この日訪れたのは新宿駅。JRの東口を出て、左手に30秒ほど進んだところに「信州そば 本陣」はある。新宿駅近辺にはいくつかの立ち食いそばチェーンがあるが、中でも駅から最も近い店舗のひとつがこちらではないだろうか。

  • 新宿東口「信州そば 本陣」で注文したのは、秋を感じる「鶏まいたけそば」

    「鶏まいたけそば」(550円)

賑やかな新宿駅至近の立ち食いそば

時間は午前10時前。向かいの「BERG」は有名なビアカフェで、少し覗いてみると店内は8割型埋まっていた。対してこちらの「信州そば 本陣」は、先客3~4名ほどの入り。利用シーンが全く異なるのだろう。

入口には写真付きのメニューとともに、2台の券売機。「English Menu Available」の文字も見える。券売機は交通系ICカード決済対応。メニューだが、きつね、たぬき、月見、わかめ、とろろ、コロッケなどからちくわ天やなす天、紅しょうが天などの天ぷら。ラーメンや、またご飯物として、カツ丼やカレーもあり、隣店に対抗して(?)か、生ビールやハイボール、冷酒に焼酎も売られている。今回セレクトしたのは、「鶏まいたけそば」(550円)。奥に進み、左手のカウンターに「そばで」と差し出す。

先客は既に食事に入っていたため、完成までに時間は要さなかった。20秒くらいで完成しただろうか、汲んだ水を添えてさらに奥に進む。店内は思いのほか広く、壁に沿ったカウンターにイスがいくつか。中央には立ち食い用のテーブルがある。BGMなどは特になく、談笑するアイドル中の店員の声だけが聞こえてくる。

まいたけ天と鶏の旨味が詰まった一杯

さて、鶏まいたけそばだ。まいたけ天はしばしばお目にかかるが、まいたけをそのままというのは珍しい。コリコリした食感と漂う香りが秋を感じさせてくれる。鶏肉は小間切れにされたもも肉で、やわらかく旨味十分。わかめとネギもやや多めなのが、これまた嬉しい。麺はやわらか。カツオ出汁ベースのツユは上品な味わいで、塩味控えめ、最後までズズッと飲み干す頃には身も心もポッカポカだ。

  • 新宿駅東口にある「信州そば 本陣」

余談だが、調べたところによると「本陣」は歌舞伎町でお好み焼き屋を経営するグループチェーンらしい。公式サイトに「食券をカウンターに出して10秒ほどで出来上がる」とあるように、何かと忙しい現代人にピッタリのお店、スキマ時間にもぜひ。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。