「ごめん」と言えない。そんな自分がいることを知っている。もしくは、友人や彼女から「自分が悪くても、絶対にあやまらないよねー」と言われたことがある。そんな男性はとても多いものです。「ごめん」が言えない人は、たいてい「ありがとう」が言えないのもセットになっている場合が多いものです。
それじゃあ、友人や彼女に何かしてもらっても「ありがとう」と言えず、相手に負担をかけてしまったり、悪いことをしてしまったりしても「ごめん」と言えない。「ちょっと困った君」と周りからは見えていると思います。とはいえ、そんな困った君の周囲にいる友人や彼女は、とてもやさしくて寛大な人が多く、素直になれない友だちや彼氏のことを「しょーがねぇなー」「思ってることを口にできない不器用な人なのね」と思い、あきらめているというか、そんな欠点もひっくるめて好きでいてくれたりするものです。
とはいえ、人間関係と言うものは、晴れのときもあれば雨のときもあるもの。なかなか、いつ、どんなときでも順風というわけにはいかなかったりするのも事実です。ケンカをしたとき、よくないことが起きたとき、アクシデントがあったときなどは、どんなにやさしくて心の広い人だって、気持ちが落ち込んでやさしさや余裕を持てなくなってしまうことがあります。また人間は、そんな状態のときに、たったひと言だけでも「ごめん」「ありがとう」「大丈夫? 」とやさしい言葉をかけてもらうと、その言葉に救われることだってあるのです。
口ばかり達者で、実際にはナマケ者で何もしない男子が、なぜだかモテてしまったりするのがいい証拠です。
もちろん、甘い言葉や口先だけのセリフに惑わされて、実態が見えていないだけ、と思う人もいるかもしれません。しかし、言葉というものには、それだけの重みがあります。感謝している気持ち、申し訳ない、悪いと思う気持ちを「ありがとう」「ごめん」と表現できるのとできないのとでは、人間関係がスムーズにいくかどうか、大きな違いを生んでしまうものです。
友人や彼女だって、調子のいいときや元気なときは「ごめん」「ありがとう」を言えないあなたを「仕方ないな」と受け流すことができても、元気でないときは「ごめん、くらい言ってくれてもいいのに」「感謝してほしくてやってるわけじゃないけど、ありがとうくらい言ってほしい」と思ってしまうことがあるのです。「ごめん」「ありがとう」のたったひと言で、相手の気持ちをほぐし、彼女が心を開いてくれるのなら、やっぱり、そのひと言を言えないより、言える人になったほうがいいよねと思います。
とは言うものの、素直に「ごめん」「ありがとう」が言えないのには、それなりに理由があるはずです。
ごめんと言ってしまうと、負けを認めたような気になる。
ごめんと言うと、相手に弱みを見せることになる。
プライドが高いから、ごめんとは言えない。
向こうが勝手にやったことだから、ありがとうと言わなくてもいい。相手もありがとうを言ってほしくて何かをしているわけではないはずだから。
ごめんと言わなくても、相手は自分の気持ちをわかってくれているから大丈夫。
1~3に関しては、負けたような気持ちも弱みを見せたような気持ちも、プライドがキズつきそうな気持ちも、ほとんどあなたが1人でそう思うだけで、友人や彼女はそんなことちっとも考えていません。そもそも、あなたを負かしたり、プライドをキズつけたりするような人が、恋人や友人になっているはずがありません。
弱みは……、確かに少し見せてしまうかもしれないけれど、それで相手があなたの弱みにつけこもうとか、弱い部分を見て「ひーっ、ひっひっ」と意地悪な顔をするわけでもないはず。むしろ、いつもは強くて賢い相手が、弱みをみせてくれることで、やっぱり自分は頼られている部分もあるんだな、彼には私が必要なんだなと安心できるに決まっています。
プライドの高いあなたも、ぜひちょっとくらいは弱みをみせてあげて「ごめん」と言ってあげてほしいところです。
さて、4と5に関してですが、自分が相手からそんな風に思われていたらどう感じるでしょう。彼女にプレゼントをあげたり、色々な面で手助けしてあげたりしているのに、ありがとうを言ってもらえない。それどころか、彼女的には「感謝してほしくてやってるわけ? 」「ありがとうって言われるのを求めちゃってるわけ? 」なんて考えていたりするのです。
また、約束を破ったりドタキャンしたりしても、「彼なら事情をわかってくれる」「何も言わなくてもガマンしてくれる」と思い、「ごめんね」も言わないのです。そんなことをされたら、「困ったちゃんだなぁ。つーか、人としてどうよ? 」と言いたくなるに決まっています。自分がされてしまったらイヤだな、つらいなと思うことは、人に対しても、特に大切な友人や恋人にはしないほうがいいよねと私は思います。
「ごめん」のひと言で、自分の周りにいる大事な人たちとの関係が、永続的に、スムーズに楽しくいくのだったら、頑張って「ごめん」と言ってみるのもいいことです。どうも「ごめん」と言えない自分がいるという人は、最初は「……ムニョムニョ」とか「ほへん」とか「ほーも、ふみはへんでした(どうもすみませんでした)」の状態でもいいので、ごめんっぽいことを言ってみる練習からはじめてみてほしいところです。ごめんと言える男子は潔いし、カッコいいと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。
酒井冬雪です。「ごめんね」「ありがとう」を使いすぎるタイプです。幼い頃から、ボーッとしている私に、母及び小さいけれど気がきく妹の二人が「ありがとうは? 聞こえなかったけど」と連呼されたせいかもしれません。とりあえず「ごめん」「ありがとう」って言っておこうと、おざなりにならないよう非常に気を付けています。
一気に寒くなりました。風邪などひかないようくれぐれもご自愛ください。では、またね。