語学学習の最大の障壁、それは人間性の問題だといわれるならそうかもしれないが「飽き」だと思う。アメリカ大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手は毎日同じ日課をこなし、ついに9年連続で200本安打に成功するという偉業を達成したが、それをテレビ画面から眺める私は「すごいなぁ、自分には無理だ」と、あっさりさじを投げてしまう。
毎日同じことを繰り返せばいつかは英語が話せるかもしれない、毎日ランニングをしていれば42.195kmがいつか完走できるかもしれない――。そんなことを思いながら数日やってはやめてしまう自分を、悔恨の情を込めて「ればかも」症候群と呼ぶこととしよう。
ところが、これまでの語学学習なら三日坊主だったのに、『ロゼッタストーン』ではすでに2カ月以上継続して学習を続けることに成功している。「ればかも」症候群の私にとっては大きな進歩だと言える。何故なのか。ちょっと考えてみた。
画像と発音を結び付けながら学習を進めていく『ロゼッタストーン』は一見、単調な作業を繰り返すだけだと思われるがそれは大きな間違い。キーボードをつかってスペルを打ち込んだり、ネイティブスピーカーの発音を聞いて正しい画像を当てたり、はたまた穴埋め問題あり、発声練習ありと、学習者を飽きさせない手法が盛り込まれている。PC画面を見続けていても、ほどよい緊張感に包まれてどんどん先に進めたい気持ちになってくる。
また、モチベーションアップの手法も凝らされている。学習計画が立てやすいように、各レッスンの所要時間がホーム画面上で見られるようになっているし、「コースバー(下画面参照)」で学習の達成具合も一目瞭然。さらに、レッスンが完了するたびに正解率が%で算出されるので「今回はもう少しいいスコアをとりたい」という意欲が生まれてくるのも事実。
ここで……告白すると、仕事の関係上、『ロゼッタストーン』を立ち上げられない日が続いたことがあった。なんだろう、連絡をしばらくとっていなかった友人にメールを送る時のあの気まずさ、といったら分かってもらえるだろうか。『ロゼッタストーン』を起動する時にそんな気まずさを覚えたことは否めない。でも、『ロゼッタストーン』を起動すると前回終了したところからすぐに始めることができて、ブランクがあるのにストレスフリーで学習を進めることができた。『ロゼッタストーン』のネイティブスピーカーに勝手に「ネルソン」と「シエラ」と名づけているのだが、彼らも「hello!」といつもと同じように声をかけてくれる。ありがとう、ネルソン、シエラ。旧友の優しさに触れた気分だよ。
話はずれたが、このような配慮があるからこそ、三日坊主ばかりの私が2カ月も続けることができたワケである。でも、疑心暗鬼の塊の私はそれだけでは安心しない。むしろ、2カ月続いたぐらい、なにさ。自分の過去を振り返ると、最後にやる気を失ってフェードアウトがオチでしょ。ただ、今回ばかりはそんなエンディング、遠慮したいもの。そこで無い頭を絞って「毎週目標リスト」を作成してみることにした。
こうみえても自分、ダイエットには自信がある。なぜか、それは何度も失敗しているから。失敗から得た教訓は「大きな目標を掲げると、頓挫してしまう危険性が大きい」ということ。だから「今週末までに500g落とそう」などと決め、手帳に目標を書きこんでおく。そうして週末になって結果を目標数値の下に書き込む。そうしておくと、目標設定と効果が短期間で現れるし、さらに次の週の目標設定もたやすい。これで3kgの減量にも成功した。じゃあ『ロゼッタストーン』でもやってみようと、と思った次第だ。
そこでまずは、手帳に「週末までに今やっているユニットを終わらせる」「できれば正解率90%以上を目指す」と書き込んでみた。前述したが、各レッスンの学習時間はホーム画面を見れば算出できるので、あとは仕事を早く切り上げて帰れる日に課題をこなすだけ。実際にやってみると、目標設定を低くしたことで「それぐらいのハードルなら越えなきゃ」という気持ちが芽生えてきた。ユニットが終わって、次のステップに進むことも考えたがそれをやっては目標を設定した意味がない。最終的なゴールに向け、着実に進んでいくことが目的だからだ。これは結構いいぞ。なんとか「ればかも」症候群にもおさらばできそうだ。
さて、三日坊主の恐怖も克服し、いよいよ実践的な英語学習に突入だ。
まて、次回。