スマートフォンやタブレットと連動させて遊ぶ次世代オモチャ、スマートトイ。専用アプリを用いることで今までにはないオモチャの楽しみ方が広がってきている。そんなハイテクオモチャを子供だけに遊ばせるのはもったいない! ということで、大人も楽しめる、いや大人こそ楽しみたい次世代ハイテクトイを紹介する連載、始めます。

第4回 販売価格
Chromecast 税別4,200円 製品ページ


撮影総枚数438枚。ガチの紹介動画、作りました

6月某日。マイナビニュース編集部から、自宅にあるブツが届けられた。それがこれ

5月末に日本でも発売されたGoogleの「Chromecast」

これをテレビのHDMI端子に挿すだけで、簡単にネット動画がテレビで楽しめるという。操作は手持ちのスマホやタブレットを使うというのだから、確かにこの連載にぴったり。これさえあれば、スマホで観ているYouTubeなどの動画も大画面で楽しめる。しかも簡単に。

でました、「簡単」。

メーカーはいつも「カ・ン・タ・ン」はというけれど、では一体どれだけ簡単なのか? 慌てて調べてみると(慌てる必要もないけど)、なんと、製品ページには。

1.さして 2.つなげて 3.たのしむ

簡単すぎだ。「1.さして 2.つなげて 3.たのしむ」って。簡単さをアピールするために平仮名で書いちゃってるもん。もう3にいたっては設定というか、作業を終了して楽しんじゃってるし。いくらシンプルを好むGoogle様だって、省略しすぎではないか?

実際に設定してみると案の定アプリのダウンロードやらWi-Fiの設定やら、別の手順があったが、でも本当にカンタン。「たのしむ」の部分で、設定を楽しめば嘘はついてない。Google、嘘つかない。感動のあまりため息をもらすほどだ(それは感嘆)。

でもあまりにシンプルすぎると味気ない。だってこの連載名は「スマートトイストーリー」。トイとつくからには、もっと遊び心を持たなくてはいけない。

というわけで、もう一度、開封・設定やり直し。Chromecastの開封から設定までを遊び心たっぷりにアドベンチャーにしてみた。それがこちら。

実際にChromecastの設定が無事出来たら、大画面でもう一度楽しんでね。簡単だから! (※音が出ます)

あけて、さして、つなげて、あそぶ。これぞスマートトイ・ストーリー。

構想一週間、撮影総枚数438枚、開封から設定完了までにかかった時間=12時間。この動画制作のために発売からのレビューが遅れたと言っても過言ではない。本末転倒を楽しむのもこの連載の魅力だと思ってもらいたい。

一応YouTubeを試す

開封の「大儀」で気力を使い果たしたが、一応カンタンにChromecastの製品を触った感想を。

Chromecastで一番使用するシーンはYouTubeをテレビの大画面に映すことだろう。やり方はYouTube(iOS/Android両対応)を立ち上げて、ディスプレイの上部に表示されたキャストボタンをタッチするだけ。キャストボタンを押してから、7~8秒程度でテレビ画面での再生が始まる。この7~8秒がせっかちな自分には少し遅く感じる。

最大1080Pの解像度に対応しているため、YouTubeのHDコンテンツを大画面で楽しめる

「再生」のほかに「+TVキュー」という選択肢が出てくる。「キュー」は、次に表示させる動画としてストックしておく機能。TVキューにストックして連続再生もできる

注意点として、ChromecastはApple TVのミラーリングのようにスマホの画面を丸々テレビに映すのではなく、対応したアプリ(コンテンツ)の再生をスマホ側で指示して、Chromecast自体がコンテンツを再生する仕組みなのだ(スマホはリモコン的な扱い)。

現状で対応している主要アプリはYouTubeのほか、Google Play、NTTドコモの「dビデオ」、KDDIの「ビデオパス」など。アプリにChromecast機能を追加するためのSDKが公開されているため、今後対応アプリは増えていく予定だ。

ブラウザのChromeに拡張機能を入れると、PC画面のミラーリングも

PCのChromeブラウザに、拡張機能「Google Cast」をプラグインすると、テレビにブラウザ画面を映すことも可能。ただし画質は最高720pになる。PCを操作してから1、2秒ほど遅れてテレビ内の画面に反映される。

Chromeブラウザでは開いているタブをキャストできるほか、スマホとは違いPCの画面全体をミラーリングすることも。つまりPCを使えば、Chromecast非対応の「ニコニコ動画」や「Hulu」などを楽しめる。

キャストボタンを押したあと、さらに右上の小さな下三角のアイコンをクリックすると、「このタブをキャスト」「このタブをキャスト(オーディオに最適化)」「画面全体をキャスト(テスト)」が表示される

試しにテレビの電源を消した上で、キャストボタンを押したところ、テレビが自動で立ち上がり、再生がはじまった。驚いた

PCとChromecastをセットで持ち歩けば、PCの画面をTVモニタでプレゼンすることも。持ち運びやすいサイズのため、このためにもう一つ買ってもいいかも

結論! さんざん遊んだが、遊びではなく、本気のトイだった

スマホやタブレットと連動させるスマートなガジェットとはいえ、もはや"トイ"の領域を超えている。これまでもテレビの機能でYouTubeを観ることはできたが、使い勝手があまりよくなかったのも事実。グーグルはこれを、こんな小さなガジェットでいとも簡単にやりとげてしまった。しかもたったの4,536円(Google Play価格)で。

グーグルのことだから、このデバイスをきっかけにネットによるテレビ支配を目論んでると言われても驚かない。それほどの可能性を秘めたスマートガジェットだ。

確かにこれからはIoT(Internet of Things)の時代と言われている。全てのモノがインターネットにつながることで、新しい価値が生まれる時代。これまではオモチャと言われてきたスマートトイが、新しい時代をリードしてゆく……。そんな未来が、すぐ近くまで来ているのかもしれない。

テレビに差し込んで、楽しむだけ