今回も「iStockalypse」に潜入を続行している佐藤ポンです。ストックフォトサービスでよく売れる写真は、ほとんどが人物モデルを使った写真だと言われています。もちろんiStockphotoでも、売れ線は人物写真とのこと。そのため、iStockalypseの撮影でも大部分のスタジオで人物モデルを使って撮影が行われていた。
「英語? 俺は、もう言語を超越してるからね」(佐藤ポン語録より)
人物撮影においてもっとも重要なのは、フォトグラファーとモデルのコミュニケーションだと筆者は思っている。今回の撮影では、その部分で不安要素もあった。今回の「iStockalypse」では、フォトグラファーは1名を除いてすべて外国人で、被写体となるモデルは日本人。一応、すべてのスタジオに通訳はいるのだが、シャッターを切るたびに指示を訳してもらっていたのでは撮影のテンポもモデルのテンションも落ちる。果たしてどうやって撮影するのだろうか? 英語が堪能な私だが、ここではあえて口を挟まず、高みの見物と洒落込むことにした。
ある撮影現場に密着していると、やはりコミュニケーションの問題が起きていた。フォトグラファーは筋肉質でカーゴパンツをはいたコンバット系がひとりと、大柄でヒゲをはやしたワイルド系がふたり。見るからに怖そうなふたりの大人。正直、いくつもの修羅場を潜り抜けてきた私でも、ビビるほどのハードコアな外見のふたり。一方、モデルはふたりの子供…・…。明らかに怯えている。おまけに、子供たちは「How are you?」程度の英語も理解できない。撮影を開始する前にハードコアなフォトグラファーが子供たちに名前を聞くが、ポカンとしてまったくわかっていない。すかさず私が通訳してあげると、子供たちは恥ずかしがりながらも名前を伝えていた。そんな感じでギクシャクしながら撮影が始まった。口を挟まないつもりが、ついつい善意が顔を出して自然に行動してしまう自分を少しだけ誇らしく思った。
やはり外人フォトグラファーがどんなに凄い技術を持っていても、日本人のモデル撮影はコミュニケーションの問題もあるので、すんなり進むはずがない。やはり、日本で戦う以上、私にも勝機はある! そんな妄想を膨らませているうちに撮影がスタート。そこで私は驚愕の光景を目撃するのだった! 以下次回。