IT業界における中途採用の場合は実務経験が優先されるため、資格を取得しても必ずしも採用で有利になるとは限りません。実際、資格取得で得た知識のうち、実務において役立つのはほんの一部であることが大半なのです。中途採用の面接において、資格取得によるスキル向上をアピールすると、かえって「資格が役立つと誤解している=実務のことをよく分かっていない」と見なされてしまう場合さえあります。
資格を通じて技術者として幅広い見識を持つことはあっても、資格の取得に必要な時間やコストを考えると、転職のタイミングを逃すリスクが高まってしまう可能性もあります。とはいえ、転職活動において資格取得の意味がまったくないわけでもありません。
「転職者が資格取得に期待する採用上の効果」と、「企業側の評価ポイント」には、大きなズレがあるということを知っておくことが大切なのです。キャリアアップや転職を視野に入れて資格取得を取ろうと考えるのであれば、そのタイミングで人材紹介会社などの客観的なアドバイスを受けることをおすすめします。