今回は、色(カラー)について考えてみたいと思います。
私は写真のPINARELLO社の黄色のロードバイクに乗っています。この黄色には意味があり、自転車レースの最高峰である「ツール・ド・フランス」で個人総合優勝した選手に与えられる黄色のジャージ「maillot jaune(マイヨ ジョーヌ)」から来ています。
マイヨ ジョーヌは、フランスの国土を1カ月かけて1周するという「最も過酷なレース」で「最も速く走り切った選手」に与えられる「最高の称号」を表しています。どんなに過酷かというと平坦路だけではなく、ダートコースもあり、かつ2,500mを超える超級山岳を何度も超えるコースがレース後半に集中するというレースだからなのです。(富士山は3,776m。後半の4日間ほどは富士山級の山々を何度も超えるコースが毎日続きます)
この色のバイクに乗るということは、世界一過酷なレースで勝利する「本当の強さ」を有するという意味になりますので、それは目立ちますし、分かっている人には、「そのバイク乗るってことは、強いんだよね。速いんだよね」と思われることになります。そのため恥ずかしい走りをすることは絶対に許されません。また、紳士的なスポーツであることから、交通ルールを守ること、節度のある振る舞いも必要になります。つまり、この色のバイクを選んで乗るということには「ある意味での覚悟」が求められると思っているのです。
日常生活でも「色」には意味があります。
信号機の赤は止まれ、黄色は注意、青は進めという意味ですし、戦隊モノでは赤が常にリーダーです。他にも赤色には32種類の意味があるそうです。青には「理性的」や「平和」、「クールでスマート」など19種類、黄色にも「幸せ」や「ポジティブ」「好奇心」などの19種類の意味があるようです。
このように色が示す「意味」を、ビジネスにも有効に使うことができると思っています。私の会社のコーポレートカラーには「黄色」を選択しています。これは私のロードバイクと同じ色ですね。
よって、コーポーレートカラーには以下のような3つの意味を持たせています。
- 「世界一」の会社を目指す(マイヨ ジョーヌ)
- ポジティブで楽しい会社風土を作る
- 私たちが提供するサービス・プロダクトで人々を「幸せ」にする
サンライズイエローを使っているので“人々の未来を照らす”的な意味も込めています。
色が持っている「意味」は自分の思考や行動にも影響を与えます。
例えば、私の会社の仕事であれば、社員には常にこのように考えて欲しいと思っています。
- 自分の仕事は、お客様の「幸せ」に繋がっているだろうか?
- 自分は仕事を苦役ではなく、ポジティブに自己実現する手段だと思ってくれているか?
- 自分たちの仕事は、「世界一」のサービスを目指すものになっているか?
「意味」によって「仕事」は変わります。私たちの会社であれば、仕事を、給与をもらうだけの「嫌なもの」ではなく、「幸せ」を作り出すものであり、自己実現をするための手段であり、それによって「世界一」を目指すサービスにしよう!と伝えることができるのです。
会社という概念に、自分たちが「色」をつけることで「意味」を作り出し、「意味」によって自分たちの思考や行動を変えることができるのです。それが社員に浸透し、サービスとなって顧客に伝播すると、その「色」は会社の特徴やブランドとして定着する事になります。
このように、自分を示す「色」を持つ事で、「自分ブランド」を作ることも可能だと思います。あなたは、何色の意味を自分につけて、自分を作りますか? これから「個人」が重要視される時代になると言われている中で、このような「意味づける力」は自分を"選んでもらう"ための重要な力になると思います。ぜひ、自分ブランドを作るために「色」による「意味づけ」をしてみてはいかがでしょうか。