ”を大量に消費する可能性があるので注意)、スマホアプリを通して自宅の全自動DIGAに接続し、録画番組を視聴したり、全自動DIGAのチューナーを使って生放送を視聴したりすることも可能です。サッカーや野球など世界的なスポーツ大会の生放送をどうしても見たい! というときにはそういった使い方もおすすめです。

自宅に設置してある全自動DIGAを家族の誰かが使って大画面テレビで視聴しているときに、別の部屋からスマホやタブレットを使って録画番組を視聴する――といった使い方もできます。

【ポイント3】番組を“持ち出し”すれば通信環境や料金を気にせずに楽しめる

どこでもディーガアプリを使うと、録画番組をスマホに持ち出す(転送)こともできます。持ち出す際には、フルHDの最高画質モード(1080p・最大約4Mbps)からパケット節約モード(180p・約150kbps)まで画質を選べます。高画質になるほどスマホ側のストレージ容量を消費するため、映画やドラマなど高画質で楽しみたい番組は4Mbpsの最高画質モード、バラエティ番組は1.5Mbpsの高画質モードといったように使い分けるとよいでしょう。

スマホアプリの「番組表」から持ち出したい番組を選ぶと、画面下に「番組持ち出し」メニューが出てくるので、画質を選んで「持ち出し」を選択するとスマホにダウンロードできます。ただし持ち出す際には画質変換が行われるため、ダウンロード完了まで待ち時間がかかる点に注意してください。

番組持ち出しは、外出先から「予約」することも可能です。外出先で持ち出した番組をすべて見てしまった場合、どこでもディーガアプリから同じように番組持ち出しを選ぶと「持ち出し予約」になります。スマホと全自動DIGAが同じWi-Fiにつながったとき、「ただいま転送」機能を使って自動的に番組持ち出しを行ってくれるので、次のお出かけに持って行きたい番組を用意しておけます。

こんなブルーレイディスクレコーダーもおすすめ

■時短再生に特化した機能を搭載し、4K放送も録画できる全録レコーダー
TVS REGZA「レグザブルーレイ DBR-4KZ200」(実勢価格:90,000円前後)

  • 「DBR-4KZ200」の本体サイズは幅430×奥行き260×高さ59mm、重さは約3.5kg。HDD容量が4TBの「DBR-4KZ400」、6TBの「DBR-4KZ600」もあります

ドラマやアニメの新シーズンが始まると、「あれも見たい、これも見たい」となって予約録画はするものの、“積ん読”みたいな状態になってレコーダーのHDD容量が埋まっていく……といった経験はないでしょうか。そんな人におすすめなのがTVS REGZAの「DBR-4KZ200」です。

こちらは8チューナー(タイムシフトマシン専用:地上×3、地上/BS/CS×2、通常録画・タイムシフトマシン兼用:地上/BS/CS×1、通常録画専用:地上/BS/CS/4K新衛星×2)を搭載しています。6チャンネル×最大約2.5日分の全録機能と、ジャンルや人物など好みのテーマを登録するだけで好みの番組を自動で録画してくれる「おまかせ録画」を組み合わせた「4Kハイブリッド自動録画」機能をウリにしています。

スマホ視聴のおすすめポイントは、無料の「スマホdeレグザ」アプリ(Android/iOS対応)を使った時短視聴機能です。レグザブルーレイシリーズにはCMカットと早見再生を組み合わせた時短視聴機能があり、スマホアプリからも「ざんまいで見る」を選ぶことで時短視聴が可能です。全自動DIGAシリーズも早見再生機能は搭載していますが、レグザブルーレイシリーズはより時短視聴に特化した機能になっているので、どんどん録画番組を消化したいという人におすすめです。

■予約いらずで連ドラを“録りおき”してくれるトリプルチューナー搭載機
シャープ「AQUOSブルーレイ 2B-C20ET1」(実勢価格:70,000円前後)

  • 「2B-C20ET1」の本体サイズは幅430×奥行き195×高さ51mm、重さは約2.4kg。HDD容量が1TBの「2B-C10ET1」もありますが、1TBだと容量的に心許ないので、候補としては2TBの「2B-C20ET1」をおすすめします

シャープのAQUOSブルーレイは、上記の全録レコーダーとは違い、通常の予約録画タイプです。おすすめのポイントは連続ドラマを自動的に録画してくれる「ドラ丸」機能。連続ドラマを自動的にリストアップしてまるごと4週間分を自動で録画してくれて、リモコンの「ドラ丸」ボタンを押すと録画したドラマを一覧表示してくれます。録画から4週間が経過したら自動的に消去してくれるので、予約も消去もいらない点が便利です(お気に入りの番組は保存しておくこともできます)。

無料の「AQUOSリモートプレーヤー2」アプリ(Android/iOS対応)を利用することで、リモート視聴や番組のスマホ持ち出し、リモート予約なども可能。予算を抑えてドラマをたっぷり楽しみたいという人にはこちらもおすすめです。