男性は心が広く、やさしい人が多いので、あまりこの定義があてはまらないかもしれませんが、女の子の中には何となく、「ものすごく仲がいいわけでもなかったら、土日など休日にメールや電話などをしてはいけない」というような暗黙のルールを自分に設定している人がいます。女の子は勘がいいので、自分は休日でもメールも電話もOKよ! というタイプだったとしても、そういった女子と知り合いになった場合は、相手に合わせて臨機応変に対応することができます。
実を言うと私は、大変ズボラな性格です。電話はかけないし(苦手という部分もある)、メールに返信するのをうっかり忘れるといったこともよくあります。しかし、自分がズボラな分、知人や友人がズボラでも一向に気にしない。土日・休日や、夜中に電話やメールをもらっても構わない、という心の広さも持ち合わせているわけです。ところが、几帳面でマジメで女の子らしい性格の持ち主(うちの妹とか)だと、携帯メールにすぐさま返信しないと速攻で「返信こないけど? 」とまたメールを送ってきたりします。また、土日や休日にメールを送ってきた人を「そういうのって失礼じゃない? 」と言ったりもします。
最近私が知り合ったSEのKちゃん(30才)とメルアドを交換したとき、「私、メールに速攻、当日中とかに返信がこないからって、キレたりするタイプじゃありませんから。翌日とか、翌々日の返信でもぜんぜん大丈夫ですから。休みの日も、時間があったら連絡ください。そういうこと気にしないでくださいね」と言ってくれました。しかも、そうは言いつつ、Kちゃんは私のメールにはすぐに返事をくれるし、とても気配りのできる女の子らしい人なのです。それでも、あの言葉で私は肩の荷が下りたというか、そうか、こういうふうに先回りで言ってしまう手もあるんだな、とKちゃんに確かな女子力を感じたのでした。
さて、男性のみなさんからすると、酒井はさっきから何を言っているんだ……と言いたい気持ちかもしれません。遅くなりましたが、男子のほとんどが、
女子には、メールをすぐ返信しないだけで「こういうキチンとしていない人とは付き合いたくない」と思う子がいる、という事実をわかっていない。
休日は、彼氏や家族と楽しい時間を過ごしているので、そんなに親しくもない人からのメールに返信をする余裕はない。だから、休日に連絡を取ろうとしてくる人は失礼、と考える女子がいることを知らない。
と言いたかったわけです(もしかすると男性の中にも、こういった考え方をしている人がいるかもしれません)。こんなことを言うと、「やっぱ女子、怖ぇ~。オレ、全然そんなの考えなしで、休みの日にメールとかしちゃってたよ。つーか、休みの日しかメールとかするヒマないんだけど」と青ざめてしまう方も、きっといることでしょう。とはいえ、私はそういう女の子が怖い、よくないとは思っていません。誰でも、自分の中にルールを設定していて、たまたま几帳面な女の子はこういったルール設定をしている場合が多いというだけだと思うからです。
友人や知人、付き合いの長い彼女や親へのメールには、返信が遅いのに、仕事や趣味の相手には速攻で電話や返信ができる、という男性は多いはずです。それは、彼の中にメール返信スピード優先順位が設定されているからかもしれません。もしかすると、本当はマメではないのに、仕事や趣味の場面ではがんばってマメな男という設定になっているが、プライベートまでそのパワーを回せない。つまり、ペース配分がうまくできていないのかもしれません。
先ほどのように「彼からメールにすぐに返信がこないわ! 」と怒ってしまう女の子は、どちらかというと、仕事よりも彼氏や友人、家族など、プライベートを最優先にしているわけです。大事に思っているからこそ、連絡が取れないことや返信がないことにイラ立ちを覚えてしまうのかもしれないのです。こういった女子が何かと連絡を取り合わなくてはいけない事情がある単なる知り合いや、そんなに親しくもない女子だったりすると、今後の付き合い方に関して「怖ぇ~」と言いたくなる気持ちもわかります。
ですが裏を返してみると、彼氏や家族を最優先で考えている几帳面な女の子が、自分の彼女になってくれたら、とても愛情深くて、誠実で、不義理をしない恋人になってくれるはずです。また、女の子というものは、好きになってしまえば、彼氏がズボラだろうが、気のきかない人だろうが、一向に気にならないものです。
「もう、本当にだらしがないんだから」とプンプン怒りながら、ズボラな彼のフォローをしてくれたりもするのです。彼女にするなら、ぜひともマメで几帳面な女の子を、とおすすめしたいくらいです。ただ、こういったタイプの女性がクライアントにいたり、友人の彼女だったり、微妙な関係にいるのでしたら、仕事や大事な友だちを失わないためにも、ぜひ相手のルール設定に探りを入れて、なるべくあわせられるようにがんばってみましょう。そうすることで、あなたの生活から確実にストレスが減りますし、いろいろなことがスムーズになると思いますので。
酒井冬雪です。神経質で几帳面な妹も、私というズボラな姉のおかげで「かなり、色々なことにやさしくなれた」と言います。そういえば20才くらいの頃は、待ち合わせ場所に5分遅れていっただけで、怒って帰ってしまっていたっけ、妹よ。
今では正当な理由(電車の遅れ等)なら、遅刻も許してくれます。でも、いまだに新幹線や飛行機に乗るときは、1時間前に待ち合わせです。以前、東北新幹線に乗る際、ホームで会えないまま電車が発車し、妹がパニックに陥っていたところ、ギリギリセーフで他の車両から乗り込んで「ごめん、ごめん」と平気な顔で歩いてきた私の姿を見たことがトラウマだとか……。こうやって書いていると、ひどい、私。駅弁で許してくれてありがとう、妹。では、またね。