応募経路によってハードルの高さもさまざま

働き方改革に伴い、最近話題の「副業」。なんだか周りに副業をしている友人も増えてきたものの、でもみんな、「そんなの一体どこで見つけているの?」と思う人もいるのでは。

  • 副業を探す方法は?

副業に出会う経路としては、最近は以下の3つが主流なものとなっています。

(1)企業の公募を通して
(2)以前からのつながりのなかで
(3)副業マッチングサービスを使って

(1)の「企業の副業人材の大々的な公募」に応募するというのは、例えば、ユニリーバやヤフーなどの有名企業が副業人材を募る機会に挑戦するイメージです。直近で言えば、レノボの副業人材の募集も始まりました。

上記のような企業に副業として参画するチャンスは大変貴重なものですが、そうそうたる顔ぶれから選抜されることもあり、初めての副業には、少しハードルが高いかもしれません(もちろん、自信がある方はぜひ!)。

元々の信頼関係を生かした副業が、副業初心者にはおすすめ

一方、(2)の、「以前からのつながりのなか」というのは、友達が立ち上げた会社で副業をしたり、以前の職場の一部の業務を業務委託で引き受けたりするといったケースで、元々の信頼関係を生かすこともでき、比較的ハードルの低い手法といえます。

また、幅広く募集をかけて比較検討するというより、「いい人がいれば」ベースの依頼でもあるので、お話がまとまる角度も高くなる傾向です。

ツテがない人にはマッチングサービスが便利

とはいえ、「そんなちょうどいい良い話は、周りにはなさそうだ……」という人には、(3)の「副業マッチングサービスを使う」という選択肢がお勧めです。

最近では、エンジニアの副業・人事採用系の副業・デザイナーの副業・営業代行の副業など、職種に特化したマッチングサービスなども続々と生まれています。

また、転職先を探すときに複数の転職媒体に登録することは珍しくはないかと思いますが、副業もしかりで、現在では複数の副業マッチングサービスのサイトに登録することが一般的になってきています。

鹿児島から始めた「リモート副業家」

現在、鹿児島で暮らしながら、東京のスタートアップ、地元企業、地方県庁の仕事と複数の業務を受注し、リモート複業家(フリーランス)として活躍する橋口夏樹さん(30歳)。

「会社を辞めてフリーランスになったばかりの頃は、マッチングサービス5社に登録し、毎日のように案件を探していた」と振り返ります。

  • リモートで東京の仕事をする橋口さんが暮らす鹿児島の光景

元々、副業・フリーランスのマッチングサービスに登録したきっかけは、地元の国立大学卒業後、当然のように都市圏の大手企業に入社したものの、社会人生活のなかで「家族の近くで暮らしたい。自然豊かな鹿児島に戻りたい」「居住地に縛られない働き方がしたい」という想いが大きくなったからだとか。

しかし、鹿児島の地場企業に転職すると、収入などの経済条件はどうしても下がってしまう。さらにリモートワークへの理解も都心に比べて薄いため、思うような働き方を描くことができずに計画は難航していたそう。

経済的な豊かさか、働き方の自由さか、住む場所か──。そんなジレンマの解消につながったのが、マッチングサービスを駆使した「リモート複業家」という働き方だったと言います。

現在は、鹿児島のなかでも二つの拠点を持ち、リモートで東京・大阪・宮崎の仕事を手掛けながら、鹿児島でもう一度暮らすなかで育まれていった縁を活用し、コミュニティ分野で起業の準備も進めているそうです。

「副業」か「複業」か。マッチングサービスの使い方も人それぞれですが、人の数だけ働き方が増えている時代であることは確かなようです。

著者プロフィール:上原里菜


株式会社シューマツワーカーの広報として、パラレルキャリアを通した人生の可能性・副業兼業人材を活用した企業の課題解決法を啓蒙。自身も複業家として活動中。