なんとなく恋愛がはじまってしまった。自分はそんなつもりというか、積極的に彼女のことを好きというわけでもなかったのに。

そんなふうにはじまる恋愛もときにはあるものです(今のところ、そんな経験はないぞ! という人には、いつか同じ経験があることを祈ってます)。

10~20代の恋愛事情をリサーチしてみると、約7割弱が「女の子のほうから告白」して交際がはじまっているというデータもあるほどです。

オレ的には、特に好き! というわけではなかったんだけれど、向こうから押されて、言い寄られて付き合うことになった。そんな恋愛をしている男性も増えているかもしれません。

女の子のほうから来てくれるなんて、恵まれています。うらやましい限りです。

とはいうものの、男性に限らず女性もそうだと思うのですが、人間というものはどういうわけか「追っている」ときは一生懸命なのに、「追われる」側にまわるといきなり冷静で客観的になってしまったりします。

特に、恋愛という場面においては「大好き=追う側」と「とりあえず付き合ってみた=追われる側」とでは、気持ちや無我夢中さに温度差も出てきてしまうものです。

そんなわけで、女の子のほうから告白されて、好きと押されてはじまった交際をすると、どうしても男子は相手の女の子を冷静に、ときにはシビアな目で見てしまうことになりかねません。

たとえば、ふたりで電車に乗っていて、ふと、アップに結った髪の下の、彼女のうなじを男性のあなたが見下ろすことになったときに、彼女のうなじのラインがなんだか自分の好きなカタチではなかったとか。

がんばったメイクのアイシャドウがぼかしきれていなくて、ちょっと浮いているとか。

裏表のないハッキリした性格のいい子だと思っていたけれど、何でもさっさと自分で決めてしまい、相手の(オレの)気持ちを考えないところがあるんだなと気付くとか。

デート中、やたらとハイテンションで大声で話したり笑ったりするので、周囲の目が気になり恥ずかしい気がするとか。

なんだかんだとマイナスポイントを見つけては、マイナスを数えてしまう。追われてはじめた恋愛というのは、どうしても、そんなことをしてしまう傾向にあると思います。

特に男性は本来、心の奥底では「自分の好きな人を追いかけたい」「自分の力で、自分の手で努力して恋人を勝ち得たい」といった気持ちが強いのか、追われる側ではじめた恋愛に、やけにシビアになってしまうような。特に、アタマのいい男性ほど、そういった部分があるような気がします。

そう考えてみると、自分ももともと彼女が好き、自分も片想いしていた女の子から告白されてはじまった恋愛なら、マイナスポイントをみつけても「そんなところもかわいい」と思っていたりするかもしれません。

そういうわけかどうか、追われる立場ではじまった恋愛は、

(やっぱり……なんだか思っていたのと違う) (言葉ではうまく言えないけど、なんだかしっくりこない。合わない気がする)

ということになり、なんとなくフェードアウト、自然消滅という終わり方も少なくはないようです。

そこで、やっぱり次は自分が好きになった相手に告白をしよう。好きな女の子を追いかけよう……と思ってくれると、女性サイドはとても助かるし、すごくうれしいところです。

しかし、プライドが高く「ふられたらプライドがキズつく」と考えてしまう男性は、なかなかそういうわけにもいかないようで、やっぱり次も同じように「追われる」ところから恋愛がはじまったりするわけです。

そして、自分に言い寄ってくれた女の子のマイナスポイントをみつけては、なんだかしっくりこないと思い、別れることにする。

こういうったことを3回以上繰り返していると、たいていの男性があることに気がつきます。

(今にして思えば、いちばん最初に付き合った××ちゃん、あの子はいい子だった。うなじのラインぐらいのことでイヤケがさした自分は間違っていた……かもしれない)

(こうやってフリーになって冷静に考えてみると、今の前の前に付き合っていた△△ちゃんがいちばんよかった。なんであんないい子と別れてしまったんだろう。ハリキリすぎだけど、ウソをついたり駆け引きもしない、正直な女の子だったじゃないか)

そして……、

(あああ、あの子ともっとちゃんと付き合っていればよかった。……連絡をとってみたら、どんな対応されるかな)

と思う男性も一部いるわけです。

過去の交際を振り返って、女の子のことをよくわかっていなかった自分、彼女のよさや魅力をまだ理解できなかった自分に気がつきいたら、まずはじゅうぶんに反省をしましょう。

そして、やっぱりあのとき、もっとやさしくしていればよかった……と後悔し、元彼女のことがどうしても気になって、連絡をとってみたい。できれば、元サヤに……という気持ちがあるのでしたら、次の項目をチェックしてみてください。

  • 今でもメール交換ができるような、彼女を一方的にキズつけない、よい別れ方をした。
  • 付き合っている間、彼女に冷たい態度は取っていなかった。
  • 彼女は、気が強くシロクロはっきりつけたがるタイプではなかった。

以上の3点にあてはまっているのでしたら、気になる元カノに連絡をとってみてもいいかなと思います。

また、一つ二つ、あてはまる部分はあるけれど、どうしても連絡してみたい気持ちがおさえられないという場合は、

「ごぶさたしてます。暑いけど、体調は大丈夫ですか? この間、久しぶりに□□さん(元カノとの共通の知人で、彼女が好感を持っていた相手)と会って、○○(元カノの名前)は元気と聞かれました。元気かなとオレも気になってます。最近はどう?」

というようなメールを送ってみるといいかもしれません。

まず、相手の安否を気遣い、誰か共通の知人との再会で、元カノの最近のようすも気になったんだと、さりげない感じで連絡をとってみましょう。そうすると、元カノのほうも「共通の知人に聞かれたから、私が元気か聞いてきたのね」と思ってくれるかもしれません。

いずれにしろ、後悔先に立たずです。女の子のほうから告白されて付き合うときも、やさしさと誠意を忘れず、うしろめたいことのないようにしておけば、あとで彼女のよさがわかったときにも連絡がとりやすくなるはず。

ひとつひとつの出会い、恋愛、ひとりの女の子を大切にする……そんな気持ちを忘れずに接していれば、よい別れ方ができて、あとで友だちになったり元サヤに戻ったりもしやすくなるはずです。

追いかけられてはじまった恋愛も、ぜひマイナス面ではなく、プラス面を見るようにしてほしいところです。

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酒井冬雪です。最近は別れ方も自然消滅、フェードアウトタイプが増えているようです。……それって、私はけっこうつらいかも。ハッキリふられたほうが、心の整理もつけやすい気がします。では、またね。