離れてみて初めて、「ああ、自分はあの人と気が合っていたんだな。あの人のこと、思っていたよりも好きだったんだな(恋的でも友的でもどちらでもよい)」と気付くことってあると思います。もちろん、その人とある程度仲良くしていて、連絡を取り合う手段は持っていた……というのでしたら、後から「もっと仲良くしておけばよかった」と思っても、大丈夫。離れてからでも、連絡を取り合って、もっと仲良くすればいいことです。
しかし、離れてから初めてその人の大切さに気付いた。気付きはしたものの、個人的に連絡を取り合う手段も何もなかった、ということもあるかと思います。何かにつけて、「あっ、今ここにあの人がいてくれたら、一緒に目と目を合わせて笑ってくれただろうに」とか「あの人がこの場にいたら、きっとこの気まずい雰囲気でも、何かおもしろいことを言って場を和ませてくれたんだろうな」という風に思い出してしまう。そんな自分に気付いてはみたけれど、特に何もしないまま心の片隅にどこか寂しい気持ちを抱えたままでいる。離れてみて初めて気付いた大切な人の存在って、そういうものだったりします。
そもそも、どうしてこんなことになるのかというと、普段からあまり人付き合いに積極的でなかったり、社交的ではなかったりするからではないかと思われます。例えば、学校や会社や何かしらの出会いの場で親しくなった人がいたとしても、こちらからわざわざメールアドレスを聞くことはほとんどない。いつも、付き合いが長くお互いのことをよく知っていて、なおかつ結構社交的な友人と行動を共にしているので、よく考えてみると、人付き合いに関しては友人任せな部分があるかもしれない。そんな友人がいるため、知り合う相手も共通していて、自分が連絡先を知らなくても友人は誰の連絡先でも知っている。もし連絡を取ることがあっても、その友人がイヤがらずに代わりに連絡してくれる。
このように、あまり社交的ではない人にはなぜか社交的で積極的な友だちが必ずいて、苦手なことを肩代わりしてくれたりするものなのです。男友だちや男子の先輩後輩関係ですら、こんな風なのです。これで、相手が女の子となると、ますます敷居が高くなるような気がして、「メールアドレス教えてくれる? 」といった言葉をさらっと言えようはずがありません。
また、社交的でない人の困った特徴として、女の子が向こうから「メルアド教えてくれる? 」と聞いてきてくれたら、それには答えはします。しかし、自分から「メルアド教えて! 」と聞いてくれるような積極的で元気な女の子は、あまり好みではない……とか。そんな贅沢なことを思う人が多いのも、社交的でないタイプの特徴です。
そういったタイプの男性は、どうしても同じようなあまり社交的でないシャイな女の子、「メルアド教えて」なんて女の子同士でもめったに聞けないタイプの女子を「いいな」と思う傾向があるのです。そのため、お互いの連絡先交換などもなかなかできず、多少気が合うなと思っても、仲良くなったとしても、「あっ、そうだ。今度メルアド聞いておこう」「あっ、メルアド聞こうと思ってたのにまた聞くの忘れちゃった」ということの繰り返しだったりするのです。そうして結局、異動や卒業や転勤、引っ越しなどがあって離れ離れになってしまい、後で「あのとき、連絡先を交換していればよかった」と後悔することになるのです。
そういった後悔を避けるためにこれからどうすればいいのかというと、やはり、恋的でも友的にも「気が合うな~」「好きだな~」と思う人と出会えたときは、すぐに「メールアドレスを教えてくれる? 」くらいのことは聞いておくべきだと思います。女性の側からたずねられると「そういう積極的な人は……」と思ってしまう自分を知っているのでしたらなおのこと、男性のほうから自分から女の子にたずねなくてはなりません。
メールアドレスを交換しても、所詮マメでない自分、返信を忘れてしまう自分がいるかもしれません。そんな自分にも気付いているのでしたら、なおさら1つひとつの出会いを大切にし、連絡先を交換するチャンスを逃さないようにしてほしいです。そして、マメでない自分がいたら、気が合う女の子にだけでもせめて少しはマメになってみる。一行メールではなく、少し長めのメールをがんばって書いてみるようにしてほしいものです。
そうすると、次からの出会いを離れてしまったらさようなら、ではなく、細くても長く楽しい付き合いに変えられるかもしれません。これからの出会いは、ぜひとも大事にしてください。
3月11日の東北地方太平洋沖地震により被災されたみなさまに、謹んでお見舞いを申し上げます。あらためて、人と人とのつながりの大切さを実感する日々です。震災から3週間が経ち、自分にとっての必要なものなど変化してきていることと存じます。変化に対応できる柔軟な心を持ちつつ、引き続き、自分にできることをやっていきたい気持ちでいっぱいです。 酒井冬雪