ときどき、ときどきなんですけど、取り立ててイケメンというわけでも、背が高いわけでも、ファッションセンスが優れているわけでも、アタマがいい(高学歴と言ってもいい)わけでもない。誰もが考えるモテ要素がそろっているわけでもないのに、なぜか女の子にとてもモテる男子がいます。
そういう男子をジーッと見ていると、女の子の中にズカズカ入っていって、一生懸命モテるふりをしているわけではないことに気付きます。
仲間内の、同性である男子からも人気があったりして、どちらかというと、男同士でいるほうが楽しそうなフシがあるのです。
ハタから見ていると、なんで彼がモテるのか? まったくワケがわかりません。
わからないので、そんな彼を「好き!」という女の子の側に、
「どうして彼のことが好きなの?」
と聞いてみると、意外な返事が戻ってきます。
「私のこと、怒ってくれたから(キラキラーン)」
同世代の男の子に怒られるなんて初めて → 男の子から怒られるなんて新鮮! → 怒ってくれるってことは、それだけ私を気にかけて、本気で心配してくれてるってことだよね。
……というわけで、きゅぅーんとなるのだそうです。
少数派とは思いますが、読者の女性のみなさん、考えてみてください。
同世代の男子に怒られたこと、あるでしょうか? 知的な理系女子のみなさんでしたらきっと、心の中にすぐに「No」の答えが浮かぶことでしょう。
そうじをサボる男子、小テストのまるつけができない男子(いるんです)、授業中にとなりの席でいらぬちょっかいをかけてくる男子(本当にいます)、出しゃばりでイベントのときにはしゃいでからんでくる男子、同級生の男子の尻拭いをさせられて、怒った記憶はあるけれど、同じ世代の男子に怒られるなんてありえないわ……という女子がほとんどかと思います。
ちなみに私は、そんな男子達を面と向かって怒ることもなく、無言でスルーしてきたクール女子でした。やっぱり、同世代の男子に怒られるなんて、ありえないなぁと思ってしまいます。
ところが、ハタから見ると「どうしてモテるのかわからない」男子は、女性を怒ったり、叱ったりするというのです。私なんぞは、そう聞いただけで、いやーっ、怒られたくなんかない。ホメられて伸びるタイプ! と叫びたくなってしまいます。
そういうわけで、なんで怒られて → キュンとなってしまうのかわからないので、どういったシチュエーションで、どんなことを怒られたのか、怒られてキュンときた女の子に聞いてみました。
「豹柄のハデなチュニックを着ていたら『オマエ、それハデすぎじゃない? もう少し露出の少ない服を着ろよ』と注意してくれた。そんなこと言ってくれる男子はいなかったから新鮮だった」
「ちょっとマジメな男の子に彼女いるの? とか言って、からかっていたら『そういう冗談言うなよ。こいつがそういうこと簡単にベラベラ話さないのわかるだろ』って怒られた。でも、後で考えたら、自分が悪かったかなと思い、怒ってくれてよかったと思った」
「同期の女の子同士で、その場にいない子の悪口というかウワサ話をしていたら『そういう話は聞きたくない。人のこと悪く言ってると、イヤな顔つきになるよ』と怒ってくれた」
いずれの場合も、公衆の面前でビシッと怒られたのではなく、彼とふたりきりになったときに、声を荒げることなく、さりげない調子で注意をされたということです。
このように、時と場合を考えて、相手をキズつけないように、上手に怒ってくれる男子は、女の子にとってメッタにある経験ではないので、とっても新鮮に感じるようです。
このように、ただ女の子をホメて持ち上げるだけでなく、ときどき上手に怒ったりもできると、モテにつながることもあるようです。
女の子も恋愛だけでなく、今の自分が置かれている状況、自分のしていることに100%自信を持っているわけではありません。
人の悪口を言っている自分がイヤだと思いながら、心配や不安のせいでつい、何かを人のせいにしてしまうこともある。
ここまでやったらやりすぎ? と心の中で思いながらも、過剰なメイクをしたりハデハデな格好をしてしまうこともある。
そんな自分の中の「不安」を、全否定したりせず、上手に怒ってくれる同世代の男性がいたら、ちょっと立ち止まってわれに返って、自分を見つめ直すきっかけを作れるのかもしれません。
女の子を怒れる男性は、女の子達にとって新鮮なドキドキと、不安でとにかく走り続けてしまう自分を、立ち止まらせて休憩させる、ストッパーの役割をしてくれているようにも見えます。
怒ってくれる同世代の男性、あんまりいないからこそ、貴重で重宝されて、モテてしまうのかもしれません。
もし、自分が女の子を怒ったりしても、OKなキャラかなと思うのでしたら、ぜひ、チャレンジしてみてほしいものです。長男、お兄ちゃん気質の方に向いているモテ方です。特に、妹がいるお兄ちゃんだと、女の子の扱いにも慣れていて、いいよね……と思います。
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酒井冬雪です。そういえば、私の友人にも、女の子を平気で怒っちゃう同級生、いました。ね、ケンちゃん(←こう呼ぶと怒られます)。でも、私はやっぱり怒られるのは苦手です。たぶん、怒られてもスナオに聞ける女性は、末っ子タイプの女の子なのかもしれません。統計をとっていないけど。では、またね。