毎日おつかれさまです。なにかとストレスの多い現代社会。いろんなリフレッシュゾーンがありますが、特に疲れたビジネスマンにオススメしたいのが和風旅館です。「たまには仕事を忘れて、畳の上でゴロっとしたいなぁ~」とか、「温泉つかって風呂上りにビール飲みてぇ~」とか……
この連載では、そんな、ささやかな男たちの欲求を満たし、疲れを癒してくれる、知る人ぞ知る和風旅館やホテルを紹介します。
和風旅館は高いって本当?
でも、和風旅館って、
「宿泊料金とか高いんじゃない?」 「敷居が高くて肩が凝りそう……」
「遠くの温泉街や観光地まで行かないとないよね」って思っているあなた。
実は、東京都内にも風情あふれる和風旅館が意外とあるんです! しかも、アットホームで宿泊料金もリーズナブルな宿が!
都内だから、たとえば、仕事を早めに切り上げて、明るいうちからひと風呂浴びて、ビールを飲みながら読書・・・なんて楽しみ方も出来ますよ。
都心にいながら、どこか遠くへ来たようなトリップ感を味わえるのも和風旅館の魅力。さあ、日頃、忙しくて読めなかった文庫本をカバンに入れて、すぐそこにある癒しの世界へ旅立ちましょうーー。
情緒あふれる、由緒正しき日本旅館
今回紹介するのは、文京区本郷の「鳳明館」。東京大学にほど近い閑静な住宅街にある鳳明館の創業は昭和9年。明治38年に建てられ、平成12年に登録有形文化財に指定された本館、昭和25年築の台町別館、昭和30年築の森川別館の3棟からなっています。お話しいただくのは、三代目オーナーの小池邦夫さんです。
小池さん:その昔、本郷かいわいは下宿屋が多く、このあたりで最も大きかった下宿屋を昭和9年に創業者が買い取り、下宿屋兼旅館を営んだのが当館の始まりです。
そして、終戦後の昭和20年に大幅な改築を行い、25室の旅館になって今に至っているそうです。
懐かしく、心落ち着くトリップ感
館内に一歩足を踏み入れると、タイムスリップしたかのような古き良き世界が現れます。磨き上げられた板張りの廊下、凝ったデザインの窓、今では製作が困難とされる波打つガラス、小さなタイルを無数に張った洗面場など、館内のいたるところで歴史を物語る風景やモノとの出会いがありますよ。
あー、一泊だけじゃ、もったいない気分になってきた。
創業者の美意識が伝わる客間の数々
客間にも懐かしい時間が流れています。
小池さん:3館ともに木材などの材料にはこだわっています。その中でも本館は、建築に造詣の深い創業者が、銘木を買い集め、旅館として模様替えするに当たり、大工の棟梁と相談しながら造り上げたそうです。
人工温泉に浸かってビールに備えよ
旅館に着いたら「まず、風呂」なワタシ。気になるお風呂場も拝見。台町別館の浴場は人工温泉で24時間入浴可能。こちらはモダンな造りですが、天窓を設けたデザインが特徴。窓から差し込む光が湯気を美しく貫いています。
う~ん、早く浸かりたい! 本館の浴場は、なんと懐かしい竜宮風呂! 魚が泳ぐタイル絵の壁がノスタルジーを感じさせます。全国的にも少なくなってきた竜宮風呂が都内で楽しめるなんて、やっぱり一泊じゃ、もったいない……
時代が変わっても、変わらないものがある
小池さん:当館はビジネスで東京に入らっしゃる方はもちろん、修学旅行のお客様、最近では外国人のお客様も増えてきました。また、あるアニメーションに当館が登場したことから、聖地巡礼で当館を見に来る若い方もいます。時代が変わっても当館は変わることなく、今いるお客様を大事にしていきます。ご常連にビジネスマンのお客様が多いのも、畳の部屋でくつろげる日本旅館だからこそ。
というわけで、今回の取材はめでたく完了!! さあ、風呂入ってビール飲むぞ~
<問い合わせ先>
鳳明館
〒113-0033東京都文京区本郷5-10-5(本館) 03-3811-1181
〒113-0033東京都文京区本郷5-10-5(台町別館) 03-3811-1186
〒113-0033東京都文京区本郷6-23-5(森川別館) 03-3811-8171
交通アクセス 本郷三丁目駅徒歩8分 春日駅徒歩5分