悲しいけれど、つらいけれど失恋してしまうというのは誰にでもあることです。失恋とは、男女問わず、年齢問わず、誰もが経験しうるできごとといってもいいかもしれません。

しかし、周囲の話を聞いていても何となく、女子のほうが立ち直りや割り切りが早かったりするのに対して、男性のみなさんはいつまでも過去の恋愛をひきずっていたり……。

今カノと元カノを比べてしまう自分が心の中にいたり、初恋の女性と同じ名前を自分の娘にこっそりつけようと考えたりしてしまいがちです。好きになった女性や自分の恋愛経験をキレイな記憶として心の片隅にとっておくのはいいと思うのですが、いつまでも次の恋愛に踏み出せない。

今の彼女のこともちゃんと好きなんだけど、どうしても前カノと比較してしまって罪悪感を覚えてしまう……というようなことがあると、それはいい状況とは言えないような気がします。

今日は、どうすれば前の恋愛の呪縛から逃れたり、失恋の痛手から立ち直ったりできるのか? という問題について考えてみたいと思います。

失恋したとき、男性のみなさんによくあるのが、別れることになってはじめて、(どうしてこんなことになってしまったのだろう?)と悩みだすという点です。この点女性は、付き合うと決まった瞬間から(この恋愛)について悩みはじめています。

付き合いはじめて間もないころは、すべてが新鮮で、一時一時が大切で彼女の願うことは何でも叶えてあげたいと思っていた男子はきっと多いことでしょう。

しかし、付き合いが長くなるにつれて、だんだんと空気感のようなものができてきて、そばにいるのが当たり前と甘えが生まれてしまったとき、彼女が何か話したそうにしているのに、「疲れているから」「後にしてくれないかな?」「どうせまた、友だちとどこ行ってきたとか、くだらない話だろ」と、話を聞かずにスルーしてしまう。

もしくは、彼女の話を聞いたとしても、「最近デートもしてないって、仕方ないだろ。仕事が忙しいんだから」「たまにはおしゃれして出かけたい? 休日にわざわざ混んでるところにいかなくても、家でゴロゴロしてればいいじゃん」「今度の休み? あ、オレ友だちとサッカーする約束してるからムリだ」「Aちゃんが結婚する? へええ、よかったね。でも、オレぜんぜん結婚願望とかないからなぁ」というふうに、相手の話を表面的に受け流し、彼女の願いや要望をスルーしてしまっていたというのはよくあることのようです。

男性のみなさんとしては、付き合いの長い大好きな彼女が相手だから、自分をわかってくれているだろう。もう少し、仕事が落ち着いたら二人でどこかへゆっくり出かけようとは思っている。今は、友だちが困っているから、アイツを放っておくと心配。でも、それはアイツの個人的な問題だから、彼女には詳しくは話せない。アイツの問題が片付いたら、彼女のためにちゃんと時間をつくろう。と、心の中では思っているのかもしれませんが、こんなときも女の子は、(もう私のこと好きじゃないのかも)(いつも疲れた、疲れたっていって、私にちっとも時間を割いてくれない。これじゃあ、付き合っている意味ないよね?)(これだけ長く付き合っていても、結婚する気はないっていうなら、この先どうなってしまうんだろう……)と、あれこれ悩んでいるものなのです。

彼女は、オレが言わなくても事情をわかってくれる! というのは、何十年も一緒に連れ添った老夫婦になら可能なことかもしれませんが、付き合って数年のカップルにはなかなかむずかしいところ。

(オレの気持ち、わかってくれているよね)と思っているうちに、彼女のほうはいつの間にか悲しみや痛みが、あきらめと彼には期待をしないという気持ちにかわっていて、心が冷めてしまっていた……というのはよくあることなのです。

というわけで、別れてからはじめて、(どうしてこんなことになってしまったんだ?)と悩みはじめる男子は後を絶たないのですが、いくら悩んでも答えはなかなかみつからないものです。

というのも、その悩みの答えを知っているかもしれない彼女とはもう別れてしまって、話し合うのがむずかしい状況に置かれている場合が多いはずですから。自分ひとりで、どうして? と悩んでも、本当の答えはなかなかみつからないのではないかと思います。 また、別れるというのはひとつだけではなく、いろいろな事情やことがらがたくさん積み重なっていたりするものです。そして、その時のふとしたひと言や対応が、相手にとっては決定打になってしまったといった運の悪さ的な要素もふくまれることが多いのです。

たとえば、実は元カレがネットの出会い系で浮気をしていて、そのせいで彼と別れることになってしまい、実は彼女がSNSに対して疑心暗鬼になっていた。という相手の過去を知らずに、社交的なあなたがSNSをフル活用して、彼女の前でいつもしきりにスマホをいじっていた。しかし、それに耐えられなくなった彼女がメールで別れを切り出してきた上に、以後一切連絡が取れなくなってしまったとしたら、あなたはなぜ自分が失恋してしまったのかわからないままになってしまいます。

まさか、デート中にスマホをいじっていたことが決定打になって別れるハメに陥ったとは、自分は出会い系など一切していなかったのに……ということにもなりかねないわけです。

こればかりは、彼女の話をいつもじっくり聞いてあげる。時には、ちょっとした態度の変化や目つきを敏感に察して、自分から、「どうしたの? 何かあった?」と彼女から聞き出してみせる! くらいの気持ちがあってもいいくらいです。

常日頃から、彼女とコミュニケーションが取れていれば、や思い込みや勘違い、すれ違いを防ぐことができますし、もし、別れることになったとしても、お互いにそうなった理由が少なからずわかっているという状態になっているかも。   というわけで、失恋した理由というのは考えてもなかなかわからない場合が多く、わかったらわかったで、かえって落ち込んでしまうケースもよくあるものです。

恋を失い、次回同じ間違いをしないためにも、失った恋を振り返り反省をするのはいいことですが、その時間が半年、一年、二年……10年と続いてしまうとさすがにもったいないような気がします。

そこでおすすめしたいのが、いっそのこと落ち込む期間を決めてしまうという方法です。性格や別れの理由にもよって落ち込み度合いも違うと思いますが、2カ月だけ落ち込んだら立ち直るぞう! というように落ち込み、悩む期間を決めてしまうというわけです。

期間は長くても半年くらいにして、その間はクヨクヨしたり、どよーんとしたりしてもいいことにするけれど、その後は元気に立ち直ると心に決めてしまうといいと思います。そうすることで、何年もの長きにわたって、前の恋をひきずってしまうという状況は回避できるかもしれません。

恋を失っても、立ち直れず後悔することのないように、今付き合っている彼女を精いっぱい愛してあげるといいと思います。マンネリっぽくて、近頃彼女に対していい加減な態度を取っていたなぁと思い当たる男子がいらっしゃいましたら、今すぐ彼女にメールでもしてあげてほしいところです。

酒井冬雪です。マンネリって、よくない言い方のように使われることが多いですが、私はけっこうマンネリ化が好きです。お互いに気を遣わずに、相手がいるのが当たり前な感じ。この状態が「いつもと同じ」な感じ……。なんというぜーたくでしょう。うらやましい。ぜーたくだからこそ、この状況を大切に扱ってほしいところです。では、またね。