駅から近いから「駅そば」、とはよく言ったもので、今回紹介するのもまさに駅そば、都営三田線・浅草線「三田」駅A3出口を出てすぐの「蕎麦一心たすけ」だ。JR山手線「田町」駅からも2~3分の距離である。

「特選たすけ」(税込500円)

思い返せば、東京の今年の夏は天候のすぐれない日も多かったように感じられ、焼けつくような日差しの少ないまま去ろうとしている。とはいえ、まだまだ残暑の厳しい日が続く中、やはりここは冷たい蕎麦をさっぱりといただきたい。

8つの具材で見た目もにぎやか

屋号がデザインされた大きな木の看板が目印。外観はどことなく、今風のラーメン屋っぽい。中に入ると両側、2台の食券機。ここは店名が冠になっている「特選たすけ」(税込500円)を注文。店内は全て着席式のカウンター。15人くらいは入るだろうか。奥に進み、左手が厨房になっていて、こちらで食券を渡す。「冷たいそばで」と頼む。温冷とそばうどんは選ぶことができる。

セルフの水をくみ、待つこと2~3分。大きなお椀に、麺が見えなくなるほどたっぷりと盛られた具材が魅力的だ。ねぎ、天かす、さやえんどう、なめこ、わかめ、大根おろし、あげの上に温玉。こんなぜいたくな見た目でもワンコインなのが、駅そばのうれしいところ。

麺はツルツル、しっかりとした歯ごたえを感じる食感。つゆ自体は少し味は濃い目だが、大根おろしや温玉でいい塩梅にまろやかになる。しかしこれだけの具材が乗っていると、全く飽きることなく食べ進められる。逆に少し麺の量の物足りなさも感じながら、完食。次は大盛りでもいいかもしれない。

「蕎麦一心たすけ」へは、都営三田線・浅草線「三田」駅A3出口すぐ

三田は、以前も取り上げた、個性派の「a la 麓屋」や、へぎそばで人気の高い「がんぎ」の三田店など、名店ぞろいの隠れた激戦区でもある。学生に、サラリーマンにやさしい街、今後も注目したい。

※記事中の情報は2016年9月取材時のもの

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。