こんにちは、保健師の林です。パソコンやスマートフォンが生活に欠かせないものとなる中で、多くの人が電子機器の長時間利用により目を酷使しています。
毎年10月10日は目の愛護デーです。眼精疲労や「IT眼症」とも呼ばれるVDT症候群についての説明をからめて、目の健康作りを考えていきます。
VDT症候群、通称「IT眼症」って?
VDTとは「Visual Display Terminals」の略で、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などのディスプレイ機器を使用して行う作業をVDT作業といいます。VDT症候群とはVDTを使った長時間の作業により、目や体、心にまでも影響のでる病気で、別名「IT眼症」とも呼ばれています。
仕事でのVDT作業で、身体的な疲労や症状を感じている労働者の割合は68.6%となっており、そのうち、身体的疲労や症状の内容を見ると、「目の疲れ・痛み」が90.8%と最も多くなっており、次いで「首、肩のこり・痛み」74.8%、「腰の疲れ・痛み」26.9%などとなっています。
眼精疲労って?
どなたでも長時間仕事や勉強をすることによって目は疲れます。通常なら少し休んだり寝たりすることによって回復しますが、目の疲れがなかなか回復せず、目や体に症状が現れる状態を眼精疲労といいます。
具体的には、目がかすむ、ぼやける、充血や目の痛みのほかに、体の症状としては、肩こり、倦怠感、めまい、頭痛など様々な症状があります。こうした症状が慢性的に続くと仕事の効率も悪くなり、また、気分も落ち込み、うつっぽくなる等、私たちの生活に様々な悪影響を及ぼします。
「VDT症候群」「眼精疲労」の対策をとって、目を休めましょう。
目を休めるコツは?
・パソコンで連続作業をする場合は1時間に1回休憩する
背伸びなどのストレッチや目をつむる、時々窓の外をぼーっと眺めるのも効果的です。
・パソコンを作業する際は画面の位置や姿勢に注意する
ディスプレイから40~50cm以上目を離した位置で、椅子に深く座り、足の裏全体が床に接した姿勢で作業することが望ましいです。
・明かりによる見えにくさと不快に感じるまぶしさを防止する
ディスプレイに光が映り込まないようにブラインドやカーテンをかけるなどの環境整備をすることが大切です。
・眼鏡やコンタクトレンズは度数がきちんと合っているものを使用する。
合わない眼鏡やコンタクトレンズを使っているとピントが合わずに目を酷使することになります。定期的に視力検査をして度数があっているか確認しましょう。
・質の良い睡眠をとって、心も目も休めましょう
長期間高いストレスにさらされることによって、私たちの体はあちこちに不調をきたします。眼精疲労もその一つです。睡眠を6時間以上とると疲労感が改善し、ストレスを感じにくくなるといわれています。
・目の筋肉の緊張をほぐす
近くを見ることが多いと、目の筋肉が常に緊張します。血行を良くするためにホットアイマスクや充血をとるための冷パックなどを使用方法を守って、上手に使いましょう。
最後に……
現代人は、気づかないうちに目を酷使し、疲れがたまっています。今回お伝えした方法をぜひ参考に、皆さんも日頃から目を労わり、目の健康作りを心がけてみませんか?