ネックストレスは、毎日積み重なっていっているもの。溜まって疲れを感じたり、症状が出たりしてから解消するより、毎日リセットすることが大切です。そのリセットに欠かせないのが、睡眠。睡眠中は体を修復する時間なので、その修復の一環でネックストレスをリセットし、日中にネックストレスによって引き起こされたゆがみを整えてくれます。
しかし、睡眠の質が悪いと修復機能がうまく働きません。睡眠の質が悪くなる原因はさまざまですが、その一つが寝具にあります。とくに枕はネックストレスに深く関わっているので、ぜひこだわっていただきたいところです。
枕の重要性は以前から話題になっており、いろいろな商品が出回っています。快適な睡眠のために開発された枕ではありますが、ネックストレスのことを考えると絶対に使ってほしくないタイプの枕があるのも事実です。今回は、ネックストレスを軽減するための枕について解説いたします。
ネックストレスのリセットに適さない枕の特徴
「他の寝具はそうでもないけど枕にはこだわっている」という人は少なくありません。一時期話題になった低反発素材を使用した枕やオーダーメイドで作れる枕などの流行になったものもありますから、流行に乗って購入した、という方も多いと思います。
これからお話しする「ネックストレスのリセットに適さない枕の特徴」は、もしかしたら持っている方には耳が痛い話かもしれません。しかし落ち込まずに、次回の買い替えの際の参考としていただけますと幸いです。
1 : 立ち姿勢、座り姿勢で作るオーダーメイド枕
一時期大ブームとなったオーダーメイド枕ですが、頭を起こした姿勢(立ち姿勢や座り姿勢)で作るタイプのものはおすすめできません。なぜなら、立った姿勢と横になった姿勢では体への重力のかかり方が異なるからです。
実際に立った姿勢のまま作ったオーダーメイド枕に寝てもらって、首周りの筋肉をチェックしたことがあります。残念ながらネックストレスをリセットできるほどのリラックス状態ではありませんでした。寝姿勢で頭を乗せた際に首の緊張状態がとれているような枕を探しましょう。
2 : 頚椎(首)のカーブに合わせた形状の枕
「睡眠中は首を支えることが大切」と、首に沿うような形状の枕が出回っていますが、この形状の枕はおすすめしません。なぜなら、頚椎を圧迫した状態=首に負荷がかかった状態だからです。
さらに、頚椎が圧迫されると首の血流が悪くなってしまいます。首の血流はそのまま頭部の血流につながっていますので、大切な脳の血流に影響が出てしまうのです。修復機能は血液による栄養や酸素がもとになっているため、翌朝まで疲れが残る原因にもなってしまいます。
3 : 好みの硬さで作るオーダーメイド枕
枕の硬さはある程度人によって好みが分かれるところです。しかし、好みの硬さに合わせて作った枕は、ネックストレスにあまり効果的ではありません。
というのも、最適な枕の硬さというのは非常にデリケートな問題で、やわらかすぎると不安定になり、硬すぎると首や頭部にかかる負荷が強くなります。硬すぎず、やわらかすぎずの枕が良いのですが、その硬さと自分の好みの硬さが一致しているとは限りません。実際に試してみた際に、好みではなく体がリラックスした状態でいられるかどうかをチェックすることが大切です。
ネックストレスのリセットに適した枕とは
ネックストレスを軽減する、つまり首をリラックス状態にする枕は、ぜひ実際に寝て体の状態を見てから選んでほしいと思います。多くの人がリラックス状態で寝られるよう開発された枕はもちろんありますが、それでもやはり人には体格差があるため、多くの人にとって適切だった枕があなたにとっても適切であるかどうかはわからないためです。
その枕があなたの体に合った枕であるかどうか、チェックするためのポイントをご紹介します。
○あお向けに寝て膝を立て、左右に倒してみる
倒す際に違和感があったり、倒しにくかったりするようであれば体に合っていません。また、何回か寝返りを打ってみて、スムーズに動けるかどうか試してみるのも大切です。
○片脚をまっすぐ上にあげてみる
脚があがりやすいということは、体が緩んでいるということ。つまり体がよりリラックスしているということです。自分で判断しづらい場合は誰かに付き添いを頼み、片脚をあげてもらうと良いでしょう。意外と違いがわかるものです。
○頚椎を圧迫しないかどうか
前述のとおり頚椎を圧迫する枕は避けた方がいいです。圧迫感に限らず、首周りに違和感を覚えたら、他の枕を検討しましょう。
今回は、ネックストレスが溜まる原因になってしまう枕についてご紹介いたしました。枕選びのご参考にしていただけますと幸いです。