厚労省の調査では、大卒就職者の28.8%が3年以内に離職しています。そのうち1年以内で辞める人が11.5%と最も多く、2年目で9.7%、3年目で7.7%、合計で3年以内に28.8%の新卒就職者が離職しています。(平成21年3月新規大学卒業者の離職率)。

新卒1年目で離職する理由として考えられるのは二つ。自分の希望している業界や職種に内定が得られず妥協して入社し、継続しないケース。もう一つは、自分が入社前に描いていた仕事と実際に携わっている仕事のギャップに耐えられず、早々に転職する場合です。

なぜ「3年目」が一つの転職のタイミングになっているかというと、1年目は仕事を覚えるのと慣れるのに精一杯で過ぎ、2年目はようやく勝手がわかって仕事が面白くなり、自分でも工夫できることが増えてきます。3年目になると仕事にも環境にも慣れて、社内の機微も分かるようになってくるので、何か新しいことに対する欲求が出てくるからだと考えられます。その「新しいなにか」を始めるための選択肢はさまざまで、それが異動や昇格、転職だったりするのです。ですから、「3年目まで」と「3年目」とは、別な背景と考えたほうが良さそうです。

参考資料:新規学卒者離職状況に関する資料(厚生労働省)