冬の防寒アウターといえば、ダウンとコートが定番ですが、なかでもコートは大人カジュアルに最適なアイテム。
というのもウールの質感が、同じくウールのセーターやジャケットと合わせやすいのです。また厚手のフェルトのように素材を縮絨(しゅくじゅう)した生地のコートは、いわゆるサラリーマン風に見えることもありません。
ところが、そんなウールコートも、「丈感」と「ボタン位置」を間違えてしまえば、大人っぽい印象が消えてしまうことは意外に知られていないようです。
正解ポイント
・コート丈は、「膝」を基準にしよう
・コートボタンの「配列」を意識しよう
渋いおじさんに仕上がる「セーターの最適解」を『男の服選びがわかる本』(池田書店)の著者が解説します。
コート丈は、「膝」を基準にしよう
コート丈の正解は、時代ごとに変わります。1年ごとの流行ではなく、複数年かけてジワジワと変化するのです。そして2020年以前から、コート丈の定番は「長め」が主流です。 もちろん身長によって、一概には言い切れませんが、膝を基準にしてみてください。
例えば高身長の方は、膝丈もしくは膝より長めを選びましょう。いわゆるロング丈と呼ばれるもの。一方、小柄の方は、膝丈もしくは膝から10センチ程度短め程度が許容範囲です。
つまり、2000年~2010年代前半によく見かけた、お尻が隠れる程度のショート丈は「昨今のトレンドから大きく外れている」ということ。
所有するウールコートの丈が短いなら買い直しも検討してみてください。このとき、ボタンの個数が大切になってきます。
コートボタンの「配列」を意識しよう
コートに限らず、ジャケットにも共通しますが、「ボタンの数が少ないほどドレス感は高まる」ため、エレガントな印象に仕上がるもの。これはタキシードのボタンが一つであることからもイメージしやすいでしょう。
ボタン数が多いトレンチコートやダブルブレストのコートは避けるという訳でもありませんが、合わせ方は使い分けたいです。
もしコートの下にジャケットを羽織るならば、ボタンの数が少ないコートがおすすめ。具体的にはシングルブレストと呼ばれる縦1列のボタンが付いたコートを選びたいところ。
一方、お手持ちのコートが縦2列のトレンチコートやダブルブレスト型ならば、ボタンの存在感が強いため、コートの下にはジャケットではなくセーターを合わせてみてください。
コートの丈感とボタンの配列で着こなしを変えるだけで、大人カジュアルはいい感じに見えるでしょう。あとは、お好みのコート色をお選びください。