門前仲町に行ってみた。下町情緒あふれるにぎやかな商店街があり、江東区を代表する街として、住むに良し遊ぶに良しと人気の街らしい。筆者個人としては、これまで自宅からのアクセスが良くなく、ほとんど訪れたことのない場所だったが、昨年江東区内の銭湯巡りをした際に何度か降り立つようになった。今回は、その「門前仲町駅」(東京メトロ東西線・都営地下鉄大江戸線)3番出口おりて1分、「門仲そば」をご紹介。

「門仲そば」(税込420円)

下町のそばに似つかわしくないムーディーさ

「下町の立ち食いそば・うどん」と掲げられた看板。出入口は左右2カ所あり、右から入ると券売機がある。店内は中央の立ち食いカウンターをつい立てに左右に分かれており、左側には着席カウンターやテーブルもある。奥側が厨房。

若干不自然なレイアウトな気もするが、居抜きなのかもしれない。そう言われてみると、表の看板も取って付けたようなバランスだし、店内の照明も、およそ下町のそばに似つかわしくないムーディーな雰囲気だったりする。その雰囲気に乗じて、オールディーズなBGMを流しているのもまた面白いところなのだが。今回の注文は店名そのまま、「門仲そば」(税込420円)。

水をとって、テレビを眺めながら待つ。こだわり(?)のBGMが流れているので、テレビは消音でついている。平日9時頃、相客は2人。品名を呼ばれて、取りに行く。

やや太めの麺でガッシリいただく

門仲そばとは何ぞや、ということであるが、写真の通り、とろろ昆布、揚玉、ワカメとネギが載ったちょっと豪華なそばのことである。ワカメと揚玉、ネギはおなじみのメンツなので安定した安心感。とろろ昆布は珍しい。

濃いめのツユにとろろ昆布をひたせば、抜群のおいしさなのは皆さんご存知のところだと思う。独特の香りと酸味がアクセントになって、相性良し。もっとはやればいいのに、とろろ昆布そば。麺はゆで麺でやや太め。ガッシリとしたボリュームで食べ応えもある。

「門仲そば」は「門前仲町駅」3番出口から徒歩1分

店の雰囲気はちょっぴり独特だが、味はしっかりと、間違いなく立ち食いそばをしている。ここで一杯やって門仲の街に繰り出せば、江戸っ子気分に浸れるかも。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。