この日は、埼京線に揺られてJR「赤羽」駅へ。某マンガとそれを原案に据えたテレビドラマで一躍全国区の知名度になった赤羽。かく言う自分も、東京と埼玉をつなぐ北のハブ駅くらいの認識だったが、今では大まかな地理や数軒の飲み屋くらいは頭に浮かぶようになった。
午前中から友人と飲み歩いて一日を台無しにした経験もあるが、それはまた別のお話。「百万石」は東口を出て、ロータリー右手側の角地にある立ち食いそば屋だ。駅徒歩1分。到着したのは午前10時頃。近くのパチンコ店には長い行列ができていた。
初来店とは思えぬ居心地の良さ
出入口は2ヶ所。券売機もそれぞれ2ヶ所にある。きつね、たぬき、天ぷら、山菜やコロッケ、カレーそば(うどん)など。とろろ丼や明太子丼、それに缶ビールやチューハイも。山菜そばやちくわ天そばは遭遇率が高い方ではないのでこれにしようかと思ったが、よく見ると「ラーメン」を見つけてしまった。少し横道に逸れるが、「醤油ラーメン」(370円)のボタンをプッシュ。しかし安いな。
店内に入ると広めの厨房を取り囲むようにカウンターが左右に広がる。店には、おばさまの店員さんが1名。先客が3名。AMラジオが流れており、女性芸人がラジオごしにコントをしていた。食券を渡すと「2分ほどかかります」と。他の客を見ていると、そばうどんはすぐ出されるようだ。水を飲みながら、初めてきたとは思えない居心地のよさがあるな、などと思いにふけったりする。
"これぞ中華そば"な正統派ラーメン
さて、醤油ラーメンの到着。黄金色のスープに黄色い縮れ麺。薄めのチャーシューにナルト、ネギ、メンマにワカメ。正統派、昭和の中華そばとしてストックフォトにでも出品したい一杯だ。少し意外だったのが、コショウがギャバンの粗挽きブラックペッパーだったこと。ここはエスビーのテーブルコショーでお願いしたかった。それでも、無論、まずいわけがない。ご覧の通り具材も多く、特にシャキシャキのネギは縮れ麺と絶妙にマッチする。スープはやや濃いめの味だったが、ついつい完飲してしまう美味さ。ごちそうさまでした。
これでお値段370円は驚愕だ。一杯1,000円以上のラーメンは巷にあふれているが、百万石の醤油ラーメン3回分の満足感が得られるかと問われれば、一体どれだけの店が残るだろう。ちなみに470円で「カレーラーメン」もあるので、次に赤羽に立ち寄った際はぜひチャレンジしてみたい。