新しい出会い、新しい人間関係、これまでの自分をリセットして、違う自分で勝負してみたい! そんなふうに考えて、ちょっと違うキャラを演じてみたり、いつもの自分ならしないような行動を取ってみたりしたあげく、何だかとっても疲れてしまった。そんな人が出没しはじめるのがこの時期です。

男性というのは、大変な生き物だなぁと思います。理想の男性像、女性から人気の高い男性像というものを少し考えてみてください。たぶん、女性だけでなく男性もほとんどの人が、同じようなことを頭に浮かべるはずです。

  • リーダーシップがあり、積極的

  • 明るくさわやかでハキハキしている

  • アウトドア志向

  • 運動神経がよく、男らしい

  • 社交的で、老若男女から人気がある

こんな男性、世の中にはあんまりいないのに、いいえ、いないからこそ、理想の男性像は「こういうもの」と誰もが思い込んでしまうのかもしれません。そして、それなら自分にないところを補ってみようと努力する男子が後を絶たないみたいです。

しかし、人見知りな男性が急に誰にでも声をかけてみたりすると、何だかぎこちなく不自然になってしまい、リーダーシップというよりは縁の下の力持ちタイプが先頭を切ってイベントを企画しても人が集まらずかえって落ち込んでしまい……と、人間関係はなかなかうまくはいかないものです。

その点、女性は気楽なもので、もちろん明るくてさわやかで誰からも人気がある女の子というものが存在はするでしょうけれど、

  • カゲがあって、ナゾめいた雰囲気が魅力的な黒髪タイプ

  • ショートカットで体育会系の元気女子

  • 小さくてかわいい、妹タイプ

  • 口は悪いけど心優しい、長女気質の姉御肌タイプ

  • 見た目は地味だけど、観察力にすぐれていて話すと面白い、味のあるタイプ

というように、さまざまなタイプの個性が競合せずに、上手に生きているように思えます。本当は、男性だっていろいろなタイプがいて、それぞれよいキャラを持ち合わせているのだと思います。それなのにせっかくのいい味を消して、違う自分をつくろうなんて思ってしまうから、すべてが空回りしてうまくいかずに疲れてしまうのです。

新しい職場に異動して、なんだか自分らしくもない、似合わないことをしてしまったなぁと思う人は、このあたりで一旦休息を取り、本来の自分でもぜんぜんイケるということ、漠然とした理想の男性像なんかには当てはまらない自分のいいところを再確認してみてほしいと思います。例えば、

  • 元気でハキハキではないものの、ボソッとつぶやくひと言が的を得ていて面白いと評判だった自分

  • スポーツは得意ではないけれど、地道なランニングのおかげで健康的になれた自分

  • インドア向きだけれど読書や音楽鑑賞が趣味で、自分の好きなジャンルには詳しく、またそうでないジャンルにもある程度広く浅く対応はできる

  • 手先が器用で、料理や手芸が得意

  • PCのことなら何でも任せてほしい、というくらいの知識がある

というように、わかりやすく「男らしい」長所ではないように見える長所がたくさんある、そんな男性はきっと多いはずです。女の子に女の子それぞれのよいところがあり、男性のほうにも好みのタイプというものが存在しているものだ……ということを女の子はキチンと肌身でわかっているのです。

ところが男性は、自分たちも同じようにそれがあてはまると自覚をしていなくて、「イケメンで男らしくて、運動神経がよくて、その上金持ちだったらモテるんだろう」と思い込んでいたりします。もちろん、そんな理想的な男性がいれば彼は非常にモテてしまうのかもしれませんが、それも一時的なこと。時間が経って、そのモテる男子の「好みのタイプ」が見えてきたら、女の子はちゃんと自分と合う人を探そうと落ち着いてくるものなのです。

ですから、男性も、

  • しっかりしているようで、ちょっと空気が読めなかったりするおっとり長男タイプ

  • 甘え上手な弟タイプ

  • 地味だけど頭がよくて冷静で、話してみるとすごくおもしろいタイプ

  • マジメで無骨な感じだけど、やさしくて一緒にいてホッとできるタイプ

  • ある分野に関してとても詳しいエキスパートタイプ

といった個性はキチンと女の子に評価されていて、女の子はちゃんと自分に合う人を探そうとがんばっているのです。ですから、ムリをして「違う自分」を演出しなくても大丈夫かと思います。

ただ、あまりにも女の子とコミュニケーションを取ることに消極的だったり、あまりにもぶっきらぼうだったりしすぎる人は、少し電話やメールにマメになろうと努力してみてもいいものです。また、あまりに服装や身なりに気を遣わないという人も、少しサッパリと清潔感に気を遣ってみてはどうでしょう。

休みの間に疲れを取って、いつもの自分を見つめなおしてみるといいかもしれません。いつもの自分は、十分魅力的な男性であるはずだと思いますので。

酒井冬雪です。私は本当に電話にもメールにもマメでないので、どうにかしたいなと思いながら今に至っています。だいたい、携帯メールを打つのもすごく遅くて一苦労なんですよね。では、よいGWをお過ごしください。