スマートフォンやタブレットと連動させて遊ぶ次世代オモチャ、スマートトイ。専用アプリを用いることで今までにはないオモチャの楽しみ方が広がってきている。そんなハイテクオモチャを子供だけに遊ばせるのはもったいない! ということで、大人も楽しめる、いや大人こそ楽しみたい次世代ハイテクトイを紹介する連載、始めます。

第5回 販売価格 メーカー
Hello!MiP(ハロー!ミップ) 税別16,200円前後 タカラトミー 製品ページ
Hello!MiP用アプリ「MiP App」 iOS版 Android版


立った立った、MiPが立った!

押忍! 今回より当コラムの執筆者に加えていただくオグチっす。編集担当M(こじらせ女子)より、「なんっか、スマホ対応のオモチャないすか? あったら原稿書いてくださいよ、あとイラストも」と依頼を受け、記事ラストのポンチ絵(イラスト)も手がけております。以後お見知りおきを。

さて今回ご紹介するのはタカラトミーの「Hello!MiP(ハロー!ミップ)」。自立二輪走行するロボットで、基本的にはスマホがなくても遊べるスタンドアローンなのが特徴だ。スマホの機種が変わったら遊べないということもない。実に手軽である。

とはいえiOSやAndoroid搭載スマートフォンやタブレットと連携させると、荷物を持たせて目的の方向に進ませたり、アプリの中でごはんをあげたりと、ユーザーとより深くコミュニケーションを取りながら遊ぶことができる。このHello!MiP、スタンドアローンでも、スマホと連係しても遊べる、一石二鳥のスマートトイなのだ。

これがHello!MiPだ! 製品写真のようにキレイに撮れてしまったが、ちゃんと自分で撮影してます

「Hello!MiP」電源は単4形アルカリ乾電池4本。色はホワイトとブラックが用意されている。自立二輪走行というのは、電動二輪車の「セグウェイ」をイメージしてもらうとわかりやすいだろう。左右に車輪が付いており、倒立型振り子センサーによりバランスを保ち続ける。

MiPのスイッチを入れると、車輪が微妙に動くので、水平な場所に置いてあげる。すると、微妙に前後にバランスを取りながらすっと立つ。

基本動作は、前進、停止、旋回、後進の4つで、オレンジのランプが点いている時は手のジェスチャーで操作できる。MiPの前に手をかざし、遠ざけると前進、近づけると後退、左右に振ると方向を変える。若干誤認識もあるので、100%正確に動かせるわけではないが、ペットにイチから芸を仕込むよりはずっと楽だろうと思う。

MiPは、ちょっと文字にしにくい「ウガッ」「ウギャ~オ」というような声を出すのだが、これはMiP語なる独自言語らしい。

起動して自立させる。初回は「立った立った、MiPが立った~!」的なプチ感動が味わえる

MiPにはスタンドアローンで下記7種類のモードが用意されている(カッコ内はLEDの色)。モードは車輪を手で回転させて切り替え、胸のLEDの色でどのモードにあるかが判断できる。

  • 待機モード(青):その場で立ち続ける。

  • バランスモード(ピンク):付属のトレーに物を乗せてバランスを取る。

  • 逃走モード(白):手で進路妨害するゲームモード。障害物を感知して逃げ続ける。

  • 学習モード(赤):手のジェスチャーでコマンドを最大50個まで記憶できる。

  • 自由走行モード(黄):障害物を検知して自由に走り回る。

  • ダンスモード(水色) :内蔵の音楽を再生しダンスする。

  • コントロールモード(オレンジ):手のジェスチャーで操作するモード。

モードの切り替え。車輪を回して胸のLEDの色を変える

ダンスモード。動きがけっこう軽快。しかも障害物を避けながら踊る

バランスモード。トレーは付属品だ。バランスモードではMiPがカウントダウンをはじめ、カウントダウンが終わるまでの数十秒のうちにいろいろモノを乗せてみる、というミニゲームっぽい要素が楽しめる。タイムアップが近くなると、MiPの声が慌ただしくなり、時間切れになるとトレー上の物を放り投げるようにくるくる回る。楽しい機能だが、お茶などの液体系を乗せる時は注意

小さいペットボトルなら中身が入ったままでもバランスを保てる。江戸時代のからくり「茶運び人形」の現代版だ

転んだときの「うわ??」って声に萌える

それではこの連載の本来の趣旨である、スマホ連携について説明しよう。専用アプリ「MiP App」はiOS版、Android版が用意されており、それぞれApp Store、Google Playから無料でダウンロードできる(対応機種については、ホームページでご確認いただきたい)。

専用アプリ「MiP」iOS版のモード選択画面。モードは今後追加される予定

スマホとMiP本体はBluetoothで接続されるが、接続操作は非常に簡単だ。MiPを起動してからアプリを立ち上げると、自動的にMiPを認識して、操作可能になる。MiPが複数ある場合、個別に選択して接続、もしくは複数を同時に操作することもできる。

アプリには現在、下記の7つのモードが搭載されている。ちなみに、説明書には5つのモードのみが記載されているが、発売時に「バトル」と「スタック」という2つのモードが追加になり、実際にMiPとスマホを接続すると、7つのモードが表示される。

  • ドライブ:スマホ画面がコントローラーになる。

  • ボクシング:ボクシングのような動きを操作できる。2台で対戦させると面白そう。

  • ご飯:画面上でご飯を与えるとMiPがリアクションする。

  • なぞって操作:画面に描いた軌跡の通りにMiPが走行する。

  • ミュージックダンス:スマホやタブレットの音楽にのってダンスする。

  • バトル:赤外線ビームを打ち合い、バトルする。

  • スタック:トレイに物を乗せ、得点を競う。

スマホ連携トイに見られる「コントロール」「ゲーム要素」「音楽連携」はすべて備えていると言えるだろう。

ドライブモードで操作。転んだときの「うわ??」って声に萌える。体育館みたいな広い場所で思う存分走らせてみたい

ドライブモードの起動画面。画面左側が前進・後進、右側が旋回の操作をするエリアになっている。左上にMiP本体の電池残量も表示される

MiPの動きにはモテ要素が組み込まれている!?

MiPで遊んでいて思ったのは、開発者が意図しているかわからないが、「これ本能レベルでのくすぐり要素があるなぁ」ってこと。手の動きやスマホで操作できるといった機能以上に、倒立型振り子センサーでバランスをとりながら立つ、走ることにかわいさを感じるのだ。

昔、渋谷などにあふれていたギャル(ガングロの時代)がこぞって厚底のクツを履いていて、それ自体はちっともかわいくなかったのだが、どこかの本で「厚底を履くことで動きがふらつきがちになり、女性らしさを見せることができる」などと解説されていたことが記憶に残っている。正直、なんてこじつけだよ、と当時は思っていた。

ところが、思い起こせば十数年前、何かの飲み会で出会った女子が、酔っ払う前から歩き方が微妙にふらついていて、「おい、ちゃんとまっすぐ歩けよ」などとつい支えてしまったことがあった。実は、それが今の奥さんだったりする。(ちなみに今は動きに全然ふらつきは見られない)。

仮にふらつく動きがモテ要素になるとしたら、それはかよわい赤ちゃんを守り育てるという本能の誤作動なのかもしれない(あくまで個人の感想だが)。バツグンのバランス感覚を見せるMiPだが、荷物を持っているとふらつくこともあるし、床のコードなどにつまずくと転ぶこともある。そして、人の手で起こしてもらうまでひとりでは起き上がらない。昔ふらつく女子(今の奥さん)を自分がつい支えてしまったように、これもひとつの「女子力」といえるんじゃないだろうか。

ということで、普段から「非モテ非モテ」言ってる担当編集M(こじらせ女子)はMiPに学ぶといいんじゃないだろうか。歩くときは微妙にふらついて、割とすぐにつまずいて、転んだら決して自分では起き上がらないこと。誰も起こしてくれなかったら? MiPのように、「ウガッ」「ウギャ~オ」と奇声を発してみるともっと良いはず!

MiPの中に、女子力を見た