2020年にクラウドファンディングから誕生したソニーの「REON POCKET」(レオンポケット)は、“着るエアコン”という新しい家電のジャンルを開拓してきました。今年もレオンポケットが活躍する暑い夏が到来。そこで、ソニーが4月に発売した第5世代目の新製品「REON POCKET 5」(直販17,600円)の冷感効果を最大限まで引き出す「4つの方法」を紹介します。
基本性能が向上。直射日光も検知できる
ソニーのレオンポケットは専用ネックバンドなどを使って、首にあてながら使うウェアラブル・サーモデバイスです。
冷却/温熱面となるステンレススチールのパネルの裏側には、電圧をかけると発熱・吸熱(冷却)するペルチェ素子という基幹部品を内蔵しています。
最新機種のレオンポケット5ではペルチェ素子の設計を見直して大型化しています。またペルチェ素子の発熱を逃がすための冷却ファンも改良。ブレードの数を増やして風量を増やしたことで放熱効果を高めました。動作音は最大約1/5に低減しています。
各所に大幅な改良を加えたことで、最新のレオンポケット5は前世代のレオンポケット4(2023年発売)よりも吸熱量(冷却効果)が最大約1.5倍になり、本体に内蔵するバッテリーによる連続駆動時間も最大約1.8倍まで伸びました。
レオンポケット4から採用が始まった専用の外部センサー「REON POCKET TAG」(レオンポケットTAG)は、レオンポケット5と連携させることで「直射日光」を検知できるようになります。屋外はもちろん、オフィスなど室内も窓際のように陽射しの強い場所で一定時間過ごさなければならない場面で、レオンポケットが確かな冷却効果を発揮します。
ユーザーがアプリから「SMART COOL←→WARM MODE」、または「SMART COOL」による自動運転切り替えモードを選んでいるときに、レオンポケットTAGの効果がよくわかります。
内蔵する照度センサーが直射日光を検知すると、ユーザーが設定した「温度の好み」に対して、3度ほど低い温度まで一気に冷却してから、徐々に温度の好みに合わせます。レオンポケットがあれば、涼しい室内から外に出ても、身体がゆっくりと暑さに慣れるので、発汗も少なく抑えられます。
COOLモード「レベル5」がやはり強力に効く
筆者はレオンポケット5を4月に発売された頃から使っています。
やはり静音性能が飛躍的に高くなったことは毎日実感します。5月ぐらいまで、気候が穏やかだった頃はCOOLモードのレベルを「1〜3」の間ぐらいに抑えて使っていたので、ファンの回転音も静かでした。レベル「4」ぐらいまでは静かなカフェや電車の中でも使えると思います。
6月以降は東京都内で気温が30度近くまで上がる日が徐々に出てきました。レオンポケット5から新設するCOOLモードの「レベル5」が試せる絶好の機会です。
レベル5を選ぶと、短時間でガツンと冷える実感があります。筆者は冷え症なので、暑い日でもレベル5は冷たすぎてあまり使いません。放熱ファンのノイズも大きくなるので、遠慮してしまうからかもしれません。たとえばオフィスや通勤電車の車内に入る直前に1分間ほど「レベル5」で身体を急速に冷やして、発汗を抑える使い方などに向いていると思います。
秘策その1:REON POCKET TAGと連携しよう
夏本番にレオンポケット5の冷却効果を最大化するための「4つのTIPS」を紹介します。
ひとつは「(センシングキットに付属する)レオンポケットTAGをしっかりと使う」ことです。レオンポケットTAGがあればこそ、先に紹介した直射日光の検出ができます。またはレオンポケットTAG単体でも周辺環境の温度・湿度を計測して、モバイルアプリやApple Watchのアプリから確認できます。たとえばベビーカーの中の温度変化をまめにチェックする用途にも使えます。
レオンポケット5はモバイルアプリがあれば“着るエアコン”として十分に使えてしまうので、レオンポケットTAGの存在を忘れがちです。外出時に活用できるように、バッグなどに固定しておくと良いでしょう。TAG本体の背面はクリップになっていますが、よりグリップを安定させるのであれば、文具店などに売っているキーホルダー用の二重リングやストラップを併用すると、脱落して紛失するリスクを減らせます。
TAGは内部の部品にシーリングを施しているので、水滴やほこりが入り込みにくい耐水・耐汗構造になっています。ただ、夏場のゲリラ豪雨のように強い雨に打たれ続けることは想定していません。
アウトドア対応のバッグに固定して、むやみに水にさらすと故障の原因にもなるので要注意です。傘をさして歩くときには、TAGを装着したバッグごと雨を避けて歩くようにしましょう。
秘策その2:エアフローパーツによる排気は大事
レオンポケット5の商品パッケージには専用ネックバンド(ネックバンド4)が同梱されています。首回りに合わせてバンドを曲げて角度調整ができるので、老若男女を問わず全てのユーザーがレオンポケット5を活用するために欠かせないアイテムです。
このネックバンドに「エアフローパーツ」という樹脂製のパーツを着けると、レオンポケット5の本体上部にある放熱ダクトからの排気を逃がしやすくなります。
レオンポケットが内蔵するペルチェ素子はCOOLモードによる運転時は常に熱を持ち続けます。放熱ダクトがスーツやシャツの襟で塞がれてしまうと、内部に熱がこもってレオンポケットが生ぬるくなります。エアフローパーツによる排気を効率よく行うことはとても大事です。
レオンポケット5にはロングとショート、2サイズのエアフローパーツが同梱されています。Tシャツなど襟のない衣服にはショートのエアフローパーツで事足りますが、レオンポケットの上にスーツやジャケット、襟のあるシャツなどを羽織るときにはロングのエアフローパーツが必要です。
ロングのエアフローパーツは、身に着けるとシャツの襟から先端が飛び出て見えます。本来の目的を考えれば“当たり前”のことですが、見た目はやや気になります。たとえばジャケットを脱いで、屋内では襟のないTシャツ姿でレオンポケット5を身に着けるときにはエアフローパーツも交換する使い方が良いでしょう。レオンポケット5にネックバンドを装着したまま、エアロフローパーツと一緒に収納して持ち運べる専用ケース「RNPC-1」(3,850円)も買いそろえるべきです。
秘策その3:家の中ではUSB給電しながら使おう
レオンポケットは本体にUSBケーブルを接続して、ノートPCなどのデバイスから給電しながら使えます。バッテリー残量を気にしなくてもよいので、仕事に集中しながら涼しく過ごせます。
レオンポケットと併用しながら涼めば、室内用エアコンの設定温度は平常よりも少し高くできるので、電気代の節約にもなります。
レオンポケットにL型コネクタのUSB-Cケーブルを接続すると、背中に装着したときにケーブルが横向きに飛び出ないのでおすすめです。商品パッケージの中にもL型USBケーブルが同梱されていますが、反対側のコネクタがUSB-Aになります。筆者はMacBookで活用できるように、両側がUSB-Cコネクタのケーブルを買いました。
レオンポケットを常時USB給電スタイルで使うときも、アプリから「AUTO START/STOP」の設定はオンにしておきましょう。席を立つとき、レオンポケットを首から外すたびに冷却/温熱を自動で停止してくれるのでエコフレンドリーです。
秘策その4:「WAVE」モードで“冷たさ慣れ”を防ごう
特にレオンポケットを暑い夏の屋外で使うときには、COOLモードのマニュアル設定のメニュー内にある「WAVE」も活用しましょう。
レオンポケットのCOOLモードを「レベル4」以上に高く設定していても、ユーザーの身体が冷たさに慣れて鈍感になる場合もあります。WAVEモードは自動で冷却レベルの強さを上下にスイングさせることにより、冷たさが“なまる”ことを防ぐ機能です。強力な冷感モードで長時間駆動することによる、バッテリーの浪費を抑える効果もあります。
最新のレオンポケット5はペルチェ素子と放熱機構の改良に大胆なメスを入れて、ベースの冷却パワーが向上しました。周辺の専用アイテムを上手く併用すると一段とパワフルなレオンポケット5の実力が存分に引き出せます。
ぜひレオンポケットを手に入れたら、ただ漫然と首筋に当ててみるのではなく、最も効率よくレオンポケットの「ベストを引き出す」ことも貪欲に追求してください。きっと最新のレオンポケットを手に入れたことの満足感がより強く感じられると思います。