今日のそばは「京橋 恵み屋」(東京都中央区)に決めた。東京メトロ有楽町線「銀座一丁目」駅から、歩いて2分のところにある。この日、仕事で八重洲口の方で打ち合わせがあったので、ふらりと歩くのにちょうどいい距離だった。
アクの強い立ち食いそば屋
この店の営業は11時から。到着したのは開店2分前だったので、あたりをぶらついて時間をつぶすことに。再度11時3分に訪れた時、もうすでに7~8人の先客が。みんな近くで開店を待ち構えていたのか。恐るべし、東京の人気店。
店内は薄暗く、混み合っているせいか狭く感じる。左側にカウンター、右側にテーブルが2脚あり、どちらも立ち食い形式でイスはない。詰めて入っても、12~13人でいっぱいではなかろうか。
スピーカーから流れるのはロックミュージック。壁面にはCDやKISSのフィギュアなども飾られており、アクの強い立ち食いそば屋であることは間違いない。突き当り正面に厨房カウンターがあり、女将さんの「おはようございます、何になさいます? 」に返して口頭でオーダーする。
十割そばの歯ざわり&コシにも満足
メニューはカウンター上にクリップで吊り下がっている。そばの種類、量、食べ方(「盛り」か「ぶっかけ」か)、トッピングを選ぶ、一風変わったスタイル。そばはこだわりの十割そば。「恵みそば」「田舎そば」「ダッタンそば」「更科そば」の4種(このほかに「今日のおそば」として変わり種もある)。
量は小盛り、並盛り、大盛り、特盛りからセレクト。量で金額が変わり、180gの小盛りで税込350円。700gの特盛りで税込800円と幅広い。注文したのは、「ダッタンそば並盛り」を盛りそばで、それに大根鬼おろしと刻みのりをトッピングして、計税込650円。ちなみに揚げ物などはない。
1~2分ほどで完成。ワサビとネギはセルフで盛る。刻み海苔を頼んで正解。なんとも食欲がそそられるルックスになった。麺は歯ざわりがよく適度なコシがあり、十割そばでありがちなボソボソした食感は全くない。
荒めに削られた大根鬼おろしのシャリシャリもアクセント。そして大満足のボリューム。並盛りは300g、十分過ぎる量だった。最後にポットからそば湯をいただき、ごちそうさまでした。
夜は立ち飲み屋として営業。お酒やおつまみとともに、もちろんそばも味わえるとか。一度や二度では味わえつくせない店である。
筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)
1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。