中国福建省南部の都市、アモイ(厦門)は、海峡を隔てて台湾の対岸にあり、古くから台湾や香港、東南アジアなどとの貿易拠点として栄えた街だ。成田空港から3時間ちょっと、一眠りする間もなく、厦門高崎国際空港に到着する。空港から市街地まではタクシーで30分程度、料金は60元(900円程度)。
アモイ市内は、現在の中心地である新市街地にショッピングセンターや鉄道の駅などが集まっている。だが、観光目的ならば、ホテルは海沿いの旧市街地にとるのがオススメだ。アモイでもっとも有名な観光地のコロンス島、買い物に便利な中山路などに、旧市街地からなら歩いていける。
福建省南部のアモイ市の人口は約150万人程度。そのうち約100万人程度が中心地のアモイ等市街地で暮らしている。経済特区に指定されているアモイ市は、日本企業を含む外資企業が多数進出しており、実際の人口はもっと多いようだ |
アモイの旧市街地のメインストリート「中山路」。ちなみに、国際的には「アモイ(Amoy)」という街の名で知られているが、中国語では「シアメン(Xiamen)」。なので、中国の人と話す時は、「アモイ」と言うと通じないことが多い |
アモイの旧市街地のホテルにチェックインした僕は、ホテルでしばし移動の疲れをいやした後、ぶらぶらとアモイの海岸を探索。旧市街地の海岸沿い、中山路へと入るあたりは、非常に整備されていて、散策するには最適だ。ここには、フェリーターミナルがあり、1つは対岸の島であるコロンス島への渡し舟、もう1つは金門島行きで金門島からは台湾へ行くこともできる(ただし、外国人は不可)。
アモイの旧市街地、コロンス島を臨む海岸。観光客だけでなく、地元の人たちの憩いの場となっている |
天気のいい日の夕方なら、ここからコロンス島に沈む夕日を見ることができる。旅行初日にこんな景色に出会えて感激。移動の疲れも吹っ飛んだ |
一夜明けて、いよいよアモイ観光。アモイはそう大きな街ではないので、観光するなら歩きでも充分。ただし、中国旅行で問題なのが言葉である。そこで、僕が必ず持ち歩くのが、「ガイドブック」と「メモとペン」。中国の漢字と日本の漢字では異なっている場合も多いが、それでも話すよりは筆談のほうがはるかに通じやすい。
さらに、絶対に忘れてはならないのが「携帯電話」である。迷った時は、タクシーに乗って、携帯電話でホテルに電話。ホテルなら多少の英語はわかってくれる。もし、英語がわからなくても、タクシーの運転手さんに携帯電話を渡せば、ホテルへの道順を聞いて勝手にホテルまで連れていってくれる。だから、案内人のいない一人旅の場合、携帯電話は必携なのである。
さて僕がまず向かった先は、コロンス島。前日、夕焼けの向こうに見えた島である。ここは1900年代前半、外国向けの租借地として利用されていた島で、日本を始め各国の領事館が置かれた、いわば"中国流の出島"といったところ。そのため、中国らしくないヨーロッパのような町並みを持つ島なのである。
コロンス島は、1900年代前半、日本をはじめ各国の領事館が置かれた島。アモイ島からコロンス島に渡ると、町並みはヨーロッパ風に一変する |
コロンス島へはこの渡し舟を利用する。料金は往復20元(300円程度)。5分もしないうちに、コロンス島へと到着する |
コロンス島内は、一般の自動車の走行は認められていない。コロンス島内を走れる自動車は救急車などの緊急車両のみ。なので、島内の移動は、徒歩か、有料の電気カートを利用することになる。もっともコロンス島はグルッと一週歩いても2時間もかからない程度の小さな島。そこで、僕はホテルでもらったコロンス島内の地図を片手に、歩いて回ることにした。
コロンス島は、著名な音楽家を輩出している芸術家の島。現在でも芸術大学が置かれている。街中のいたる所で、写生をしてる若者を見かける。またどこからともなくピアノなどを練習している音が聞こえてくる |
コロンス島でひと際目立つのが、この「日光岩」。道案内などなくても、大ざっぱな地図を頼りに高い山を目指していけば、この上に登れる |
というわけで、コロンス島は散策するには持って来いの島。結局僕は、今回の旅の期間の丸2日ぐらいをコロンス島で過ごしたが、のんびりできて、とても気分よく回れた。もっとも、そんなに時間がとれないという人でも、電気カートなどを利用すれば、数時間でもコロンス島は楽しい。もちろん、アモイにはコロンス島以外にも観光地はあるが、やはりコロンス島でのんびりが僕のオススメである。
アモイ旧市街地から車で15分ほどのところにある「南普陀寺」。敷地面積3万平方メートルという広大な土地にある。精進料理がおいしいことでも有名だそうだ |
南普陀寺で有名なのが、この「仏」と掘られた岩。この岩以外にも、南普陀寺には数多くの字が書かれた岩がある |
次回はアモイから車で行ける世界遺産(申請中)の「福建土楼」についてお届けする。