女の子を相手にするときは聞き上手になるのがいちばん。女の子の話はよく聞いてあげましょう。女の子は話を聞いてもらうだけで満足です……というようなことはよく言われていますし、私もいつも聞き上手に! 的なことを言っていますが、それを本当に実践できている男子はいるのかどうか? となると、ちょっとあやしいところがあるような気がします。
せっかく女の子が悩みを相談してきてくれたのに、せっかく女の子のほうから一緒に出かけようとお誘いがあったのに、ちゃんと話を聞いていなかった。話を聞いて、彼女の真意を見抜くことができずに言うべきことばを間違えたり、黙って何も言えずにおわったりしてしまったことがある、そんな男子は多いかもしれません。
女の子の話の上手な聞き方と、聞き分けをする方法について考えてみたいと思います。女の子を相手に話を聞くとき、よく言われることのひとつに、(女の子が悩みやグチを言っているときは、ただ話を聞いてもらいたいと思っているだけなので、話を聞いている側である男性からのアドバイスや意見はあまり求めていない)というものがあります。
これはおおむねそのとおりで、女の子が学校やサークル、職場の人間関係や仕事内容についてグチを言っているときに、「そうかな、オレはそうは思わないけど」と反対意見を言ったり、「Aさんも悪気があってやっているわけではないと思うし、冷静になってみたら?」とアドバイスしたりすると、「え? どっちの味方なの?」と、グチを言っている女の子を怒らせたり悲しませたりしてしまうのはよくあることです。
ですから、誰かにわーっと話してしまえばすっきりして、冷静になって、「でも、考えてみたら、私もすぐに言い返したりせずに、大人な対応すればよかっただけかもね」とグチを言う当の本人である女の子も反省する場合がほとんどです。
女の子は誰かに話すことで自分のアタマの中を整理する人が多いので、話しながら自分で答えをみつけたりできるわけです。ですから、たいていの場合、グチや不満タラタラな女の子の話は黙って、「うんうん」と聞いて、ときどき、「そうかー。タイヘンだったね」と同調してあげるのが男子としてはベストな話の聞き方になるわけです。
ところが、女の子のちょっとしたグチやさりげない悩みごとの打ち明け話の中に、ごくたまに、男子がアドバイスしたほうがいいような内容や、ひそかに助けて! と信号を送ってきているケースがまじっていることがあったりするのがやっかいなところ。
たとえば、職場の同僚の女の子からぽっとラインをやりとりしていたところ、「今度の会社の飲み会行く?」「うん、行こうと思ってるよ」「そうかー、私も行くつもりなんだけど。後輩のBくんにね、飲み会に行きたいけどお金がないから貸してって言われててー」などという話の展開になったとします。
あなたとしては、いっしゅん「え?」と思うところですが、そこでイロイロなことを考えてしまうはずです。まったく気付かなかったけれど、いつの間に彼女とBはお金を貸し借りするような親しい間柄になっていたのだろうか? もしかしたら、実はふたりは付き合っているのだろうか? 付き合ってみたものの、Bがやたら彼女にお金を借りるような男で困っているというグチ的な話の流れになるのだろうか?
そんなふうにあれこれ想像してしまったあなたは、この後どういうふうに返していいかわからず困惑してしまい、けっきょく、(まあ、ふたりの間にどういう事情があるにせよ、どちらも社会人なのだから彼女とBがふたりでお金の貸し借りをするかしないかを決めればいい話だろう)と思うことにして、メッセージをそこで返さずに終わらせてしまうこともできるわけです。
でも、もしかしたら、彼女とBはそんなに親しいわけでもなく、彼女としては親しくもない後輩男子からいきなり、「飲み会には参加したいけど、お金がないから貸してください」と言われて困っていて、オレに相談したいと思った……という可能性もあるわけです。
ですから、ここはやはり一応、あなたのほうから、「あれ? Bとそんなに親しかったっけ?」と聞いてみてあげるのがいいと思います。そして、「んー、そんなに親しいつもりもないんだけど。なんか私って、頼みやすいタイプなのかな?」というような返事が彼女から戻ってくるかもしれません。
だとしたらそれは、親しくもない後輩男子からお金を貸してと言われて、ささいな問題かもしれないけど彼女としては対応に困っているということになるわけです。ですから、あなたは、「いやー、オレがBだったらやっぱり、飲み会の会費立て替えて! みたいな頼みごとは同期のCとか、D先輩に頼むかな。女の子には頼まないなー」とか、「たしかに頼みやすいタイプかもしれなけど、だからといって親しくない女の子に頼むのはどうかな? それに、お金貸したとしても、返してってなかなか言いづらいでしょ?」というふうに、自分の意見や彼女の心配していることを先回りで言ってあげたほうがいいと思います。
そうしてあげることで、女の子のほうも、「そうだよね。やっぱり、男の人はそんなに親しくない女子にはお金貸してとか頼まないよね」と考えがまとまってくるわけです。
そこで、彼女とあなたがふつうよりも相当親しい関係だったり、彼女が本当にお人よしであまり相手に自分を言えないタイプだったりするときは、もう一歩ふみこんで、「もしなんだったらBに、飲み会の金ならオレが貸すからって言うよ」と言ってあげてもいいと思います。それに対する答えが、「そういってくれてありがと。でも、自分で断ってみるね」とか、「悪いけど、お願いしてもいいかな? 自分じゃどうしていいかわからなくて」とか、イロイロ違ってくるでしょうけれど、あなたが頼れる人だと思ってもらえることは間違いありません。
このように、女の子の話を聞くのには、ただただ「うんうん」と相づちを打っているだけでなく、男として「あれ?」「おや?」と引っかかる何かがあったときは、そこに気づいてまず意見ではなく質問をしてあげる。質問をしつつ、相手の女の子のようすをじーっとみるといいと思います。
女の子的には精いっぱい、冷静に、ふつうにさりげなく、小さいけれどトゲのように刺さる悩みを打ち明けているときがある。それをふだんのグチ話と見過ごさないようにサインを見逃さないように女の子の話を聞いてあげることができると、とてもいいと思います。ぜひ、チャレンジしてみてください。
酒井冬雪です。GWはいいお天気でしたね。私は、夜に近所の公園のネコをみにいくくらいのことしかしていませんでしたが……。では、よい週末をお過ごしください。またねー!