「やさしくない!」と女の子から言われてしまった。そんな経験のある男性は、きっと少なくないと思います。

それでは、どんなときに「やさしくない」と言われてしまうのかというと、

  • 彼女からのメールにあれこれと悩みながら返信をしたとき。
  • 彼女を連れていってあげようと、おいしいイタリアンのお店を調べて連れていったとき。
  • 二人で会っているとき、自分としては、しゃべらずに、ただ黙って沈黙しているのも心地いいなあと思っていた矢先。
  • デートにドライブをして、人ごみをガマンして観光地めぐりをしたとき。
  • 久しぶりに二人で会えたので、共通の趣味の登山のため、買い物に出たとき。

など、男性的にはやさしくしているつもり、気分がいいとき、がんばったつもりのときでさえも「やさしくない」と言われることがあるとわかります。

しかし、男性のみなさんにとっては「寝耳に水」な状態で「やさしくない」と責められ、ショックを受けたとしても、詳しく話を聞き、女性の立場からその状態をながめてみると「それは、やさしくない……と言いたくなる気持ちもわかるよね」ということがけっこうあるものです。

たとえば、彼女からのメールへの返信。男性のあなたからすると、

(相手は女の子だしなぁ。やっぱり、いつもの男同士の素っ気ない返信じゃダメなんだろうな。何か気のきいたことを書いて、自分のいいところをアピールできたほうがいいんだよな)

と悩んでしまうところかもしれません。しかし、あまり考えすぎて、悩みすぎてしまって、何度もメールを打ち直すものの「これじゃ、まずい」と思い、とりあえず書きかけのメールは下書きに保存して、急ぎの仕事に戻ってしまう。

すると、その夜はつい、メールの返信を忘れてしまって、翌日のランチタイムに、

(あっ、彼女に返信してなかった)とあわてて思い出し、あまりメールの内容を吟味する時間もないまま返信してしまう。もしくは、悩むばかりで返信を先延ばしにし、気が付いたら彼女に返事をするのが2日後、3日後、1週間後になっていた、なんていう男子も後を絶たないわけです。

こういったことを何度も繰り返してしまうと、すぐに返信してくれない上に、相変わらず素っ気ないメール……「やさしくない」と女の子から言われてしまっても文句は言えないような気がします。

メール問題と同様に、有名なお店や隠れ家的なお店に彼女を連れていってあげようと気付いたのはいいものの、お店の場所を詳しく調べていなかった。予約をしていなかった。そのせいで、ハイヒールの彼女をグルグルと歩き回らせ、疲れさせたあげく、たどり着いたお店は混雑していて1時間待ち……という結果になり、足を痛めておなかのすいた彼女を不機嫌にさせ「やさしくない」と言われてしまうこともあるかもしれません。

また、二人でいることに慣れてしまって、あまり話もしなくなっている状態も、男性にとっては「オレ達って、のんびり落ち着いていて、ほのぼの系だよね」と思っていても、女の子は「マンネリ。私のことなんて、もうあんまり好きじゃないのかも。だから、やさしくなくなったんじゃないの」と密かに考えている……なんていうこともあるのです。

さらに、女の子のほうが相手にあわせて、ゆずることのできる人だった場合、実は付き合っているときから、彼と共通の趣味を「あわせて」あげてきただけ。二人で登山をしているけれど、やればやるほど「私はあまり好きではない」ことがわかってきたものの、彼に悪くて今さら「イヤ」とも言えない。

どうしよう、と悩んでいたところ、久しぶりの外出デートがまた、混んでいる登山用品店のハシゴだんなんて……ひどい「やさしくない」と怒りが爆発してしまう、というようなこともあったりします。

ごはんを食べに行くとき、外出するときに「どこでもいいよ」という女の子は、こういうタイプに当てはまる確率が高いかもしれません。

それでは、男性はどうすれば「やさしくない」と言われずに済むのかというと、それはやっぱり面倒でも、女の子の話、意見を聞いてお互いが納得できるカタチを取るようにする。

そして、女の子に対しては「今は迅速な対応を求められている」「答えを求められているわけではない。話を聞いてもらいたがっているだけだ」というようなことを瞬時に察する、男性ならではの野性のカンを鍛えてほしいなと思います。

女の子の話や意見を聞く……というのは面倒だぁと思う男性もいるかもしれません。

が、大切な彼女、大好きな彼女のことだったら、どんな些細なことでも興味・関心を持てるはず。恋したばかりのころは誰もが持っているその気持ちを忘れず、彼女を「ちゃんと見ているよ」ということを伝えつづける努力をしてほしいものです。

最後になりますが、男性は誰しも野生のカンを持っています。私が思うに、その「カン」を男性同士には発揮させて、密かに使っているのに、女の子には今いち使いこなせていない人が多いような気がします。

特に、賢い男性ほどアタマであれこれ考えすぎてしまって、対応がそのぶん遅れてしまう傾向がありそうです。素っ気ないメールもスピーディな返信でしたらOKだったりもします。

ぜひ、自分のカンを信じて、アタマではなく心の思うままに行動することもやってみてほしいです。それができると「やさしくない」なんて女の子から言われて、ガーンとショックを受ける機会もきっと少なくなるはず、と思います。

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酒井冬雪です。とはいえ、女の子は「やさしくない」と言ってみるのを武器にしているフシもなきにしもあらずです。本気なのか、半分冗談なのか、そのあたりを見極めて、あまりクヨクヨしない。やれやれ……とあきらめる技術を身につけることも必要かもしれません。相手によっては。では、またね。