新幹線をお得に便利に利用する方法を紹介する当連載。今回は新幹線をお得に利用できるJRの割引きっぷについて紹介したい。
当連載ではこれまで、インターネット予約の割引、新幹線回数券から金券ショップまで、新幹線をお得に利用できるきっぷを紹介してきたが、読者に一番多いであろうビジネスマンにおすすめしたいきっぷは他にもまだある。今回はJR各社の駅窓口で購入できる特別企画乗車券(通称「トクトクきっぷ」)を紹介しよう。
■車も必要な出張なら「レール&レンタカーきっぷ」
最初に紹介するのは「レール&レンタカーきっぷ」。JR線のきっぷと駅レンタカーを組み合わせた割引きっぷである。片道・往復・連続のいずれかの乗車券でJR線を営業キロ201km以上利用し、なおかつ、その経路上で駅レンタカーも利用する場合、乗車券が2割引、特急券などが1割引、駅レンタカーも割引料金で利用できるというものだ。
とくに営業職など、出張時にレンタカーが必要になる機会も多いかと思う。JR線の割引率だけ見ても、このきっぷはお得だということがわかる。また、このきっぷの便利なところは、経路や行先などに制限がないところ。割引きっぷは発駅・着駅の指定、利用日や有効期間に制限があるものが多くを占める。
しかし、「レール&レンタカーきっぷ」ではそうした縛りがほとんどない。年末年始やゴールデンウィーク期間、お盆期間にJR線のきっぷが割引にならない程度だ。いずれもビジネスにはあまり関係がない期間である。
つまり、急な出張や、割引きっぷの設定がない場所への出張にも対応できるというわけだ。事前にインターネットか電話で駅レンタカーの予約をしてから駅窓口で申し込む必要があるものの、駅レンタカーの営業所は必ず駅前にあるので利便性は高い。
駅窓口でJR線のきっぷとレンタカーを同時に会計できる点も、出張ビジネスマンにとってうれしいことではないだろうか。何枚もの領収書を持ち帰る必要がなくなり、後の精算の煩わしさが軽減される。便利なことずくめのきっぷといえる。
■2枚セットの回数券!? 「九州新幹線2枚きっぷ」
当連載では以前、東海道新幹線の新幹線回数券について紹介したことがある。新幹線の回数券は基本的に6枚つづりのものが多く、有効期間が6カ月間となっているとはいえ、必ず使いきれるかどうかという不安はある。出張スケジュールが事前にわかっている人は少ないだろう。
ここで紹介する「九州新幹線2枚きっぷ」は、2枚組の回数券タイプのきっぷだ。九州新幹線の普通車自由席を利用できるだけでなく、指定料金券・グリーン料金券を買い足すことで普通車指定席やグリーン車の利用も可能。エリアは限られるものの、1人での往復や2人での片道などでもお得に利用できる。有効期間は1カ月間である。
筆者は回数券タイプのきっぷを好んで利用している。利用日当日でも駅窓口で購入でき、使い勝手が良いからだ。インターネットの予約を駆使すれば、お得に利用できるきっぷはたくさんあるが、当日ふらっと割安で購入できるきっぷも魅力的だ。
また、「九州新幹線2枚きっぷ」は繁忙期の利用制限がないこともうれしいポイントだ。いつでも気軽に購入・利用できるきっぷなので、九州内で出張する機会があれば活用してほしい。
■週末のお出かけにおすすめのきっぷも
最後に、出張以外で利用してほしい、週末のお得なきっぷを紹介しよう。
1つ目は「首都圏週末フリー乗車券」。週末に東北・信州方面から東京方面へ旅行する際、便利でお得なきっぷだ。大宮駅・成田駅・久里浜駅など広範囲に設定された「東京フリーエリア」への往復乗車券と、フリーエリアが2日間乗降り自由になるきっぷがセットになっている。観光などに便利だ。特急券を買い足すことで新幹線・特急列車も利用でき、往復やフリーエリア内の列車は好みに合わせて自由に選択ができることも特徴である。
同じく週末に利用できるきっぷとしては、「週末パス」も便利だ。連続する土日祝日の2日間、関東・甲信越・南東北エリアのJR線のほか、会津鉄道をはじめ14社の快速・普通列車の普通車自由席が乗降り自由になる。こちらも特急券や指定席券を買い足すことで、新幹線・特急列車への乗車が可能となる。この2つのきっぷは、旅の行程にもよるが、計算してみると大幅な割引率になることが多い。
新幹線は割引きっぷが少ないイメージだが、今回紹介したようにさまざまなきっぷがある。平日はビジネスに、週末は観光に、お得なきっぷをぜひ活用してほしい。
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