みなさんこんには。節約アドバイザーの丸山晴美です。『丸山晴美の節約道場! 年100万円貯めるためのマネーテクニック』では、Q&A方式で、年間100万円を貯めるテクニックを紹介しています。今回は「禁煙」を成功させたいという方からの質問です。
【Q】ガソリンや小麦、乳製品など、相次ぐ値上げ報道で、遅いと言われそうですが危機感を持ち始めました。給料はほとんど上がらず、ボーナスだってあまり期待できません。この先、消費税の増税もあるし、何かしなくちゃいけないと思っていた時にふと手に持っていたタバコを見て、かれこれ10年以上吸っているタバコの「禁煙」を、今度こそ成功させたいと思いました。今まで、タバコが値上げになる度にカートン買いをして、このカートンが終わったら禁煙しようと思いながらも、結局はいまだにタバコを吸っています。禁煙してお金を貯める良い方法を教えてください。
【A】(1)目標を持ってみましょう
単純に1箱440円のタバコを1日1箱吸っている場合、ひと月13,200円、年間160,600円と計算することができます。仮に値上げがされず、5年吸い続けた場合は803,000円の出費です。このような金額を見て、どうせ煙に消えてしまうなら、旅行や服、時計に使った方がよいのでは? と「タバコ以外のもの」に置き換えて考えて、禁煙に成功する人もいます。
憧れの時計が欲しいといった目標を持って、そのためにはタバコ1日1箱吸ったつもりで"禁煙貯金"をしてみるのも良いのではないかと思います。
また体調を崩してしまったり、新しい家族が誕生したり、あるいは付き合い始めたパートナーが非喫煙者であったりするなど、お金の面以外でも禁煙をする理由があると、成功しやすいのではないかと思います。
(2)思い立った日が吉日
禁煙をしようと考えたのであれば、その場で喫煙に関する物を捨ててしまいましょう。この一箱を吸い終わったら…とか、タバコを吸う本数を徐々に減らして禁煙しようとか考えていると、その間に意志が弱くなってしまうことがあります。節約やダイエットも明日から頑張ろうと言ってもなかなか効果が出ないのと同じように、タバコも禁煙しようと思ったその日その瞬間からスタートさせることが肝心です。
(3)禁煙外来を上手に利用する
気合いと我慢だけで禁煙できる人もいれば、依存度が高くなりすぎて禁煙がなかなかできない人もいます。イライラしてしまうと、自分だけではなく周囲の人達にも良い影響を及ぼさないでしょう。そんな時は「禁煙外来」で禁煙治療をすることをおすすめします。禁煙治療とは、健康保険などを使って治療をするので、自由診療に比べて3割負担で済みます。
治療費は、約3カ月で12,000~19,000円程度です。少し高いと思われるかも知れませんが、今まで、月13,200円タバコ代として使っていたと思えば、決して高い出費だとは思いません。むしろ禁煙が成功したら、タバコ代が浮くのでむしろお得でしょう。
禁煙外来で治療を受けるには、ニコチン依存症のテストを受けて5点以上であることなど要件はいくつかありますが、1日1箱吸っていて、10年の喫煙歴があれば禁煙治療は可能かと思います。
(4)誘惑に打ち勝つ方法
禁煙治療をしているからと言って、必ずしもすぐに禁煙に成功するとは限りません。10年も喫煙をしていれば、習慣として体が覚えていますから、つい1本くらい…と手が伸びてしまいそうになることもあるかと思います。でもここで手が出てしまったらせっかくのがんばりもムダになってしまいます。節約もダイエットも怖いのはリバウンドです。ちょっとだけ…と手を出してしまうと、歯止めが利かなくなることもあります。そんな時は、タバコのことを忘れるような熱中できるものや、シュガーレスのガムやタブレットのミンツをかんでみるのも一案です。
飲み会でも、なるべく非喫煙者の隣に座るなど、タバコの誘惑から少しでも遠くなるような工夫をしてみてはいかがでしょうか。
(5)非喫煙者とは
タバコを吸っている喫煙者とそうでない非喫煙者の境目っていつでしょうか。3カ月の禁煙? 半年? それとも今まで吸っていた年数分吸わなくなったら?
生命保険での非喫煙者割引の定義では、1年以上喫煙していない人で唾液検査などの結果が陰性であることが条件であることが多いようです。なので、まずは1年頑張りましょう。そしてその次は3年を目安にすると良いと言われています。
また、喫煙者と非喫煙者を臭いで判別できるようになり、タバコの煙が苦手になった時も一つの目安でしょう。
思い立ったら吉日、自宅や会社の近くの禁煙指導をしている禁煙外来、禁煙クリニックを検索してみてください。
日本禁煙学会 全国禁煙外来・禁煙クリニック一覧
http://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html
執筆者プロフィール : 丸山 晴美(まるやま はるみ)
外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。