女の子のことを「怖い」「意味がわからない」という男性は多いものです。その理由をたずねると、「口では別にいいよと言っていたのに、後で怒っている」「言葉と行動が別物」というような答えを返してくる男性も多いものです。本当に、女の子はそんなにも言っていることとやっていることがそんなに違うものなのでしょうか。

男性は「女子は口でああ言っていても、本音が違っていたりして非常にやっかいだ」と思っていることも、女の子の側からすると、「口ではああ言っているけれど、本当のところは黙って察してほしいのよね」と、実は男子に想像力や察しのよさのようなものを期待していただけに過ぎない、といった場合が多いものなのです。

例えば、女の子が男性と2人で食事をしていたとします。彼が一生懸命に話しているので、女の子のほうはニコニコしながら彼の話を聞いていました。女の子は、ずっとガマンしていたけれど、トイレにいきたくなってしまった。だいぶお酒を飲んでしまったのに「トイレ」と切り出せずガマンにガマンを重ねて限界状態。なおかつ、酔って顔がほてって、お化粧が崩れていないかも気になっています。

そんな状態の女の子が、「ちょっと……」と席を立とうとしたのに、「えっ、どうしたの? どこに行くの? 」と聞くような男子。「そんな男性、いるわけないだろう」と思う男性もいるかもしれませんが、本当にいるのです。女の子が化粧室へ行こうと言葉を濁して「ちょっとごめんね」と立ち上がってみたら、「どうしたの? 」「何? 」と真顔で聞いてしまう男子って。

「ウソだろう? 」と思うかもしれませんが、女の子によっては恥ずかしくて男性に「トイレに行ってくるね」なんて切り出せないウブな人も結構いるものなのです。だから「ちょっとごめんね」と断りを入れつつ、トイレのほうをチラッと見て「行き先は言わないけど察して! 」という気持ちで席を立つわけなのですです。

それなのに、そんな乙女心を察することなく、「どうしたの? どこ行くの? 」「何? 」と真顔で聞いてしまう。そんな男子は後を絶たないわけです。そのくせ、女の子が、「えっと、ちょっとトイレに」と勇気を出して言うと、聞いた側の男性が慌てて「あ、あ、あああ。ごめん」と顔を真っ赤にする。言いづらいことを言わされた上に、こちらまで恥ずかしくなってしまうようなリアクションを取られてしまったら、「だから、こっちだって言葉を濁したのに」と女の子がプンプン怒りたくなるのも当然かと思われます。

にもかかわらず、「さっきまでニコニコしていたのに、なんで怒っているんだろう? 女の子ってワケがわかんない。怖い」なんて言われてしまったら、まったくもって困ってしまいます。まあ……百歩譲ってトイレ問題くらいのことは、いいとしましょう。

しかしながら、これがもっと他の問題だったらどうでしょう。いつもいつも女の子のほうからメールや電話で連絡を取っていて、彼氏のほうからは3回に1回くらいしか返事がない。それでも、けなげな女の子はメールには、「返事はいいからね」とか「いつでもいいから」と相手の忙しさを気遣うひと言を書き添えているかもしれません。

そのやさしい言葉に甘えて、彼女の気持ちを察することなく連絡にルーズになる。メールに返信をしないでいたら、ガマンにガマンを重ねてきた彼女から、「もういや、私ばっかり好きみたいで悲しい」とキレられてしまった。それで、「えええ? それならそうと言ってくれればいいのに。返信しなくて言っていたじゃん。メールに返信は毎回とかルール決めすればよかったの? 言ってることとやってることが違うじゃん」と思う男性がいたとしたら、それはやっぱり女心というものを察することができなかった男子のほうがよくないよね、と私は思ってしまいます。

また、男性が「デートはどこに行きたい? 」「ごはん、何を食べたい? 」と聞いても、いつも「どこでもいいよ」という女の子がいたとしましょう。すると、男性は「面倒くさいから、うちに来る? 」「家で何か作ろうか? 」と言って、いつも自宅でゴロゴロ。いつも彼女に何か作ってもらって食べる。そういう状況がずーっと続いてしばらくして、「いつも自分の家でゴロゴロするだけで、どこにも連れていってくれないじゃない」と彼女が言い出したときに、「ええ? だって、どこでもいいって自分が言ったんじゃん」と思う。「口ではそう言っておきながら、本心は違ったわけ? 怖いわーと」彼が彼女に対して思う。

そんな男性の言い分も、女性からみるといくら「どこでもいい」と言っていたからといって、30回中30回、彼の家でデート(ゴロゴロ)では、女の子としても自分が大事にされているのかどうかわからなくなる。結婚して10年の夫婦じゃないんだからさ、もうちょっとアチコチ出かけて、彼女のために頑張っているところを見せてもいいのに……と言いたくなってしまいます。

それに、いつもいつも彼の意見、彼の希望に合わせてあげるやさしい彼女に対して、感謝やありがとうの気持ちをこまめに伝えていたのかな。人間誰だって、認められたり、ありがとうって言われたりしないと、やっていけないもんじゃないの、とも言いたくなるわけです。

女の子を「怖いわー」「言ってることと違うわー」と思う前に、自分は相手の女の子の気持ちを察してあげようとしていたか。女の子が本当のことを言いづらいような状況をつくっていなかったか。ガマンさせていないか。女の子のために、そんなことを考えてあげてほしいなと思います。

そうすると、きっとそれが「察し」につながっていくはずです。察しのいい男子が増えてくれると、女の子も言いづらいことをわざわざ口にしなくて済むようになるので、ぜひ頑張ってもらいたいところです。

*  *  *

酒井冬雪です。とは言うものの、女の子もわかりづらそうなことは言ってしまう。男性は、わからないなと思ったら単刀直入に聞いてしまうほうが話が早いような気がします。 トイレは……ねぇ、言わなくてもぜひとも察してもらいたいですけど。では、またね。