「いつか俺みたいな息子が欲しい」(佐藤ポン語録より)

ついに「iStockalypse」の撮影会が開催された。いざ撮影が始まると、フォトグラファーたちは、完全に戦闘モード。彼らのハードコアな外見もあり、浅草のスタジオは文字通り戦場と化した! というのは割と嘘情報で、普通は戦闘モードになると眼を輝かせて真剣に撮影に挑むのだろうが、このフォトグラファーはたちは逆に、「キャッ、キャッ」とふざけ始めた。そう、今回の撮影でモデルを務める子供たちは、大きな外人に囲まれかなり緊張気味。そんな彼らを喜ばせようと、フォトグラファーたちはおどけて見せたり、ヘンな奇声を上げたりしていたのだ。

あまりにも風貌とのギャップが激しいので私はあっけにとられていたが、子供たちははしゃいでいる。いままで怖いと思っていたフォトグラファーが、おもしろいオジチャンに見えてきたのだろう。しかも、「Smile! Smile!」とか「Jump!」と言っても子供たちには伝わらない。そこで、子供に声をかけながら、フォトグラファーたちも笑顔で飛び跳ね、ときおりファインダーを覗く。これが撮影現場でなかったら、かなり恥ずかしい行動だ。でも、彼らはまったくそんなそぶりも見せずに撮影を続ける。その結果、ほんの数分で子供たちの表情は笑顔になり、外人たち同様「キャッ、キャッ」とはしゃぎながら、ポーズを決めていた。どうやら、「キャッ、キャッ」は世界共通言語のようだ。

子供がエアコンの室外機の風で遊び始めると、その様子もすかさず撮影。子供と一緒に遊び、そのついでに撮影しているように自然な流れ

建物の外の路上でも、子供とふざけ続けるフォトグラファーたち

「俺が恥を棄てたら、また最強になっちまう」(佐藤ポン語録より)

フォトグラファーにとって、撮影中に周囲から自分がどのように見えているかなんて関係ないのだろう。売れる写真を撮るという目的のため、恥ずかしろうがどんなこともするという姿勢は、大変勉強になった。私が秋葉原の路上で撮影していると、「恥ずかしい」と感じてしまう瞬間がある。デジカメ所有率が明らかに他の街よりも高い秋葉原でも、巨大なデジタル一眼レフカメラで撮影をしていると通行人からジロジロ見られるからだ。魅力的なルックスの私だから、ジロジロ見られるのは慣れているはずなのだが、撮影している姿を見られるのは、何だか恥ずかしい。レンズの先に珍しい被写体があるならまだしも、なんの変哲もない建物を写しているので、不審者と思われてしまうかもしれないという不安があるのだ……。でも、ストックフォト長者になるためには、恥ずかしいなどと言っている場合じゃない。これからは、可能な限り全裸に近い格好で撮影したいくらいだ。

次回はモデルをより際立たせる撮影現場の作り方についてレポートする予定だ。