男子はなかなかたいへんです。自分ではそのつもりではないのに、趣味や仕事の話をしただけで、女の子から(自慢?)と思われてしまう。悩みを相談されたから、よかれと思ってアドバイスしたのに、女の子から(お説教された。やさしくない)などと言われてしまう。
男のオレが自分の話をするのも、女の子の話を聞いてあげるのも、なかなかむずかしいものだ……そんなふうに実感した男性はきっと多いことでしょう。というわけで今日は、男子はどんなふうに話をすれば、サラリとさわやかに女の子と会話ができるのかという問題について考えてみることにします。
まず、仕事や学歴、趣味の話をしただけで自慢……と受け取られてしまう場合には、大きな前提があります。それは、女子から聞かれてもいないのに、自分から話をはじめたというケースです。
初対面の女の子と一緒になった飲み会の席で、自分の勤めている会社の社封筒をおおっぴらに見せてツッコまれるのを待つ。仕事の場というわけでもないのに、名刺を配るのも、しゃべらなくても言ったも同然とみなします。
仕事上の付き合いで知り合ったというわけではなく、友人同士の飲み会や合コンといった場面で、女の子は相手の人となりをみようとしています。相手の男性に、やさしさや思いやりがあるかどうか? 性格のいい人かどうか? 冗談が通じる人かどうか? 場の雰囲気を察して盛り上げ役になったり、聞き手にまわったりできているか?
女の子はまず、男子のそういった性格をみようとしているのです。ですから、相手の仕事や学歴といった部分は、性格やその場の印象のあとで、親しくなってからでかまわないわけです。それなのに、男性にまずはそこから自己申告されて「さあ、オレが話したんだから、キミのも教えて」という顔をされると、どんなに立派な学歴や仕事も、自慢……と思われてしまうというわけです。
イケメンでなくても、おもしろい話ができなくてもいいのです。女の子の誰もが、イケメン好きで、話がおもしろい人を求めているわけではないのですから。まずは、肩書きぬきの、そのまんまの自分自身をみてもらいたいと思うようにするといいかもしれません。
仕事や学歴自慢とちょっとツナがっているのですが、専門分野の知識に関する話、自分にしかわからないような話題を延々とつづけてしまうのもよろしくありません。女の子に賢い自分、すごい自分をアピールしたい気持ちは、決して悪気があるわけではなく、子どものころの男の子っぽさの名残かもしれません。
ですが、相手の女の子は、同年代のひとりの男性としてあなたを見ています。かわいい女の子を前に興奮して、ついつい子どものころのように自慢っぽい態度を取ってしまっていた……なんてことには気づいてくれないのです。初対面の女の子と一緒になった飲み会の席などでは、話をする機会は今しかない。これで最後かもしれない……なんて思わないように深呼吸してリラックスしてほしいところです。
また、学生時代のおもしろかった出来事やよくみる夢の話など、相手の女の子が知らない人間関係で繰り広げられた話や、人には見ることのできない自分の夢の話をするのも、どうかな……と思ってしまいます。トークにおもしろさを求めていない女の子でも、だらだらととりとめのない話や、オチがどこにあるのかわからないまま続く話に、ずっと興味を持ち続けるのはむずかしいものがあります。
自分でも、話をしていて(あれ、この話はどこで終わりにすればいいのだろう)と気づいたときは、「ごめん、まあ、オチはないんだけど」と話を終わらせて、笑いにかえてしまうのがいいかもしれません。
その他、女の子のプライベートな問題を詮索するような感じで質問責めにする。自分のことをぶっちゃけてしまえば相手も話さざるをえないだろうとばかりにいきなり自分の個人的な話を打ち明けるのも、ちょっとどうだろうか? と思ってしまいます。
お互いに気が合って、親しくなってからでしたら、個人的な悩みや過去の恋愛の失敗なども興味がもてますし、話しやすいかもしれませんが、初対面やそんなに親しくない関係で質問責めにされたり、打ち明け話をされたりしても女の子は、返答に困ってしまいます。
女の子から、過去の恋愛について聞かれたら、聞かれたことにだけ答えるくらいで少しミステリアスな部分を残しておくほうが得策です。
といったことから、さらりとさわやかに会話をする男子になるためには、
◯女の子から聞かれたことにだけ答える。
◯仕事の話を聞かれたとしても「こういう仕事だよ」くらいにとどめておいて、むずかしくてややこしい話はしない。うんちくや専門的な説明は控えるようにする。
◯男のオレが話さないと! と責任を感じて、とりとめのない話でツナいでいこうと頑張らない。
◯女の子にぶっちゃけられたら、ちょっと引いてしまうような話題を、自分も持ち出さないようにする。
◯女の子を質問責めにしない。自分が聞かれたら困る質問はしないようにする。
こんなことに注意してみるといいかもしれません。もし、まずい……失敗してしまったかもと思ったときは、「あ、質問責めにしてごめんね。興味があるのがバレバレだね」とか、「あ、オレ今、熱く仕事について語っちゃう男になってたわ。途中でとめてよ」とかいうふうに、自分で自分をツッコんでしまうと、自慢や質問責めも「あ、なんだ、おもしろい人じゃない……」という印象に切り替わってくれるはずです。
ちょっと遠くからオレをみつめている自分を持つことができると、さらっとさわやかな会話のできる男子になれるはず。ぜひ、そこを目指してみてほしいなぁと思います。
酒井冬雪です。女の子の誰もが、話のおもしろい人や場をもりあげられる男子を求めているわけではありません。あまりしゃべらないけど、さりげなくチクリと的を射た鋭いことが言える人。黙っているけど、にこにこ周囲を温かい目でみている男子。そんな人を見抜ける力を女の子はもっています。場の中心でなくても、さらりと自分の役目をこなしている。そんな男子を応援したい気持ちでいっぱいです。では、またね。