みなさん、こんにちは。保健師の佐々木です。今年も花粉症の季節がやってきますね。止まらないくしゃみや鼻水、目のかゆみなど、つらい症状で仕事に影響のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。花粉症患者さんの正確な人数は分かっていませんが、全国調査でおおよそ人口の40%強が花粉症との結果が出ているそうです。
そこで今回は私たちの身近な花粉症についてお伝えしていきます。
花粉症の症状と原因は?
花粉症とは、花粉によって生じるアレルギー疾患の総称で、主にアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎が起こります。
症状としては、花粉が鼻に入るとすぐにくしゃみと鼻水が出て、少し遅れてから鼻づまりの症状が起こります。目に花粉が入ると早くから目がかゆくなり、涙が流れ、目が充血してきます。症状が強いときは、喉のかゆみ、咳も起こります。また鼻づまりによる頭痛、鼻や喉の炎症反応による微熱、だるさなどの症状も花粉症の症状です。
原因として、花粉症の約70%はスギ花粉だと考えられています。北海道・沖縄にはスギがほとんど存在しないため、スギ花粉症は、ほぼないのだそうです。一方、関東・東海地方では、スギ花粉症の患者さんが多く見られます。スギ花粉以外の花粉症の原因としては、ヒノキ花粉などがあります。
花粉症対策・予防のポイント
花粉症の症状や原因が分かったところで、具体的な花粉症対策予防のポイントを6つお伝えしましょう。
(1)花粉情報に注意
だいたいの情報を知っておくと、予防や症状の緩和に役立ちます。天気予報などでチェックするとよいでしょう。花粉は昼前後と夕方に多く飛散します。また、晴れて気温が高い日、空気が乾燥して風が強い日、雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いたあとは花粉が特に多くなります。
なお、2023年春のスギ花粉飛散量は、関東地方などで、過去10年で最も多くなる見通しとのことです。
(2)飛散の多いときは窓やドアを閉める
窓やドアを全開にした場合、大量の花粉が部屋に入ります。新型コロナウイルス感染症予防のため換気が必要な際は、窓を開ける幅を10cm程度にし、レースのカーテンをすることで部屋に入る花粉の量をおよそ1/4に減らすことができます。
(3)花粉飛散の多いときは外出時にマスク、メガネを使う
鼻と目に花粉が付着しないような対策が有効です。花粉症用マスクでは花粉がおよそ84%減少、通常マスクでもおよそ70%減少します。花粉症用メガネではおよそ65%減少、通常メガネではおよそ40%減少します。花粉の季節にはコンタクトレンズ使用の人はメガネに替えるとよいでしょう。通常、メガネの必要がない方はダテメガネでも有効です。
(4)表面がけばけばした毛織物などのコートの使用は避ける
羊毛類の衣類は花粉が付着しやすく、花粉を室内に持ち込みやすくなります。ウールは花粉が着きやすく、綿や化学繊維は花粉が着きにくいです。
(5)帰宅時は、衣服や髪をよく払ってから入室。洗顔、うがいをして、鼻をかむ
目や鼻を洗うと花粉症の症状が軽くなりますが、時にはかえって刺激して症状が悪くなる場合があります。家に帰ってきたら、顔全体を丁寧に洗って花粉をとるようにしましょう。
(6)掃除をしっかり行う
部屋に入った花粉を取り除くため、掃除をしっかり行いましょう。
その他、免疫力を保つため睡眠をしっかりとり、規則正しい生活を送ることが大切です。また、鼻の粘膜を正常に保つため、風邪を引かないよう気をつけ、飲酒と喫煙を控えましょう。
今回ご紹介した対策をしても日常生活に支障が出るような症状があれば、耳鼻科やアレルギー科の受診をお勧めします。