戦う女性は美しい……総合格闘技『RIZIN』で活躍する“美女ファイター”。リングの上では、闘志をむき出しに真剣勝負を繰り広げる姿で魅了してくれるが、彼女たちはオフではどんな女性なのか。この連載「『RIZIN』美女ファイター図鑑」では、そんな選手たちのプライベートに迫り、新たな魅力を伝えていく。

第2回は、山本美憂選手。“元祖ツヨカワクイーン”と呼ばれる彼女は、3人の子供を育てたママさんファイターでもあるが、格闘家との両立はどのように行っているのか。そして、自身がアスリート一家に育った経験を踏まえ、子供たちにかける将来への期待は――。


子供たちと一緒の時間が趣味の時間

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    弟の山本“KID”徳郁選手(左)と山本美憂選手

――早速ですが、プライベートが垣間見える「お気に入りの写真」を紹介してください。

初めて『RIZIN』で勝ったとき、糸満(沖縄)のジムで弟(山本“KID”徳郁選手)に報告できたときの写真です。この時はうれしかったですね。それから、みんなでお気に入りのかき氷屋に行った時のも。大人数なので、にぎやかで楽しいですよ(笑)

――体づくりにおいて、やはり、かき氷のシロップは気にされるんですか?

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弟が「いいよ」って言った時だけ、甘いものを食べるんです。その時に集中して(笑)。それがいい息抜きになってますね。

――プライベートでハマってる趣味はありますか?

毎日がトレーニングの時は、空いた時間にリラックスすることですね。海外合宿で子供たちと一緒にグアムにいる時は、みんなでビーチに行ってゆっくりしてました。

――普段、日本にいる時はどうですか?

次男のアーノンが野球を始めたので、休みの日は試合を見に行ったり。やっぱり自分で何かをやるというよりは、子供たちと一緒にいるのが趣味の時間になってますね。

――妹の山本聖子選手のご主人はメジャーリーガーのダルビッシュ有投手じゃないですか。アーノンくんを見てもらうこともあるんですか?

夏休みとかにお邪魔して、相手してもらいます。本当に贅沢すぎますよね(笑)

――ダルビッシュさんから、素質面で何か言われてますか?

いやぁ私はあんまり聞いてないんですけど、それよりうちの父(元レスリング選手の山本郁榮氏)が真剣になっちゃって(笑)。家族の中ではアーノンが一番運動神経良いので、すごく期待をかけてますね。

すごく人に恵まれてる

――お子さんが3人いらしゃって、長男のアーセンさんは格闘家として活躍されていますが、一番下の娘さんは、なにかスポーツを始めているんですか?

一番下のミーアは9歳なので、まだ特には始めてないですね。でも、この子も運動神経が良くて、いつもドタバタ飛び跳ねてます(笑)

――あまりお子さんに「このスポーツをやらせる」という感じではないんですね。

そうですね。私が親に好きなことをやらせてもらって集中させてくれる環境を作ってくれたので、自分の子供たちにも本人たちがやりたいものを自由にやらせています。

――お子さんたちは、美憂選手の試合を見に来てくれるんですか?

そうですね。最初のうちは怖がってたみたいですけど、最近は負けたら怒るようになってきたので、そういう風に変わってくれて良かったです。やっぱり、「倒しに行け!」って思ってくれるほうが、うれしいです。

――試合に集中するために、お子さんのことは意識して忘れようとするんですか?

いや、子供はいつもそばにいるものなので、切り替える必要はないですね。いるのが当たり前だから、それで集中力がなくなるということはないです。だからギリギリまで子供と一緒にいます。私も父の試合を見に行った時はそうだったので。

――子育てと格闘家という両立は、大変ではないですか? 美憂選手は3人もお子さんがいらっしゃいますし。

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私としては、苦労はないですね。逆に子供たちのほうが私に合わせなきゃいけないから、大変だと思います(笑)

――ついてこい!って感じですか?

そうですね。「明日からグアムだよ」とか「明日から日本だよ」って急に言っても、子供たちは慣れた様子でどこでも暮らせると思ってくれているので、それはすごく助かります。家事は完璧にこなしてるわけじゃないんで、部屋だって散らかってる時もあるから、全然両立はできてないですけど、どこに行っても家族のように助けてくれる人たちと巡り会うので、すごく人に恵まれてると思います。本当に感謝です。

――1人の女性として、「美」に気をつかってることはありますか?

うーん、保湿(笑)。私、乾燥するとかゆくなっちゃったりするから、やっぱり一番は保湿ですね。

――選手同士でそういうお話はするんですか?

私が仲良いのは、全然そんなこと気にしない村田夏南子しかいないんで、美容の話にはならないです(笑)。むしろ食べ物の話ばっかり。

――よく一緒にご飯を食べに行ったりされるんですか?

沖縄に来たとき、国際通りに連れて行って、せっかくだから沖縄料理でも食べようと思ってたのに、「スシローがいい」って言いだして、ケンカになりそうになりました(笑)。アーセンもいたんですけど、アーセンと夏南子の多数決の2票で、結局スシローになりました。

フィギュアスケートやクラシックバレエも経験

――美憂選手は、どんな幼少時代を過ごしてきたんですか?

レスリングを始めたのは遅くて、小学校2年の終わりくらいだったんです。そこからは、父がいろいろ練習に連れて行ってくれたり、朝から階段を走ったりしていました。

――小学校低学年からハードなトレーニングをしてたんですね。そうすると、他になりたかった職業はなかった感じですか?

実は、途中途中でレスリングを辞めてるんですよ。自分が本気でやりたいと思ったことをやらせてくれる親だったので、フィギュアスケートとかクラシックバレエをやったこともあります。でも、やっぱりレスリングが一番合ってるなと思って(笑)

――3人のお子さんを出産されて、そこから現役復帰というモチベーションはどのように出てくるんですか?

辞める時は自分でやり切った感じがあるので、本当にすっぱり辞めて、運動も走ったりも全然せずに、普通の生活を送るんです。でも、聖子に「練習相手で戻ってきてくれ」と頼まれるのが、いつも競技に戻るきっかけになってます。それで、だんだん自分の調子が戻ってきて、「楽しいから試合出ちゃおう」ってなるんです(笑)

――いろいろお話を聞かせていただきありがとうございました。7月29日に行われる『RIZIN.11』(フジテレビ系、19:57~)では石岡沙織選手との対決ですが、意気込みをお願いします。

本当にありきたりですが、待ってるみんなのために、勝ってトロフィーを持ち帰ります!

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    山本美憂選手(左)と石岡沙織選手

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    山本美憂
    1974年生まれ、神奈川県出身。幼少時からレスリングの英才教育を受け、13歳にして第1回全日本女子選手権優勝。全日本4連覇を達成すると、91年には17歳で世界選手権を制し、史上最年少優勝の快挙を成し遂げる。結婚や出産などを機に現役を引退するも、11年6月に再び現役復帰を宣言。『RIZIN』で総合格闘技デビューを果たした。7月29日の『RIZIN.11』では、石岡沙織選手と対戦する。
    Twitter: @MiyuuYamamoto Instagram:miyuu_rizin