英語と聞いて思うことは人それぞれだ。だが私のように、中学校時代に嫌気がさして縁遠くなったまま大人になったという人間も少なくないだろう。「英語なんて話せなくても生きていける」なんてうそぶいても内実は「そりゃ、話したいって。ペラペラ話して周囲に羨ましがられたい」、そんな理想と現実との板ばさみに遭い、結局何もしないまま毎日が過ぎていく。だから、きっかけというものは思った以上に大事だ。

そして、きっかけもまた星の数ほどある。たまたま立ち寄った書店で購入したバラク・オバマ米大統領の演説集、海外旅行前に行こうと決めた駅前留学。私はというと、語学学習ソフトウェアソリューション『ロゼッタストーン』だった。実はこのソフト、1~2年ほど前からネット上で知っていて、前から気になっていたものだ。母国語を身に付けるように英語を学べるというのが売りで、一言で言うのはなかなか難しいのだが、英語の意味を日本語に置き換えて理解するのではなく、映像や画像で直接脳に焼き付けるようなイメージだ。

中学校や高等学校で学んできた英語学習を思い返すと、英単語を日本語にして暗記して、それから意味を想像するという、厄介なプロセスを踏んだ記憶しかない。「Apple」という英単語なら、「リンゴ」という日本語から、丸くて赤くて甘酸っぱい果物を想起する。Appleだけならいいが、英単語は何千、何万とあって、それを覚えるために母国語の2倍の労力がかかって、これに英語の発音が加わるとなると……書いているだけでくらくらしてくる。

一方『ロゼッタストーン』なら音声を聞き、写真を見て、発声するという作業を繰り返すだけ。前述のような和訳作業が排除され、英語の発音も同時に記憶することができるため、ネイティブスピーカーのように効率よく英語を学んでいけるというのだ。

実生活で目につく画像を通じ、新しい単語フレーズの意味を習得していく

画像を見ながら、問題に答えていく。マイクロフォンを通じて発音したり、マウスを使って回答したり。バリエーション豊かで飽きることなく進められる

また、どのような学習をするにしても目標設定は大切に思える。英語初心者な私は、まずは海外旅行先で過不足なく英語が話せれば十分。そういう意味でも「英語を話す」に特化された『ロゼッタストーン』は魅力的に映る。価格は「英語(アメリカ) レベル1~5セット」で7万9,800円と、決して安い買い物ではないが、CD-ROM版なら6カ月以内の返金制度もある。オンラインデモも用意されているので、こちらを使ってみるというのも手だろう。

オンラインデモでは『ロゼッタストーン』の概要や操作説明なども紹介されているので、まずはここでチェックしてみよう

ちなみに、この『ロゼッタストーン』。31言語に対応していて、マイナーなところなら「パシュトー語」なんて、英会話学校ではお目にかからない言語までカバーしているというのだからすごい。もちろんドイツ語やイタリア語、フランス語なんかもあるので、英語以外の語学学習を始めたいという人にも向いている。

ものは試し。まずは英語を始めるきっかけとして私は『ロゼッタストーン』を使ってみよう。思い立つがまま、申し込んで1週間程度でソフトが届いた。CD-ROMは全部で6枚。とりあえず、平日仕事から帰ってきてから少しずつ勉強しようと決め(もちろん三日坊主にならないことを祈りながら)、まずはアプリケーションを自分のPCにインストールするところから始めた。

言語の追加で勉強したいレベルのCD-ROMをインストールするよう促され、その後もガイドの指示に従うのだが、非常に分かりやすく、さくさく進む。指定しなければならないのは「自分のコース」の設定で、推奨コースか、特定のスキルの学習に集中するか選択する。私はというと、英語全般が苦手なので、とりあえず推奨コースをチェックして完了。あとは始めるだけだ。

手元に届いた『ロゼッタストーン』。これから自分がどう変わっていくのか、期待は膨らむばかりだ

次回からは、実際に『ロゼッタストーン』を使ってみての使用感などをレビューしていく。本稿が終わるころには、ペラペラ話せている……なんてそこまで楽観主義者ではないが、英語がなくても生きていける、なんて自虐的にならず、英語への苦手意識を払拭できて、海外旅行の際に少しでも役立てばと期待している。……と、書きながら実は少しだけ始めているわけだが、これがなかなか感動ものでして。

待て、次回。