2018年は副業元年と言われているが、実際には副業をしたくても、何をどうすればいいのか分からないという人が多い。そこでオススメなのが「自分の得意なことを仕事にしてしまう」というパターン。この連載では、これまで起業の相談に応じてきたクライアントの中から、スキマ時間とこれまでの経験をいかし、自分の得意なことでそこそこの収入を生み出している人を紹介していく。
8回目の今回は、雑貨類の小売店でパートタイマーとして働きながら、子育て支援カウンセラーとして活躍する岡田和美さん(50代)を紹介する。
岡田さんの場合、本業と副業がまったく違うジャンルなのだが、そもそもなぜ数ある副業の中から「子育て支援カウンセラー」を選んだのか、そう簡単にカウンセラーとして活動できるものなのだろうか。
普段から相談を受けることが多かった
もともと教育に関する仕事に携わっていたこともあり、人から子育てについて相談されることも多く、「これって仕事になるのでは?」と気づいたと岡田さんは言う。
自身の経験上、子育てについてはポリシーがあり、それを多くの人に伝えたいがために出版も目指す岡田さんだが、カウンセリングはその土台を固めるひとつの選択肢でもあったようだ。
本格的にカウンセラーとしての活動を始めて1年弱、今では月に4~5万円の収入になると言う。いくら人から相談されることが多かったとはいえ、相談者を増やすのは簡単ではなさそうに思える。
「最初は周りの方からの依頼があって、その後紹介などで相談者さんが増えていきました。でも、しばらくするとパタッと相談案件が止まってしまって、これは困ったなと。それで、ブログやSNSを使って子育てのコツや情報を届けることに力を入れ、相談者さんを増やす工夫をしました」と岡田さんは話す。
実際に会う機会を作ることが信頼を生む
やはり一人でも多くの方に情報を届けて、存在を知ってもらうこと、そして信頼してもらうことは、成功のための必須項目だ。具体的にはどんな工夫をしたのか、気になったので岡田さんに聞いてみた。
「たとえばお茶会の開催ですね。ブログやSNSで伝えて参加者を募りました。とは言え、最初から参加者さんが集まってくれたわけではありません。懲りずに開催していくうちに人が増え、そしてそのお茶会をきっかけに相談者さんが増えました」
なるほど、やはり実際に会うことは信頼度を高める一番の方法と言えるだろう。
本気で寄り添う気持ちが成功の秘訣
「自分の経験が人さまのお役に立てること、そして相談者さんと一緒に進化、成長していけることはこの上ないやり甲斐になっています」
そもそも他人の人生に関わる相談事を仕事にするには、それなりの覚悟とエネルギーが必要なのだが、その源について岡田さんはそう語ってくれた。そんな岡田さんに将来の夢を聞いた。
「どれだけの方に必要なことをきちんとお届けできているのか、まだまだ不安なのですが、やっぱり一人でも多くの子どもたちの人生を応援したいですし、そのためにお母さん方の支援をしていきたいと思っています。と同時に『教育改革』の一助を担いたいです。そして何より、子育てから教育につなげた内容の本の出版、この夢は絶対に叶えます」
自分の資質を見抜くことで最適な副業が見つかる
話すほどその頼れる人柄が伝わってくる岡田さん。ブログを書いたり、お茶会をしたり、数々の工夫の上にカウンセラーとしての副業が成り立っていることは間違いないが、何よりその根底にある彼女の「人柄」が、成功の要因だと筆者は感じた。
そして、岡田さん自身が自分の資質に気づいたことが大きかったのではないだろうか。誰にでも得手不得手はある。まずは自分に何が向いているのかを考えることも、副業選びの大きなポイントだ。
戸田充広
趣味起業コンサルタント。全日本趣味起業協会代表理事。
趣味起業のパイオニアとしてこれまで300名以上の趣味起業家を育て、現在は全国でのセミナー、講演活動のほか、数々の講座でさらに趣味起業家を育て続けている。著書に『稼げる! 自分に合った副業が必ず見つかる! 副業図鑑』(総合法令出版)、『決定版! 趣味起業の教科書』(マガジンランド)、『消費税率アップから家計を守る! サラリーマンのための安全「副業」のススメ』(すばる舎)などがある。「全日本趣味起業協会」