新幹線をお得に利用する“第3の選択肢”フリープラン

新幹線をお得に利用する方法などを紹介する当連載。今回は旅行代理店で販売されるパッケージツアー(フリープラン)について紹介したい。

通常、パッケージツアーと聞いて思い浮かべるのは、ツアー参加者全員で団体行動し、添乗員が旅先で案内するタイプの旅行かと思う。しかし旅行代理店には、パッケージツアーの一種で「フリープラン」と呼ばれる、往復の交通機関と宿泊のみがセットになった商品もある。添乗員は付き添わず、現地での行動も自由。出張や帰省など、観光目的でなくても利用できるのが特徴で、いわゆる団体旅行とは大きく異なる。

• フリープランは新幹線をお得に利用するための基本パターンのひとつ(写真はイメージ)

パッケージツアーには最少催行人員が設定されている。最少催行人員とは、ツアーを実施する際に必要とする最低限の参加人数のことで、ツアー参加者の人数がこれに達しなかった場合、旅行会社は旅行を中止できる。フリープランはこの最少催行人員が1人に設定されており、申し込めば必ずツアーが催行されることになる。

フリープランの料金については、旅行代理店が新幹線・飛行機などの交通機関および宿泊施設と契約した額が適用され、それぞれの額の合計となる。都合の良い時間帯の交通機関と、好みの宿泊施設を自由に組み合わせて利用でき、ビジネスホテルのシングルルームを使える商品も多くある。新幹線をお得に利用するためにも見逃せない。

フリープランを選ぶポイントは?

帰省や日帰りでもない限り、宿泊は必ず必要。それだけに、フリープランに申し込めばお得になるはず……と思いきや、必ずしもそうではないことがある。

• 旅行代理店の店頭に置いてあるパンフレット。その多くがフリープランのものだ(写真はイメージ)

• フリープランのパンフレットはおおむね行先別で「フリープラン」と明記してある(写真はイメージ)

新幹線をお得に利用できるきっぷは制約のあるものが多い。通常の乗車券・特急券なら、新幹線に乗り遅れたとしても後続の新幹線に乗車できる。しかしお得なきっぷの場合、途中下車ができない、乗車時間の変更などもできないケースが多い。

フリープランにおいても、交通機関に乗り遅れた場合の扱いが通常とは異なるなどの注意点がある。それらはパンフレットにすべて記載されているので、自分の予定と照らし合わせながら、お得になるかどうか考えると良い。

フリープランもさまざまなタイプがある - 料金変動も注意

フリープランには現地のJR線・路線バスを利用できるフリーきっぷ等とセットになったプランや、レンタカーを安価に借りられるプランなど、さまざまなバリエーションがある。中でも所定のエリアが乗降り自由となるフリーきっぷとセットになったプランは、現地での移動もツアー代金に含まれることになるため、お得といえる。

その他、交通機関のみのプラン、あるいは宿泊のみのプランも存在する。旅行代理店に足を運ぶと、店頭に各種パンフレットが置いてあり、いろいろなことがわかる。インターネットを活用し、各社の公式サイトからツアーの検索や予約も行うことも可能だ。

• 目的地周辺の地下鉄等と自由に乗降りできるフリーきっぷが付くプランもある(写真はイメージ)

• フリープランには割安なビジネスホテルを利用できるものも多い(写真はイメージ)

ただし、フリープランは利用するタイミングで料金が大きく変わることには注意が必要。2018年4～9月の例では、東京～新大阪間の新幹線「のぞみ」を往復利用し、JR大阪駅直結の「ホテルグランヴィア大阪」シングルルームに宿泊というA社のプランの基本料金に関して、出発日により3万7,300～4万3,700円と変動があった。

この旅行パターンでの通常料金は、新幹線の普通車指定席が2万8,900円、同ホテルのスタンダードシングルが2万1,384円で計5万284円だから、フリープランを利用した時点でお得にはなる。しかしながら、一般的に休日前や春・秋の旅行シーズンの場合、フリープランとはいえ値段が上がる。ゴールデンウィークまたは旧盆をはじめとする繁忙期や、利用する新幹線の列車によっては、追加料金が必要となる場合もある。

さらに、同じ列車、同じホテル利用でも、旅行代理店によって料金が異なってくる場合もある。ぜひ、複数の代理店のプランを比較検討してほしい。

自分に合った、お得な旅とは?

筆者は新幹線を利用する際、4つの選択肢の中からスケジュールなどを鑑み、選択している。まずは金券ショップ。外出時に立ち寄っては、新幹線回数券などの金額をチェックしている。次に特別企画乗車券。JR各社が発売している割安なきっぷで、こちらも制約はあるが上手に活用したいところ。時刻表やインターネットですぐに調べることもできるので便利だ。これら2つの選択肢は当連載第9回でも紹介した。

今回紹介したフリープランは第3の選択肢。JR各駅のみどりの窓口などで通常のきっぷを購入するのは最後の選択肢となる。ちなみに、きっぷの購入に関しても、お得になるポイントがいくつかある。これについては次回紹介したい。

※写真はイメージであり、本文とは関係ありません。