恋愛と言われると「自分には縁遠い話だよな」とか「今はそういう気になれないんだよ」とか「出会いを求めるのも億劫だし」とか、とにかく「まだいいや」という方向にいってしまう人、けっこうたくさんいるはずです。
そもそも、どうして世の中には恋愛、恋愛とやっきになっている人がいるのか、そういう人の気持ちがわからない。
「彼女いないの?」「(恋人を)つくったほうがいいよ」とアドヴァイスだかおせっかいだかをしてくる人の気が知れない。世の中は誰もが恋愛至上主義というわけではないぞ、と心の奥底で考えている人も、本当はけっこういるはずです。
しかし、「恋愛しようよ」と彼女をつくる努力をしろ的な話を持ちかけてくる人に対して、反対意見を述べられず、
「うん、そうだね……」とお茶を濁すぐらいの返答しかできないのはどうしてなのでしょう。それはたぶん、愛や平和や善意、選挙へ行ってきたか、親にやさしくしているか……といった問題に対して、たいていの人は否定的な「No」を言えないという大前提があるからだと思います。
恋愛はいいこと。彼女がいるのは体にも心にも健康的でよい影響を及ぼす(たぶん)というようなことを言われて、「そんなのどうでもいい」と言える人はなかなかいないはずです。
というわけで、彼女いない歴○年、○○年という人に対して、「彼女つくらないの?」「恋愛しようよ」と助言をする人は後を絶たないのであります。
でも、それじゃあ聞いてみたいものです。「恋愛って、しようと思ってできるものなの?」「彼女つくろうよって、つくろうとしてつくれるものなのか?」と。
ついつい↑↑↑上記のようなことを考えてしまう人の特徴について考えてみましょう。
- 今にして思えば、中学、高校生時代から、異性に興味を持って親しく付き合おうと努力をしていたクラスメイトがいたが、自分は同性同士の付き合いや趣味に没頭しているばかりだった。
- 女子(男子)って面倒くさそうだな。女子(男子)ってうるさいな。女子(男子)って××だな。と、横目で見ながら思っていたフシがある。
- ハッと気付いたときには、親しい友人たちみんなに彼女(彼氏)ができていたりして「えっ、オレ(私)だけいつの間にか取り残されてた。っていうか、みんなオレ(私)といっつも遊んでいたのに、恋人をつくるヒマがどこにあったんだろうか」と思ったことがある。
こういった思い出のある人は、もともと奥手ちゃんといいますか、異性に興味を持つよりも、気の合う同性同士でツルんで楽しくやっていくことを優先してきた人だと思います。……いいことです。私はそういうタイプの人が好きです。
しかし、裏を返して考えてみましょう。あなたは、同性同士の付き合いをルンルン楽しんでいた間、異性を知る時間、異性を知ろうとする努力のようなものをほとんどしていなかったということになります。
自分と同年代の女の子(男子)が、どんなことに興味を持ち、何を大切にして、何に対して「イヤだ」と思うのか、そういったことを観察、分析、研究する時間をあまり割いてこなかった……というわけです。
もちろん、それなりに恋愛をして、ひとりか2人、3人くらいの女の子と付き合ったことがある人もいることでしょう。
しかし、彼女いない歴○年で、身近に女の子がいない状態が長くつづいている。なおかつ、仕事や学校でもあまり女の子と接する機会がないとなると、その間、またまた女の子というものを知る時間を割いていない状態に陥っていることになるわけです。
もともと、異性に対して興味津々という性格でもないうえに、そんな状況がつづいていたのに、いきなり「恋愛しようよ」とか「彼女つくりなよ」と言われるということは、
「エベレストに登ってこい」とか「サッカーの試合でブラジル代表と対戦してきて」とか言われるようなもの(ちょっと違うか)です。
恋愛は「しようよ」と言われてできるものでもありません。恋愛って、どちらかというと「する」というより「やってくる」ものかなと思います。
ですが、恋愛がいつ「やってくるか」は読めないはずですから、できるだけの準備というか、心構えをしておくにこしたことはありません。
今、恋愛する気分じゃなくても、彼女つくる気がなくても、少なくとも、女の子の友だちがいる。なんでも相談できる女性の先輩がいる。自分にはあまり興味がない女の子のおしゃべりにも聞き上手になって耳を傾けてみる。というようなことを日ごろからやっておいてもいいんじゃないかなと思うわけです。
思い起こせば、若いころから恋愛に奥手だった。同性との付き合いを楽しむことばかりに重点をおいてきた……という人は、ぜひ、女の子の友だちをつくってみる。同年代の女の子と話すようにする、といったことを少しずつ積み重ねておいてほしいものです。
そうすると、いざ恋愛がやってきたときに、女の子情報ゼロの状態で対応するという、むずかしい状況はさけられるはずです。
今、恋愛する気はなくても、恋愛する前の準備運動はしておいても損はないものです。ぜひ、今からはじめてみてほしいなと思います。
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酒井冬雪です。私は奥手ちゃんでした。奥手すぎて、男子というものを知らなさすぎて、大人になってからイロイロととまどいました。モテる友人が、男子というものを見つづけ、研究しつづけていた時間分、私はサボっていた……といってもいいかもしれません。サボったぶんのツケを払うのはタイヘンです。今から勉強しておいたほうが後が楽ですよね。私も、まだまだ勉強中です。では、またね。