最近では、自宅ではMac OS X、オフィスではWindowsと使い分けている人、またWindowsとMac OS X、Linuxが混在している職場で働いているという人が増えてきた。技術者であれば、仮想化ソフトを利用して1台のMacに複数OS環境を構築しているという人もいるだろう。そんな中でパスワード管理をうまく行おうと思うと、意外と選択肢は多くない。
そこで考えるのがマルチプラットフォームに対応したパスワード管理ソフトだ。今回紹介する「KeePassX」であればMac OS XとWindowsはもちろん、Linuxにも対応している。1つのパスワードファイルを各クライアントで利用できるので、便利に使えるはずだ。
名称 | KeePassX |
---|---|
0.3.4 | |
動作環境 | Mac OS X Tiger 10.4以上、Windows 2000/XP/Vista、Linux(Ubuntu 8.04以上、openSUSE 10.3以上、Fedora 8以上) |
ジャンル | セキュリティ |
開発者 | KeePassX Team |
種別 | オープンソース |
GPL |
使い方は簡単で、最初に[File] - [New Databe...]で「Set Master Key」ダイアログを開き、マスターパスワードを設定する。念のため書いておくが、このマスターパスワードを忘れたらどうにもならないので注意が必要だ。とはいえ、あまり簡単なものを設定したら、そもそもパスワードを管理する意味がなくなってしまう。第三者に推測されにくく、それでいて自分は覚えているというものを設定しよう。
後はグループを作成して、その中にパスワードを管理したい項目(エントリー)を登録していく。各グループやエントリーは好きなアイコンを配置することができる。目的に応じて使い分ければ運用が容易になるだろう。
実際の運用時には登録したエントリーのリストを選んで[Command]キー+[B]キーでユーザID部分がコピーされ、[Command]キー+[C]キーでパスワードがコピーされる。パスワードは指定時間(デフォルトで20秒)が経過するとクリップボードから消去されるようになっている。
また、[Extras] - [Password Generator...]で「Password Generator」ウィンドウが開き、自分の好きな長さのパスワード文字列を生成できる。英数字、記号などの指定も可能だ。実運用時にはパスワードを生成してそのままコピーして使うので、長くても困ることはないだろう。
パスワードデータベースは、256bitのAESまたはTwofishで暗号化されており、マスターパスワードを忘れた場合の復旧は困難だ。強力さゆえではあるが、くれぐれもパスワードを紛失されないよう注意されたい。