先の見えない新型コロナウイルス禍を受けて、一部の企業ではテレワーク(在宅勤務)を導入し、すっかり定着しているようだ。通勤時間に縛られずに行えるテレワークには多くの利点があり、今後もこの流れは加速していくのではないだろうか。
一方で、基本的に人と人との接触を伴わないテレワークには、在宅であるがゆえの難しさやデメリットもあるようだ。そこで今回は、マイナビニュース男女会員1,012人に、「テレワークでの注意点ややるべきこと」などを聞いてみた。
Q.これからテレワークをする人に向け、テレワークでの注意点ややるべきことを具体的に教えてください(自由回答)
■「テレワークに適した環境を用意する」
・「インターネット環境はちゃんと整えておかないと、スムーズに仕事が出来ません」(50歳男性/専門店/販売・サービス関連)
・「椅子に座ることが長いので、お尻が痛くない椅子を買うといい」(35歳男性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)
・「とにかく座り続ける仕事なので、自分に合っている机と椅子を用意したほうがいいということと、家事の時間もしっかり作るということが大事だと思う」(39歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「カメラやマイクは、USB接続の外部機器が使いやすい」(53歳男性/不動産/専門職関連)
・「ディスプレイを別に準備したほうが便利」(51歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「BGMも快適なリモートワークに大きな影響を与えるので、会社で行っていないようなことも試してみると良いと思います」(49歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)
・「自室を用意することと、機材をケチらないことが重要」(40歳男性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「一人になれる部屋がない人は、パーティションを用意したほうがいいです」(47歳女性/コンピューター機器/IT関連技術職)
■「仕事のオン・オフのメリハリをつける」
・「時間枠をしっかり決めて、それを厳守すること」(56歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「時間管理を疎かにしない。公私のメリハリをはっきりさせる」(62歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「テレビ、スマホとか気を削がれない、何もない環境ですること」(58歳男性/総合商社/営業関連)
・「仕事に集中できるよう、テレビや音楽を聴くなどの"ながら作業"は絶対にしないこと」(53歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「部屋着でいるとダラダラしてしまうので、仕事の時は出勤時と同じ格好で臨んだほうが良い」(40歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「なるべく昼休憩中は少しでも外に出るなどリフレッシュするようにして、メリハリをつける必要があります」(32歳男性/クレジット・信販/IT関連技術職)
・「何でもかんでも在宅勤務で済まそうと考えないほうがいい。在宅勤務ですること、会社に出社してすることの線引きをしっかりすることが大事」(40歳男性/教育/クリエイティブ関連)
■「コミュニケーションや情報共有を心がける」
・「タスクを明確にし、同僚と共有すること」(48歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「少ないコミュニケーションで理解してもらうよう、資料などの事前配布を徹底した」(69歳男性/専門コンサルタント/専門職関連)
・「部内で、常にチャットで情報共有できるようにすると良い」(56歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「テレワークをやるには毎日、どういうことを誰と行ったかをしっかり記録しておくことが大切です。そうでないと新年度の4月になった時に、在宅で本当に何をしていたのかが上司に分からなくて、評価が下がってしまうからです。テレワークをやる時は家でダラダラとしそうな感じがするので、自分でどういうふうなことをするのか毎日記録をつけておくことが大切だと感じました」(60歳男性/サービス/専門サービス関連)
■「運動習慣などを身につける」
・「気分転換する方法を、たくさん用意できると良い」(44歳男性/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「職場と同じ環境を用意することが必要です。また、適度に運動すべきかと思います」(45歳男性/その他/専門職関連)
・「心身ともにリフレッシュするプログラムをテレワークに組み込み、実践する」(62歳男性/通信関連/公共サービス関連)
・「運動不足にならないように、時間を決めて毎日、身体を動かす習慣をつけるようにすると健康維持につながると思う」(63歳男性/インターネット関連/IT関連技術職)
・「家なので気が抜けて眠たくなりやすいと思うので、その対策を個人個人で自分に合った方法を考える必要がありそうですね」(歳63女性/その他/その他・専業主婦等)
■「カメラの映り込み、マイクの切り忘れなどに注意する」
・「部屋の見栄えを良くする。見られていることを理解」(59歳男性/リース・レンタル/営業関連)
・「カメラに余分なものが映らないように、注意。言葉ははっきりと」(73歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「マイクやカメラの切り忘れに注意したほうが良いです」(45歳女性/教育/専門サービス関連)
・「手を抜いてもいいが、服装には気をつけたほうがいい。見られても失礼にならない程度の着こなしを心がけて欲しい」(44歳男性/その他/その他・専業主婦等)
■「データ管理やセキュリティ対策をしっかり行う」
・「データの取り扱いは、慎重の上にも慎重を心がけること」(73歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「ウイルスソフトは導入しといたほうがいいと思います。会社がインストールしてくれるのがベスト」(31歳女性/専門店/販売・サービス関連)
■「その他」
・「時間に正確に仕事をこなすように、家族にも理解を得る」(48歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「今までと違う環境に、社会的な変化を恐れないで欲しい。変化は起こりうるもので、私たちはそれを受け入れるしかないのです」(37歳男性/官公庁公共サービス関連/)
・「光熱費が増えました」(51歳男性/その他/その他技術職)
■総評
調査の結果、マイナビニュース会員のうち、テレワーク(在宅勤務)の経験者は47.2%と、半数近くに達した。テレワーク経験者に、これからテレワークをする人に向け、テレワークでの注意点ややるべきことを聞いた。
主な意見としては、「テレワークに適した環境を用意する」「仕事のオン・オフのメリハリをつける」「コミュニケーションや情報共有を心がける」「運動習慣などを身につける」「カメラの映り込み、マイクの切り忘れなどに注意する」「データ管理やセキュリティ対策をしっかり行う」などが挙がった。
「テレワークに適した環境を用意する」では、やはり自宅で業務を行う以上、それに適した環境作りは必須、という意見が多い。インターネット環境やパソコン、カメラなど、テレワークの必需品のほか、「特に疲れくい椅子」が重要という声が目立っている。長時間仕事をする際には、それに向いた椅子がマストというのは、案外テレワークを始めてみて、初めて気がつくポイントなのかもしれない。
「仕事のオン・オフのメリハリをつける」では、テレワークではどうしても通勤という気持ちの切り替えポイントが省略されるため、仕事のオン・オフをつけにくいという実情がある。ダラダラと際限なく仕事を続けてしまい、けっきょく効率が落ちてしまうことを経験している人は多いだろう。今回は、そんな教訓を踏まえてのアドバイスとなっている。
同僚や上司、あるいは取引相手などと直接会話することが激減するテレワークの環境下では、「コミュニケーションや情報共有を心がける」は、特に注意が必要だ。誤解や連絡不足を避けるためにも、メッセージアプリなどを積極的に利用することを勧める声があった。
「運動習慣などを身につける」は、先ほど触れた「仕事のオン・オフのメリハリをつける」にも通じる観点かもしれない。運動に限らず、ちょっとした気分転換の方法を身につけておくことは仕事の効率化にもつながる。また、健康管理の面からも重要なポイントとなるだろう。
「カメラの映り込み、マイクの切り忘れなどに注意する」は、むしろテレワーク時代の"マナー"の問題なのかもしれない。自宅ゆえについつい緩みがちな服装だが、これを相手に見られてしまうことは確かに恥ずかしい。一定水準の身だしなみを整え仕事に向かうことで、気が引き締まるという効果もありそうだ。
「データ管理やセキュリティ対策をしっかり行う」もまた、在宅作業ゆえの悩みかもしれない。職場から持ち出したデータが外部に流出するなどの事態を引き起こさないためにも、十二分な対策が必要となる。もっとも、そもそも重要なデータはテレワークには利用できないなどの対策をとっている企業もあるようだ。
今回のアンケートではほかに、テレワークに対する気持ちのありようとして、「今までと違う環境に、社会的な変化を恐れないで欲しい。変化は起こりうるもので、私たちはそれを受け入れるしかないのです」というコメントもあった。
新型コロナウイルスがどう収束していくかは、なかなか先が見えにくい現状だが、テレワークに関しては今後もかなりの割合で定着していくのではないだろうか。私たちは四苦八苦しながらもそれを受け入れて、より効率的で、より余裕のある社会のあり方を模索していくことになる。今回は、そんな感慨を抱かせる調査結果となった。
調査時期: 2021年2月28日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1,012人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません