古い言い方をすれば、働くお父さんの街・新橋。星の数ほどの飲食店がひしめき合っている。懐事情の厳しいサラリーマンにも優しい価格帯のランチも多い。今回の「大吉田」は「新橋」駅のSL広場から歩いて5分ほど、地下鉄「虎ノ門」駅からも近い。
エビやイカも入った具沢山なかき揚げ
この手の店にしては広く、Uの字テーブル、カウンターテーブルなどで20人以上は入るか。立ち食いスペースはない。券売機が2カ所あり、写真も入った近代的な機種。店内の雰囲気は牛丼チェーン店などに似ていて、明るく入りやすい。かき揚げのボリュームに自信がある当店の名物、とのことで「大吉田そば」の大盛(1.5玉、税込640円)を注文。さらに上には「超大吉田そば」もあった。
さすが看板メニュー。「丼にはみ出すほど」とはよく比喩で使われるが、本当にはみ出しているジャンボサイズのかき揚げにビックリ。箸で持ち上げるのにも一苦労する。しかも、立ち食いそばの天ぷららしからぬ、具材の豊富さ! 玉ねぎの甘みがシャキシャキの歯ざわりと一緒に味わえるのはもちろん、プリプリのエビやイカも入っている豪華な一枚だ。 麺は細麺。つゆはあっさり系のダシだが、食べ進めるに従い、かき揚げがほぐれていって、こってりした味もうまい。大盛にしたこともあり、食べても食べてもなかなか減らない。超大吉田そばにしていたらどうなっていたのか……。
「安い・早い・うまい」の新橋ランチの中でも、この大吉田は「お腹いっぱい」までついてくる。コスパ抜群、満足度の高い立ち食いそばである。
※記事中の情報は2016年6月取材時のもの
筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)
1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。