スマートフォンやタブレットと連動させて遊ぶ次世代オモチャ、スマートトイ。専用アプリを用いることで今までにはないオモチャの楽しみ方が広がってきている。そんなハイテクオモチャを子供だけに遊ばせるのはもったいない! ということで、大人も楽しめる、いや大人こそ楽しみたい次世代ハイテクトイを紹介する連載、始めます。

第5回 販売価格 メーカー
iRing 税別3,780円前後 IK Multimedia 製品ページ
iRing対応アプリ「iRing Music Maker」 App Store
iRing対応アプリ「iRing FX/Controller」 App Store
iRing対応アプリ「「GrooveMaker 2」 App Store
iRing対応アプリ「DJ Rig」(Free版) App Store


これがiRing。2個1組でサウンドを生成する!

音楽の落ちこぼれでもイケるの?

たまに「何か楽器は弾けますか?」と質問されることがあるが、「口笛ぐらいです」と返すことにしている。いやー、楽器が弾けるのってカッコイイよね。モテそうだし。こちらは、5歳で体験入学したヤマハ音楽教室で早々に挫折してるからね。中学の音楽の成績なんて10段階評価で2とかだったし。

そんな音楽の落ちこぼれでも楽しめそうなiOS用音楽デバイスが、IK Multimedia社の「iRing」だ。同社は、iPhoneがギターアンプ&エフェクターになる「iRig」(商品名が似ているが、ちょっと違う)をはじめミュージシャンに人気のデバイスを数多く扱うイタリアのメーカーだ。ちなみに読み方は、イケマルチメディアではなく、アイケーマルチメディアだ。

「iRing」はその名の通り指輪(リング)のようなデバイス。といっても、正確には輪にはなっていない。指を輪に通すのではなく、2本の指で挟み込んで使用する。リングには黒丸が3つ並ぶマーカーがプリントされている。対応アプリをインストールしたiOSデバイスのカメラに認識させることで、タッチレスでサウンドをコントロールできる仕組みだ。

「iRing」のパッケージ。右上のIKをかたどったマークは漢字の「天」に似ている。昔、人気だった深夜番組「三宅裕司のいかすバンド天国(通称いか天)」を思い出すのは自分だけだろうか

リング本体と、ほぼ図解のみの簡単な取扱説明書が入っている

黒丸の並び方は表裏で異なる。色は、ホワイト、グレー、グリーンの3種類ある

このように指と指の間に挟んで使用する

なにこれ、気持ちいいぞ!

「iRing」に対応しているアプリは、18日時点では「iRing Music Maker」「iRing FX/Controller」「GrooveMaker 2」「DJ Rig」の4つ。ちなみに「iRing」のSDKは公開されており、タッチすることなく操作できる音楽以外のアプリも今後登場してくると思われる。

今回は、音楽の素養がなくても楽しめるという「iRing Music Maker」を試してみた。これはグルーブの生成やリミックス、エフェクトの操作が楽しめるというアプリだ。

黒丸が三角に並ぶ方をかざすと、音楽がスタート。「iRing」を遠ざけると、「ドッドッドッドッ」とビートだけが刻まれ、近づけるといろいろな音が加わり賑やかな音楽となる(あー見るからに音楽の素養のない文章だな)。この三角ドットを動かすと、距離に応じてアプリ左の1~8の数字が変化。グルーブの密度を変化させベース・ラインを鳴らすことができる。

さらに、黒丸が横に並んだ「iRing」をかざすと、メロディアスな電子ピアノの音色が加わる。こちらも距離によって音程が変化。この直列ドットはアプリ右側の1~8の数字が変化し、DJがミックス中にやるような、エフェクトやフィルタ効果を追加できる。

これも、動画を見ていただいた方が早いだろう。下の動画をレッツ再生! (当たり前ですが音が出ますので音量に注意)

ド素人でも、なんとなく音楽を繰っている雰囲気になっているのではないだろうか。音としての価値はともかく操作するのは気持ちがいいです。

カメラで映し出された映像が出るので操作しやすい。距離は8段階に認識、画面左右のインジケーターに表示される

もしかして、リングじゃなくてもいいんじゃね?

実は、記事執筆に先立ち、販売元のフォーカルポイントさんに「iRing」のデモを見せてもらったのだが、リングをかざすことなく音楽が始まってしまうことがあった。原因は、iPadの前を横切った広報担当の方のシャツ。水玉模様をアプリが認識してしまっていたのだ。

「iRing」には徹底的に不向きな水玉模様のシャツ

そこで、「このリングを使わなくてもいいんじゃね?」と思いつく。アプリを動かすには、製品に付いているシリアルナンバーが必要なのだが、一度登録してしまえば、オリジナルのリングを作って、それで操作できるはずだ。いや、リングである必要もない。たとえばタトゥはどうだろう。試しに手にペンで黒丸を描いて「iRing Music Maker」で認識させてみた。

手のひらに黒丸を3つ描く。大きさや配置はけっこうアバウトだ

認識した! 実際にタトゥにするなら指の付け根がいいんじゃないかな。毛利家の家紋でもいけるはずだ ※音が出ます

「iRing」の三角の黒丸、何かに似てるなぁ。あっ、宇宙人の顔か? ムンクの叫びのようでもある。ということでお面でも認識するかやってみた。

ケント紙にざっくり黒丸を3つ描き、頭にかぶれるよう後ろに輪っかを付けた。工作としては幼稚園児並みのレベル

結果は、下の動画の通り。黒丸が大きすぎて、常に一番近づいた状態として認識されている。相当広い場所じゃないと無理だろう。

まぁ、見た目のおかしさという点では成功か? 今はピエロのお面をかぶってるバンドもあるし。やるなら早い者勝ちかもよ ※音が出ます

「iRing」対応のDJアプリ「DJ Rig」も触ってみた。プレイ中にエフェクトを切り替えたり、仲間内のパーティなんかでやるパフォーマンスとしてはかなり良さげじゃないですか(そんなパーティに誘われることもないけど)。

「iRing」対応のDJアプリ「DJ Rig」も触ってみた ※音が出ます


こちらはIK Multimedia社、iRing担当の田村さんがプレイしたデモンストレーション。iRingを使いこなすプロの技をご覧あれ ※音が出ます


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ただし、パフォーマンスはすべての人に伝わるとは限らない