クリスマスです。特にイベントに興味がない方にも、彼女からクリスマスプレゼントをもらえそうな人にも、気になる女子と出かける用事がある人(2人でも、大勢でも)にも、家でのんびりする人にも、メリークリスマスです。と、一応、言っておきます。

そして、今年も残すところ数日となりました。私は毎年、年末に今年の反省……を1人、心の中でしております。新年早々反省をするより、前の年に反省をしてしまって、新しい年は気持ちを切り替えたい、と考えるからです。というわけで、とりあえず今のところクリスマスの予定がないという男子は、新年にならないうちに、今年の反省をしてしまうことをおすすめします。今日、もしくは明日と楽しいことが待ち受けていて、友人や気になる女子、彼女とイベントを過ごす人は、今年の反省なんてお正月以降でいいですけれど。

読者の方は、20代、30代の方も多いと思います。人間、おじさんやおばさん、おじいさん、おばあさんになると、多くの人は「今の若い子はなってない」的なことを言いたくなってくる。でも、私は常日頃から若いっていうのは大変なことだと考えています。

もちろん、誰もが通ってきた若さゆえの大変さがあります。思春期の悩み、仕事の悩み、友達の悩みや恋愛の悩みも、15才の悩み、18才の悩み、22才の悩み、25才~26才の悩みや29才の悩みも、何となく時代は変わっても同じような傾向で存在しているものだったりするのです。ですから、年長の人が若い子の悩みを聞くと、「ああ、今はそういう時期だよな。この壁を乗り越えると、楽になれるんだよ。がんばれ」と気持ちを理解できたりするわけです。

ここで私が言いたいのは、そういった若さゆえの悩みではなく、現代社会において20代であること、30代であることの悩みなのです。例えば、コミュニケーションの方法が劇的に変化した今、若いということは大変さにもつながる気がするわけです。私は、どちらかというと、コミュニケーションを取ることが苦手で内向的な性格ですので、メールの普及をとてもよろこんでいるタイプの人間です。しかし、誰もがみんな「会わず」「話さず」コミュニケーションを取ることをよしとしているわけではないとも思います。非社交的で家にこもって仕事をしている私だって、時には誰かと話したい、と思うことがあったりしますから。

特に、男子のみなさんは、女子から見ると男同士で意味不明におしくらまんじゅう状態でくっついていたり、しきりにツルんで一緒にいたりという楽しさを満喫したい傾向が強いような気がします。体育会系で野球やサッカー、ラグビー等の団体競技を経験した男性は、本能で「くっつき状態」を選んでいくのかなぁと思ってしまいます。

「そんなことはない、俺は1人でも平気だぜ! 」という孤独に強い男性もいらっしゃるでしょうけれど、そうでない人、ロマンティストでちょっとさみしがり屋さんな男子のほうが、どちらかというと多数派にみえるのです。

本当は会って話したいのに、インターネットやメール等、会わず、話さずにコミュニケーションの取れるツールがたくさんできてしまった。そのため、「会う」「電話で話す」ことのハードルが、いつの間にか高くなってしまった部分があったりします。

相手を気遣ってしまう人や繊細な人ほど、何となく相手に遠慮をし、急に友だちを呼び出したり、とんでもない時間に電話をかけたりといった若いときだけ許されるような行為もできずにいる人が増えたように思えます。ですから、女の子と付き合うといっても、2週間に一度か、1カ月に一度会うくらいで、本当は「会いたい」と思ったときも、何だか遠慮して言い出せず、「そんな風に思う自分は勝手な人間なのか? 」と悩んでしまう。そんな悩みを抱える人が、男性だけでなく女性にも多くなっているのです。

「会いたい」気持ちが大きすぎると、「重い」と思われてしまうんじゃないか。何度も電話をすると「しつこい」というレッテルを貼られてしまうんじゃないか。相手も忙しいのに、時間を割いてもらうのは迷惑なんじゃないか。

心配ばかりが先に立って、気持ちをおさえてしまう。どうやってバランスよくメール、電話、会うといったコミュニケーションを取ればいいのかわからなくなってしまう。そんな人が増えているのです。

もちろん、あんまりしつこすぎたり、相手の生活パターンも考えず色々な時間帯に電話やメールをしたり、本当に忙しくて遠くに住んでいるのに「会いたい、会いたい」を連発するのはよくないと思います。でも、若いときは少しくらい図々しく、ちょっと遠慮せずに「会いたい」と言ってみても、ただ「声が聞きたかった」と電話してみてもいいのです。

そうして失敗したり、やめてと言われたり、色々な経験を積んで、あの子やあの人との間でのちょうどいいバランスが掴めればいいのだと思います。まずは、相手の立場や、相手の置かれている状況を知ろうとする、理解しようとする気持ちを持つ努力をする。そこからはじめて、自分の願いを素直に言葉にできるようになればいいのです。

今年の反省が、気になる女子とほとんどコミュニケーションが取れなかったこと。そんな風に思う人がいたら、ぜひ、来年は相手のことをもっと知るためにも、話しかけて仲良くなって、メールや携帯番号を教えてもらうようにがんばってみてほしいところです。人と知り合うこと、コミュニケーションを取ることのハードルを上げすぎないで、わからないことは相手に直接聞きながら、少しずつ親しくなれればベストです。

今年のクリスマスは家でゴロゴロしていた。そんな男子は、来年こそはぜひとも、遠慮せずに「会いたい」と言える、そんな女の子と出会えることを願っています。よいお年をお迎えください。

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酒井冬雪です。クリスマス、私は余裕で家でゴロゴロしています。そんなことじゃいけないと思い、予告です! 本連載ご愛読の皆様に感謝の気持ちをこめて……、今年は、じゃなかった、来年は1月1日元旦、新年早々から連載更新です。編集Hさんの粋なはからいです。お楽しみに!!