お金の使い方についてお困りの方に、FP資格を持つ筆者がおすすめのサービスを紹介していく本連載。「クレジットカードを作りたいけれど、どれが良いのかわからない」「お金を使いすぎてしまってなかなか貯まらない」などと悩んでいませんか? そこで今回、おすすめしたいのが「Kyash」です。
私自身、Kyashを使い始めて数カ月経ちましたが、今では手放せない存在となりました。今回は、サービスの特徴や良い点、利用時の注意点をご紹介します。
FPとは: 一人ひとりの将来の夢や目標に対して、お金の面でさまざまな悩みをサポートし、その解決策をアドバイスする専門家。貯蓄や税制、保険、投資、不動産、相続など、お金に関する幅広い知識を有している。
※参考:日本FP協会
■Kyashとはスマホを利用した決済サービス
Kyashとは、iOSやAndroidを搭載したスマホで利用できる決済サービスです。Kyashには以下の3種類があり、どれを選択しても年会費はかかりません。
還元率とは、決済した金額に対して戻ってくるポイントの割合です。例えば、還元率が0.5%の場合、1,000円を決済すると5ポイントが付与されます。
Kyash Cardは、以下のようにカードの表面に番号や名前、有効期限が記載されていません。所有欲を満たす、ミニマルなデザインが特徴的です。
Kyash Cardはプリペイド式ですので、決済をする前にあらかじめ登録したクレジットカードや銀行口座を紐付けて、お金をチャージしておく必要があります。
Kyash Cardは、VISAやMasterCardの加盟店であればどこでも決済が可能です。Visaタッチ決済にも対応しているだけでなく、Apple PayやGoogle Payにも対応しているため、レジにある専用端末にカードやスマホをかざすだけでスピーディに決済できます。
Kyash Cardの還元率は1.0%。Kyash Cardで食料品や日用生活品などの代金を支払うと、100円ごとに1ポイントが付与されます。ポイントは、1ポイント=1円に換算して残高にチャージできます。簡単にいうと、100円使うごとに1円戻ってくる仕組みなのです。
■Kyashが優れている点
ここでは、実際に私がKyash Cardを使用してみて、優れていると感じたポイントを解説します。
1.ポイントを獲得しやすい
Kyashは、クレジットカードと紐付けることで「Kyashのポイント」と「クレジットカードのポイント」を、二重取りできます。
例えば、還元率が1.0%の「楽天カード」でKyashに1万円をチャージし、Kyash Cardでチャージした5万円を使ったとしましょう。チャージによって楽天ポイントが5万円×1%=500ポイント付与され、決済するとKyashのポイントが5万円×1%=500ポイント付与されます。実際に使ったのは5万円にもかかわらず、合計1,000ポイントの獲得が可能です。
紐付け先のクレジットカード次第で、Kyashのポイント還元率は2.0%以上となります。他のクレジットカードのように、決済する商品の種類やひと月の決済金額によって還元率は変わりません。
ちなみに私自身は、楽天ポイントが使いやすいという理由で、Kyashの連携先を楽天カードにしています。
※2020年12月8日からクレジットカードなどで入金した残高での決済に付与されるポイントは、ひと月につき500ポイントが上限となります
※将来的に還元率が変更される可能性はあります
2.残高利息が付与される
12月8日より、銀行口座やコンビニなどで入金したKyashマネー残高に、年利1%の「残高利息」が毎月付与されるサービスが開始されました。残高利息は、毎日23:59時点の残高を対象に計算されて、毎月1日に付与される仕組みです。
2020年12月現在、年利1%が適用される普通預金や定期預金はありません。銀行口座にあるうちのいくらかをKyashに移しておき、残高利息を受け取ってお金を殖やすのも選択肢の1つでしょう。
ただし、残高利息を受け取れるのは、本人確認アカウントのみで、かつ前月に1回以上決済していなければなりません。また、クレジットカードやデビットカードなどでチャージした残高は、残高利息の対象外です。
3.お金の使いすぎを防げる仕組み
Kyash Cardが優れていると感じる2つ目の理由は、使いすぎを防ぎやすいことです。以下のような管理画面で1回の決済可能額や、ひと月の利用上限額を簡単に設定できます。
また、Kyashで決済をすると以下のように履歴が残るため、家計簿アプリとしても機能します。
もちろん、マネーフォワード MEや Zaimのような家計簿アプリとも連携が可能です。
お金が貯まらない人ほど、自分がいくら使っているのかを把握できていません。Kyash Cardであれば、決済額を制限でき家計簿機能でいくら使ったのかも把握できるため、ついついお金を使ってしまう人でも使いすぎを防ぎやすくなります。
もしKyash Cardを紛失してしまったとしても、管理画面から「カードロック」を選択することで簡単にロックができるため、第三者に不正利用される心配もありません。
Kyashはポイントが貯まりやすいだけでなく、お金の使いすぎを防げる仕組みが多数あるため、貯蓄が苦手な人は作成を検討してみてはいかがでしょうか。
■Kyashの利用時に注意が必要な点
Kyashは、さまざまな面で優れていますが、すべての人にとって適しているとは限りません。ここでご紹介する注意点も参考に、作成を検討してみてください。
Kyashで付与されるポイントは、1カ月で1,200ポイントが上限です。Kyash Cardの還元率が1%ですので、還元の対象となる決済金額はひと月12万円までとなります。
さらに12月8日以降は、クレジットカードのような登録カードからチャージした残高からの決済については、ひと月500ポイントまでしか付与されなくなりました。使えば使うほどポイントが貯まるわけではない点に注意しましょう。 またKyash Cardは、以下のような決済には利用できません。
▼利用できない実店舗の例
・毎月の継続的なお支払いや、自動更新手続き(契約)が発生する加盟店
・一部の月額/継続契約の利用料金のお支払い
・ガソリンスタンドでのお支払い
・高速道路通行料金(有人ブース)でのお支払い
・レンタカーのご利用料金のお支払い
・各種プリペイド・電子マネーの購入・チャージ代金のお支払い
nanacoクレジットチャージ/楽天Edy/Vプリカ などへのチャージ
▼利用できないオンライン店舗の例
・一部の月額・継続契約の利用料金のお支払い
公共料金/電話料金/衛星放送・CATV視聴料/インターネットプロバイダー利用料/WiMAXサービス利用料/新聞購読料(電子版含む)/保険料/レンタルサーバ/ウオーターサーバ定額サービス/通信教育/各種月会費など
商品の一部が含まれる場合にもご利用いただけない場合がございます。
・一部の航空会社のお支払い
・一部の宿泊施設(ホテルなど)のお支払い
・各種プリペイド・電子マネーの購入・チャージ代金のお支払い
nanacoクレジットチャージ/楽天Edy/Vプリカ など
※Kyash「利用可能なお店」をもとに作成
私自身、車によく乗るため、ガソリンスタンドでKyash Cardが利用できないのは、少し残念に感じました。またKyashは公共料金や電話料金など、毎月の決済が必要なもの・サービスは非対応です。
Kyashでの利用ができない場合は、他の決済手段を利用する必要があります。チャージの手段として紐付けている、クレジットカードやデビットカードを持っておくと安心ですね。
■まとめ
2020年11月現在、Kyashよりもポイント還元率の高いカードはあります。また、日頃から利用するサービスや移動手段によっては、Kyashよりもメリットのあるカードはあるでしょう。Kyashの良いところは、誰でも手軽に高い還元率でポイントを獲得できる点や残高利息が付与される点、使いすぎを防げる仕組みがある点です。
これまでクレジットカードのポイント獲得に興味がなかった人や、貯蓄ができずに悩んでいた方は、Kyash Cardを作成してみてはいかがでしょうか。