この時期のショップ店頭に並ぶスプリングニットは、軽量感あるコットン混セーターです。ウール混以上に「軽量感」と「きれいな発色」に優れているため、名前どおり、春を感じさせてくれるもの。
一枚でサラッとした着ることにくわえ、ジャケットと合わせた着こなしもキレイに仕上がります。
ところが、そんなスプリングニットも、生地の「厚み」と「色づかい」を間違えてしまえば、違和感だらけのコーディネートに陥ってしまうものです。
正解ポイント
・生地の「厚み」で、着こなしを変えよう
・「さわやか」な色を選ぼう
渋いおじさんに仕上がる「スプリングニットの最適解」を、『男の服選びがわかる本』(池田書店)の著者が解説します。
生地の「厚み」で、着こなしを変えよう
セーターの生地は、コットン混にかぎらず、紡ぐ糸の太さで仕上がりの厚みが変わります。ざっくりした糸で編んだローゲージと呼ばれるセーターは「着膨れして見えてしまう」ほど地厚で、ジャケットのインナーには合わせづらいでしょう。
一方、細かい糸で編んだハイゲージと呼ばれるものは、薄手なので、ジャケットとシャツの間に挟む着こなしが似合います。こちらは薄手なのでジャケットなしでは乳首透けの心配すらあるのです。
Tシャツに重ねてニットを着ることで、その心配は緩和されますが、安全策としてハイゲージのスプリングニットは、シャツに合わせましょう。
「さわやか」な色を選ぼう
ウールよりも発色がきれいなので、カラーバリエーションも春らしい挿し色が並びます。発色がよい色はジャケットのインナーとしても「冴えた印象」を実現してくれますし、一枚で着ていても素敵に見えるもの。
とはいえ大半の男性は、普段から黒・グレー・紺などの無彩色もしくは低彩度の色に慣れているため、冴えた色合いを一枚で着るに抵抗感もあるのでは。
そんな時は、スプリングニットの両袖をたくしあげてみてください。全体の10%程度ですが、カラフルさを抑え、かつ手首まわりの肌色が「カラフルさをこなれて見せてくれる」のです。
それでもカラフルな色が苦手な方は、白のスプリングニットを試着してみてください。ウール混では出せなかったコットン混のホワイト色は、彩度がなくても、春らしさを感じさせてくれるから。
スプリングニットをうまく生かして「季節感」を演出しましょう。季節感は清潔感同様、「素敵ですね!」という評価につながるものですから。