バックアップの「面倒」なイメージを払拭!
多くのユーザーは、思い出の写真や購入した音楽データなど、失いたくないデータを自宅PCにたくさん保存しているだろう。だからこそ、データバックアップの必要性はいろいろなところで説かれている。データを保存しているHDDはPCを構成するパーツの中では壊れやすいもので、物理的な衝撃があれば全く動かなくなってしまうことも珍しくはない。必要そうなデータを手動でコピーする方法もあるが、必要なデータを全て手動コピーするのは時間も手間もかかる。毎日変化するメールデータも定期的にバックアップするというのも、現実的ではないだろう。手間の軽減と確実さを考えるなら、バックアップソフトを使いたいところだ。
「ShadowProtect 4 Personal」ならば、面倒、重いというバックアップのイメージを打ち消してくれる。システム丸ごとのバックアップはもちろん、ドライブを指定してのバックアップや復元、スケジュールを指定してのバックアップ、増分のみのバックアップなども可能だ。しかも設定は基本的にウィザードでできてしまうという簡単さで、動作も非常に軽い。
今回はテストに、Intel Core 2 Quad Q8400と6GBのメモリを搭載したマシンを使っている。OSはWindows Home Premium 64bit版。バックアップは全て、本体内蔵の別HDDに行っている。
ウィザード形式で簡単操作、40GBなら6分38秒!
まず、Cドライブをバックアップしてみよう。「ShadowProtect 4 Personal」をインストールし、起動するとシンプルな画面が表示される。このウィザードタブ内に表示されている「バックアップ」を選択しても、左メニューの「タスク」内にある「バックアップ」を選択しても、同じウィザードが開始される。
バックアップ元の指定はドライブ単位だ。デフォルトではリスト形式で表示されるが、これでわかりづらい場合には右上の丸いボタンを押すと表示方法を切り替えることもできる。この中からバックアップしたいドライブをクリックすればOKだ。システム全体をバックアップしたい場合には、システム予約分も指定する必要がある。
今回は250GBのHDDにWindowsをインストールし、いくつかのアプリケーションを入れた後しばらく使った状態のCドライブを指定した。データ保存は基本的に別ドライブに行っているので、かなり容量が少なく40GBしか使用していない。これを空の100GB HDDを接続したDドライブにバックアップした。
1度だけのバックアップ方法は、作業した直後に実行する「今直ぐ」と、指定時間に実行する「1回のみ」がある。今回は「今直ぐ」を指定し、最初のバックアップなので「完全」を実行した。実行直後は15分くらいかかると表示された残り時間はみるみる短くなり、実際には6分38秒で終了。バックアップ中もメールチェックやブラウジングを行っていたが、特に重いとは感じられなかった。販売元であるラネクシーの調査では同種のバックアップソフトの1.5倍程度の速度になるらしい。
バックアップされたファイルは18.4GBと、元容量の半分以下に圧縮されている。しかしこれも繰り返されればあっという間にHDDはいっぱいになってしまうだろう。そこで、2度目以降は「差分」を指定する。前回バックアップからの変化分だけをバックアップしてくれるから、かなり小さな容量で済ませることが可能だ。
「ShadowProtect 4 Personal」起動画面。わかりやすいメニューが表示される |
最短15分での増分バックアップも可能なスケジュール設定
スケジュールバックアップは、「毎週」と「毎月」の2種類がある。「毎週」は曜日単位で完全バックアップと増分バックアップを指定。「毎月」は完全バックアップを日付で、増分バックアップを曜日で指定する方式だ。いずれも「増分バックアップ」を行うタイミングを分数と指定時間、1日あたりの回数で指定できる。増分バックアップは前回バックアップから変化のあった部分だけをバックアップしてくれる機能だ。「今直ぐ」、「1回のみ」、「毎週」、「毎月」で設定するバックアップには「VSS」が利用されている。
VSSとは、「ボリューム・シャドウ・コピー・サービス(Volume Shadow Copy Service、以下VSS)」の略で、最初に作ったディスクのスナップショット(シャドウ・コピー)をバックアップする技術だ。そのおかげで、バックアップ中にファイルを開いたり、編集したりしても問題ないのだ。作業の手を止めずにバックアップができるというのがうれしい。
さらに、最初の1度だけ完全バックアップを行い、後はずっと増分だけをとり続けるという「連続増分」もある。設定画面上段の「VSS増分バックアップ」は、VSSを利用してバックアップするタイミングを1日1度だけ設定できる。下段の「追加増分バックアップ」では1日複数回のバックアップするように設定できるが、こちらはVSSを利用するかどうかユーザーが選択可能だ。
自動バックアップを利用すると、さらにHDDの容量が不足しやすくなるが、これは詳細オプション画面で「保持ポリシーを有効にする」にチェックを入れ、保持したい世代数を入力すると古いデータが自動削除してもらえる。
実際にスケジュールで増分バックアップを実行してみると、いつバックアップが実行されているのかわからない程度の負荷だった。特に100MB強しかデータが増えていない状況での増分バックアップは、わずか10秒程度で終了してしまうため、ウィンドウを開いて見張っていなければわからないほど。スケジュールバックアップは重い、別の作業の邪魔になるというイメージを覆してくれる。
PC引っ越しから1ファイル単位での取り出しまでカバー
作成したバックアップの活用がしやすいのも魅力だ。本格的にPCの具合がおかしくなってしまった場合には、丸ごとの復元が有効だ。これは「復元」のウィザードに従えば簡単に実行できる。どのバックアップファイルを使ってどのHDDに復元するのかも指定できるから、いろいろな状況に対応できるだろう。
異なる機種への復元を実現する「HIR(Hardware Independent Restore)」に対応しているのも心強い。ハードウェアに依存せず復元できるため、全く別のPCに自分の環境を丸ごと移植することもできる。もちろんOSや各種ソフトのライセンスに注意は必要だが、新しく購入したPCに壊れてしまったPCの環境をそっくり構築することもできてしまうのだ。PCの引っ越しや、お気に入り環境の移植に活用して欲しい。
さらに日常的な利便性を強く感じられるのが「バックアップの参照」機能だ。これは既存のバックアップイメージをマウントして、Windowsのエクスプローラーから中身を操作させてくれる機能で、ドライブレターを割り当てるとまるで新しいHDDが接続されたように見える。後は普通にファイルを開いたり、コピーしたりすることが可能だ。
削除してしまったファイルを取り戻すこともできるし、増分バックアップマウントできるから、短い間隔で増分バックアップを実行していれば上書き保存してしまったファイルなども取り戻せる。マウント時に「読み取り専用でバックアップをマウントする」のチェックを外しておけば、すでにバックアップし終えた後にファイルを追加することも可能だ。時間指定でバックアップを実行するのではなく、仕事を一段落させたらバックアップ、というような使い方をする場合に、入れ忘れたファイルを追加できるのはありがたい。
コールドバックアップやWindows PEによる復元にも対応
この他に、Windowsを起動せず「ShadowProtect 4 Personal」のDVD-ROMから起動してバックアップできるコールドバックアップ機能もある。コールド状態でのバックアップと復元については、細かい手順を記載したマニュアルが付属しているから、初心者でも作業できるだろう。Windowsの初回起動をした後、好みのアプリケーションをインストールし、ブックマークを入れ、メール設定等を済ませた状態でコールドバックアップをとっておけば、いつでも自分好みの環境をすぐ復帰できる。
また、バックアップファイルの正当性を確認するベリファイ機能や、バックアップを利用して仮想マシンを起動する機能なども搭載されている。Windows PEによる復元にも対応しているから周辺機器の認識率も高く、本格的にPCの調子が悪くなった時にも安心だ。
いざという時に役立つのはもちろん、日常的にも活用できる「ShadowProtect 4 Personal」。バックアップの頻度もユーザーの使い方に合わせて細かく調整できるのが魅力的だ。次回はバックアップがなぜ重要なのか、きちんと実行していないとどんな問題が起こるのかを考えて行きたい。なお「ShadowProtect 4 Personal」には30日間フル機能が利用できる試用版もあるから、ぜひ1度使ってみて欲しい。
(マイコミジャーナル広告企画)